警視庁捜査二課・郷間彩香 ガバナンスの死角 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
- 宝島社 (2016年9月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (478ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800259592
作品紹介・あらすじ
捜査二課特殊知能犯罪係主任を拝命した郷間彩香。しかし、新設されたばかりの郷間班は、課をあげて追いかけている大手商社・亜秀商事の贈収賄事件を担当させてもらえない。「事件に大きいも小さいもない」と息巻く彩香は、亜秀商事の役員・峯の約十万円の横領容疑を追いはじめるが、峯と関係していた新田という男が不審死を遂げていたことから、大型贈収賄事件の端縮をつかんでいく-。
感想・レビュー・書評
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大手商事・亜秀商事の役員の横領事件を探るうちに、あれよあれよという感じで大きな犯罪へと、郷間彩香が率いる捜査二課特殊知能犯罪係は追求の手を広げていく。
郷間の心の中の声がなかなか面白い。結構、魅力的で親しみの持てる人柄なんだよなあ。次々と人との繋がりを広げていくのは郷間の人徳なんだろうし、それがこのシリーズの魅力でもある。部下とのやり取りもいい。秋山はとんでもないやつで、浮いていそうだが、そうでもない。面白い人物を考えたものだ。このシリーズの別の本の評でB級て書いたけど、撤回かな。400ページ以上あったけど、読みごたえがあった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
郷間彩香シリーズ第二弾。前作よりも捜査ニ課の刑事らしかった。電卓女は数字に強いだけじゃなく、電卓を武器にしてしまうのか。郷間の心の声が笑わせてくれる。471ページだが、スラスラ読破。
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郷間シリーズ、第二弾。
新設された郷間班のメンバは、揃いも揃って個性派揃い。
警視庁捜査二課では、企業犯罪や政治家の汚職などを担当。しかし、郷間班は、大型贈収賄事件からは外される。
担当したのは、ある企業の役員のカード不正(約10万円)と言う小さな横領事件。
担当も不満だらけだったが、やがて、謎が謎を呼び、やがて大型贈収賄事件の端緒へと繋がっていく。
エピローグにある、登場人物たちのその後が、面白いですね。 -
シリーズ第2弾。
前作は捜査二課なのに、何故か立てこもり事件の特命指揮官になってしまった主人公を描いていたが、今作ではちゃんと捜査二課にまつわる事件の内容。
大手の亜秀商事の贈収賄事件の捜査をメインに描かれるが、彩香の班は贈収賄事件にタッチさせてもらえずにいた。しかし、亜秀商事の役員の横領疑惑から、郷間班も贈収賄事件に巻き込まれていく。
前作とは警察側の登場人物が大きく異なる。
郷間班のくせのある面々の描き方が、少し姫川シリーズを意識しているような感じが否めない。
捜査二課と言う地味でお堅い部署であるにも拘わらず、会話を軽いタッチにしてみたり、だれずに読ませる工夫は感じる部分も。
しかし、やはり贈収賄や横領ではまとまらなかったのか、殺人事件や違法薬物など、結局いくつもの課だけではなく、神奈川県警も巻き込む始末…
あとがきでは、そこが「ハイブリットな警察小説」と褒めているが、メインのお金に関するトリックがかなり弱い気がして、そこが残念。
でもラストの登場人物の後日談は、かなり面白い。 -
郷間彩香シリーズの第2弾。前作よりも面白かった。郷間主任と個性的な部下達いいです。次作も楽しみです。
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前作も読んだのですが、全然覚えていません。多分面白かったでしょう。今作も大変面白かったです。個性的な登場人物で話の流れも良くテンポでした。最後は丁寧に説明されてまして、スッキリ読み終わりました。次作も楽しみです。
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知能犯ものとして、非常に良くできている作品だと思います。
企業の体質、会社員としての悩み、警察機構の組織的な壁を越える刑事の誇り、しっかり考えられた事件の全体像、たくさんの魅力的なキャラクターなど。
次作も楽しみです。 -
後半のスピード感、すごかったです