男の娘どうし恋愛中。

著者 :
  • 宝島社
3.92
  • (2)
  • (8)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 56
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (115ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800277800

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • また一冊、出逢えてしまった、グッと来る恋愛漫画に
    受け止め方は、漫画読みでそれぞれだろうが、両想い、その形に到る可能性が高い両片思いであるなら、私の中では恋愛漫画であって、カップルの性別は特に気にしない
    気にする必要があるのか、と思っているが、このカップリングは私に新鮮な驚きを与えてくれた
    その感謝だけでも、星を五つにする理由になる
    『兄友』や『古見さんは、コミュ症です。』、『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦』、『ああっ女神さまっ』などとジャンルこそ異なるが、同じくらい、心が至福で満たされる
    つまり、この『男の娘どうし恋愛中。』は、文句なしで良い恋愛漫画ってこと
    確かに、この男の娘同士の恋愛エッセイは、空前絶後って表現以外はしっくり来ないだろう。帯を作った担当編集者さん、大島先生へのリスペクトがしっかりとあるな
    作画を、ふみふみこ先生が担当しているってのも、お勧めポイント
    秀良子先生や、元ハルヒラ先生も、良い物を描いてくれるBL漫画家ではあるが、大島先生とミシェルさんの恋物語の魅力を十二分に引き出せたのは、『ぼくらのへんたい』を描き切った、ふみふみこ先生だけだっただろう
    やっぱり、原作と作画が「イェーイ」と叫びたくなるくらいのベストマッチだと、良い作品が生まれるんだな、うん
    四コマ漫画形式なので、BLを読んだ事のない人、興味はあるけど迷ってる人にも読みやすく、それでいて、読み慣れている者でも、かなり力強く惹き込んでくる。これまた、正解だ
    この『男の娘どうし恋愛中。』も、高校の図書室に置いて欲しい・・・・・・あー、いや、図書室だとマズいか。なので、保健室に置いてもらうのが一番だな
    不特定多数の生徒が訪れる図書室に置いておくと、読んでいる姿が人目に触れちゃうかも、って不安で手に取れない可能性がある
    なら、保健室にあれば、自分の恋心と周囲の常識の違いで悩んでいる生徒も、安心して読める、と考えるのは、さすがに安易だろうか?
    でも、読んだら、何かしらの勇気っつーか、自信を与えてくれると思うんだよな
    学生時代に、自分らしく生きていいんだって自信が持てる、与えてくれる「何か」に出逢うのって、結構、大事だと思う
    教育者の仕事の一つには、その「何か」を生徒に与える事がある、って思うのだが、それは素人考えなのだろうか?
    ここまで書いておいてなんだが、いっそ、図書室に置いても良い気がしてきた
    悩んでいる本人は、迫害される恐怖から読めないかも知れないけど、その当事者の友人が読む事で、親友の悩みに何となく気付き、力になってやりたい、または、優しく見守ってやろう、って考えになってくれるかもしれない
    世の中、そんな甘くないってのは百も承知だ。けど、そんな理想論を語りたくなるだけの純愛が、このエッセイコミックにあるのだから、子供の未来を信じたい、すっかり薄汚れてしまったオトナとしちゃ
    これまた、人それぞれだと思うが、あえて強く言いたい
    あとがきまで読んでほしい。この『男の娘どうし恋愛中。』は、あとがきまで読んでこそ、本当の魅力にKOさせられるのだから
    毎度、あとがきまで読む事にしている私だが、ここまでグッと来るあとがきには初遭遇だ。有体に言っちゃうと、星五つの内、三つは、このあとがきが占めている
    読まないと損する、そんな事すら言えちゃうくらいだ
    改めて、最後に言いたい、ほんと、この『男の娘どうし恋愛中。』に出逢えて良かった。同時に、大島薫って、人間として尊敬できる人に出逢えた事にも、心から感謝したい。そのキモチが、このレビューで少しは表現できていたらいいんだが
    今後、大島薫さんに直接、会える機会はないだろう
    まぁ、会えたら、それはそれで嬉しい。偶然、街中でバッタリではなく、サイン会付きの講演会に行けるとなったら、この単行本を持って行きたい
    大島先生とミシェルさんを気持ち悪いと感じる者、人間的にアウトだって言う人もいるだろう
    それに対し、怒る人もいれば、悲しめる人、呆れかえる人、やっぱり、個々で反応は違うだろう
    私はと言えば、「ふーん。だから?私には関係ないし、どうでもいいな」で終わりだ
    私にとって大事なのは、大島薫って人間が真摯に尊敬できるって一点のみだ
    他人の評価に、興味も関心もない。だから、他人にも、私の考え方にイチャモンを付けられても困るし、相手にするエネルギーも湧かないし、時間を割く余裕もない
    大島先生や、LGBTの人を貶したいなら、勝手にどうぞ。まぁ、あえて言うなら、そんな事してると、人間力を自分で下げるだけですよ、くらいか
    随分と物騒かつ不快感を煽るような事を書いてしまい、申し訳ない
    気にしないように、と思っている割に、この手の作品にケチが付けられると、どうにも、神経が逆なでされてしまうな、まだ
    精神修行がてんで足りてない、私も
    ともかく、自分らしく生きたい、もう嘘は家族、友達、誰よりも自分に吐きたくない、と思っていて、追い詰められている学生には読んでほしい
    劇的に何かが変わる訳じゃないけど、きっと、自分だけの道を優しく照らしてくれる灯の一つにはなるはずだ
    この台詞(?)を引用に選んだのは、大島先生とミシェルさんが幸せになれますように、と心から思って、願いたくなったので。私が、この『男の娘どうし恋愛中。』を購入した1080円じゃ、生活費の足しにもならない気はしますが、せめて、ミシェルさんが大好きな人の為に作っている料理の材料費の一部くらいになったら、嬉しいなァ
    しっかし、随分と長々、しかも、自分勝手な感想になっちまった。一週間連続で雷に打たれるよりも有り得ないだろうが、もし、大島先生とミシェルさんに逢う事になったら、まず、土下座したくなるかもしれん

  • 大島さんとミシェルさんのカップルは存在くらいしか知らない状態で読みました(ふみふみこ先生目当て)もっと2次元キャラとしてのラブラブ4コマ本として作るのかと思っていたら、ミシェルさんに自分と同時進行のパトロンおじさんがいる苦悩についてのお話など載っていて、過去にトラウマがあるAV女優さんと付き合う男の人って(男女カップルでも男の子同士カップルでも多分女同士カップルでも)大変なんだな…みたいな 現実的に男の娘としてどう生きるのかっていうところまで描かれていて読み応えがあった  

  • 大島薫さんがどうやって女装男子になったか、
    女装男子ミシェルさんとの関係についてが
    ふみふみこさんの作画で読みやすく描かれています。
    現実は小説より奇なりを地で行く凄い人生…

    性自認は男性で女装が好きで女装男子に恋をして…
    何と複雑なセクシャリティ!
    「ふみふみこの漫画みたい!」というセリフが
    ちょくちょく出てきて、
    「まさに!」と頷いていたのですが、
    あとがきはもっともっとすさまじいものでした。
    えええ…それでいいの…?いいならいいけど…

    平凡過ぎる人生を送っている私には
    共感しづらい部分もありましたが、
    こういう人生もあるのだなと知っておくことは
    いいことじゃないかな、と思いました。

  • 読みました。ブッコフで売ってたから買ったけど「出版されたの去年とはいえ12月じゃん早くね?まだ3ヶ月ちょいしか経ってないよ?」って奥付見て思い、その後の顛末とかニコ動で確認しました……

    ばかやろう。

    幸せんなれよ。

  • 性的嗜好もいろいろあるんだなぁと思った。
    この2人は社会的にも認められていると思う(もちろん、ものすごい困難と努力の結果だが)が、きっともっと色々人には好き嫌いがあって、そこには社会的に受け止められないものがあって、そういう人はどう生きる社会であるべきか?
    誰でも考えたことがあることだと思うが、本当に(最適)解の見つけにくい問だなぁと思いました。

  • 最近難しい本が読めません。
    そんな訳で大島薫さんのこの本を読みました。絵柄はとってもかわいらしいのに、中身のパンチは結構ありました。
    特に後書き…。
    後書きの事は是非読んでほしいので伏せます。でも、この二人のように自由に生きるのが難しい世の中ではありますが、本当にお互いへの気持ちが伝わってきて、また大島薫さんの女装男子に対する気持ちも伝わってきて、本当に素敵な本でした。

    結婚について思うのは、自分もミシェルちゃんと同じように結婚願望はない。でも、そばに寄り添って一緒に歩ける人は欲しいというのが現状です。特に結婚についてトラウマがあるわけではないのですが、なんでなんでしょうね?

    ミシェルちゃんが”自分が女の子だったら、もっと甘えられるのかな。”と思う所では、「性役割」というものについて考えさせられました。確かに女の子は甘えられる。料理をするのが女の子と言う「性役割」があります。今、少しずつそれは無くなってきていますが、まだまだ。
    ちなみに自分の場合は”男の子だったらもっと強くなれるのかな。”です。もっと心も体も強くなりたいという弱い自分の願望です。

    軽く読めて、内容は濃い一冊なのでおすすめです。

  • 男の娘の恋愛事情。

    女装が好きなだけの男の娘の
    仕事内容やら恋愛模様やら。
    普通に恋愛してケンカして仲直りして…な内容でしたが
    あとがきを見てびっくり、です。

    確かにそれは漫画にできないけど! の内容てんこ盛り。
    話の内容が、きれいっぱり吹き飛ぶ状況でした。

  • サブカル棚をずいぶん探して見つからなかった。
    マンガだったのね。

    まず、第一印象は「ポリアモリ」じゃねえのかー
    というところ。

    ファンが先生に恋して結婚しちゃう感じ。
    しかもそれが双方向で。

    ポリアモリならどんでん返しも問題ないけど、
    さすがにそれはないのかな。よくわからん。

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

1989年6月7日生まれ。
男性ながら、女性よりも可愛らしい容姿を武器にセクシー女優として活躍していたが2015年6月に引退。
現在はマルチタレントとして活躍中。
著書に『ボクらしく。』『大島薫先生が教えるセックスよりも気持ちイイこと』『男性ですが例のニットを着てみました』などがある。

「2019年 『モテたいと思っている男ってなんであんなに気持ち悪いんだろう~本当にうまい女性のほめ方~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大島薫の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
矢部 太郎
村田 沙耶香
おのでらさん
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×