警視庁捜査二課・郷間彩香 ハイブリッド・セオリー (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
3.51
  • (5)
  • (32)
  • (29)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 232
感想 : 31
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800265593

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 捜査二課特殊知能犯罪係の郷間彩香が主人公だが、係のメンバーが個性豊か。秋山なんか、こんな刑事あり得んでしょうというぐらい、くだけちっているよなあ。彩香と秋山のやりとりなど、ほとんど大阪漫才のノリだ。面白いんだけど、やれやれというところもねえ。ちょっと下品だし。意外と、もう一冊もう一冊と読んでしまうかも。
    詐欺の手口やトリックなどは、それなりに考えてあって、これまた面白いんだけど調子よすぎるところもある。なんちゅうか、B級の面白さって感じかな。

  • シリーズ第三話。主人公・郷間彩香は数字に強く、指を動かしながら考えをまとめる、ときどき心の声が聞こえてまう、だいぶキャラが立ってきた。吉田のヒントが定番になるんだろうか?ストーリーはまあ普通、終盤に盛り込みすぎかな。

  • シリーズ第3弾。
    現職の区長の汚職を疑う匿名の電話から、郷間たちはある金融会社の調査を試みる。
    現実性があまりないことから、本格的な捜査は保留となるが、匿名の電話をかけてきた人物が水死体で発見されることから、事件に巻き込まれていく郷間班のメンバーたち。
    殺人事件、詐欺、カジノ賭博など結構盛沢山な内容。
    捜査一課や所轄など複雑に絡みあう事件。
    果たして、その中から郷間が導き出した事件の真相とは?
    今作は詐欺事件も絡んでいるところから、郷間の「電卓女」の本領が発揮される。第3弾にして、やっとか…と言う思いもあるが、このシリーズの面白さにたどり着いた感じも。
    もともと4作で完結するようなので、読み出した作品。
    せっかく面白くなったところで、あと1冊なのも、少し寂しいかも…

  • 警視庁捜査二課特殊知能犯罪係主任の郷間 彩香警部補を中心としたストーリー、第三弾。

    郷間班は、それぞれ個性的な面々で、特に『やっさん』と言われる秋山とは、良いコンビ。
    随所に現れる彼女の心の声も、クスッとなります。

    今回、墨田区長の汚職疑惑を調べるうち、詐欺グループなど、様々な面々の登場で、真相は闇の中へ。
    更に、殺人事件もからみ、物語は、いかなる展開を見せるのか?

    最後の、登場人物のその後のシーンは、まるで映画のようですね。

  • 郷間彩香の同僚で年上のやっさんこと秋山。
    この男に対する 郷間彩香のつぶやきが実に新鮮。
    また、秋山の持つ独特な存在が、ピリリとしている。
    理性や思い込みを排除した動物的な処理能力の秋山。
    セクハラと自覚しないセクハラ男。
    そして、愛することを愛している吉田。
    なんとも言えない 間合いと警察の中では、えらいそうだ。
    吉田は、ハイブリッドセオリー 雑理論。
    原因と結果がある。事件捜査は、結果から原因を探る。
    自分にとって都合のいい結果が期待できる要素を優先して取り入れる。
    つまり、確証バイアスによって、原因と結果が見えなくなる。
    本当の動機とは何かを見つけ出す必要がある。

    見渡してカモがいなければ、誰がカモなのか明らかだ。
    というのが、実に明快だった。策士、策に溺れるのだ。
    山中理沙は、中山になったりで散々だが、女を男と見間違えて恋をする。
    とにかくドジというしかない。
    復讐なのだが、なぜそんな復讐を。
    コチドリ型の嘘。子供を守るためには、偽傷しかない。
    とにかく、フィクサーを割り出すには、郷間彩香でなければできない。
    ふーむ。どうも、組み立てが、構造的だ。

  • シリーズ3冊目。この人の話は、ちょっと微妙な恋?みたいな人間関係もありながら、地道に事件の本質に迫っていくところが面白い。パズルがちょっとづつハマっていくような、あれ?違う?みたいな。今回は特に、それぞれの事実とそれに対する認識は正しいのに組み合わせ方を間違えると・・・というような話だったし。
    ところでまた1つ残念なことが。終盤で、サブキャラの名前の誤植。山中なのに中山、と。シリーズ1冊目は、そもそもの事実設定の勘違いもあったり。ちょっとこの会社の校正を疑いそう。

  • 郷間彩香シリーズ第3弾。
    少しずつキャラクターも安定してきて、ストーリーに落ち着きが出てきた感がある。以前は行間に挟まれる彩香の心の声に違和感を感じていたがそれも楽しめるようになった。
    荻原兄弟の正体が分かり、裏で警察情報を流していた警察官の正体が分かったり、事件の全てを操っていた繰り師の存在が分かったりと最後に色々詰め過ぎた感はある。
    吉田の登場もやや突然過ぎるかな。

  • 読み終わってからシリーズ3作目と知る。また、1作目は2013年のこのミス大賞を受賞して、2016年の秋に松下奈緒主演でフジテレビ系で2時間ドラマになってたのも読み終わって知る。3作目から読んでしまったが、そういうことを知らなくても結構面白く読めた。松下奈緒でドラマ化と云われて納得できるわ

  • 複数の犯罪が絡んだ複雑な構成で、シリーズの中では一番面白かった。郷間刑事の特徴である計数感覚と強引な暴走癖は少し影を潜めていますが、その分チームリーダーとしての采配により一体感が出てきたところに成長を感じました。
    吉田警視監のなんとも言えない緩い存在感も程よいアクセントになっています。

  • シリーズ3作目。
    だんだん面白くなっていってる気がする。
    できる刑事郷間彩香が、読んでいて面白い。
    吉田警視監とのラブがこの後どうなっていくのかなぁって楽しみ。
    今回また新たな登場人物も増えて、また次も楽しみだ。


    ***
    捜査二課特殊知能犯罪係主任の郷間彩香は、匿名の通報を受けて墨田区長の汚職疑惑を調べるうち、かつて区長が経営していた金融会社の現社長に目をつけて尾行を開始する。浅草署の刑事が追う詐欺グループや謎の青年が捜査線上に浮上するなか、隅田川でホームレスの死体が発見された。複雑に絡む人間関係と不可解な金の動き―。なかなか噛み合わない事件に“電卓女”こと郷間はどう挑む!?

全31件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1969年、山口県生まれ。『警視庁捜査二課・郷間彩香 特命指揮官』で第12回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2014年にデビュー。他の著書に『警視庁捜査二課・郷間彩香 パンドーラ』、『組織犯罪対策課 白鷹雨音』、『ノー・コンシェンス 要人警護員・山辺努』、『アナザー・マインド ×1(バツイチ)捜査官・青山愛梨』などがある。

「2021年 『産業医・渋谷雅治の事件カルテ シークレットノート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

梶永正史の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×