- Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800312488
感想・レビュー・書評
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これは全く思っていた本とは違った。
タイトルが「映画評論・入門!」で、副題には、「観る、読む、書く」とあるので、その様な本だと思っていた。しかし、「観る、読む、書く」に該当する部分はたったの11ページしかない。しかも、それは町山智浩氏がの書き方であって、数ある映画批評のほんの一例を紹介しただけに過ぎない。
本書の大部分を占め、著者が最も力を入れているのは、「七人の侍」、「ゴジラ」、「仁義なき戦い」など、7本の古い映画の公開当時の映画評論を集めた章である。
現在では名作として認識されている作品は、公開当時にどの様な批評されていたか?
ここに興味を惹かれる方であれば、この本を読む価値があるかもしれない。
ただ、注意したいのは、資料の関係からか、著者がリアルタイムで体験していない古い映画だけを取り上げていることである。そのため、体験していれば当然感じていたであろう、当時の雰囲気や、当時は誰の評論が影響を及ぼしたかなどといった生の情報が一切ない。
著者が当時も体験していて、自分でも評論を書いた作品も何本か入れていれば、まだ良かったのだが、当時の雰囲気を肌で感じていない人が、後から評論だけを集めても、重みづけができず、結局色々な意見を並べることしか出来ていない。
体験していないから、著者独自の意見も書けない。この本は総じて、著者の視点や主張が欠けている。そのため、読みものとして面白味がない。
ともあれ、映画評論の書き方について知りたい方には全くお勧めできない本ということだけは確かだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
名著。時間を置いて再読したい。
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映画を見る→基本情報を探す→キネマ旬報とかのインタビューを読む
画面を見る
映画の技法を知る
構成を読み解く。 -
映画評論家へのなり方とか、HowTo本なのかなと思いきや、そんなうすっぺらいものではありませんでした。
映画評論家とはそもそもなんなのか、誰も定義をしていない。筆者も最初は映画ライターと称していたが、周りから、映画評論家を名乗るように示唆されて戸惑ったと。
その逸話から、映画を評論するとはなんなのか、その微妙な立ち位置が、まざまざと立ち上がってくる。
昔の評論家から、テレビで活躍した、淀川さんはじめの歴々の方々、最近の感想系の方々まで、流れるような語り口で、映画評論の歴史にふれられぐいぐい惹きこまれます。
前半の映画評論家、映画の立ち位置に対するエピソードがやはり面白い。
高峰秀子、市川昆、とんでもなく、すごい人たちだなーと。
北野武とその評論家の戦い。
私は全く知らなかった。こういう戦いは映画を良くしますね。
後半の、今は名画と言われている映画の当時の映画評を取り上げていくのもなかなか面白い。
よくここまでの情報を集め、そしてそれを全く偉ぶらずに、権威ぶらず、フラットに語れる筆者。
さすがだなと思いました。 -
映画評論の書き方の本かと思ったら、映画評論についての評論の本だった。
という事で、思ってたのと違う!というスタートではあったものの、これが読み進めるうちに、どんどん面白くなってきた。
まず、いろんな人の映画批評を読みたくなる。淀川長治、荻昌弘、蓮實重彦、いろいろ読みたくなった。
そして、現在、名作としての評価が定着している作品が公開当時、どう評価されていたかについてのくだりが面白い。それこそ、近年の作品が30年くらい経って、どう評価されているのかも興味深い。 -
"映画の評論とは何か?
映画評論の世界を作ってきた先人たちの記録や、過去の映画を振り返って当時の評論と現在の評論を比較したりしている。
映画を分解するには、論理的な指摘でなければならない。
批評とはどういうものかを過去の批評を比較することで浮き彫りにしてくれている。" -
一年前の占いの正誤を検証する年末の特番のように楽しめながら、実は映画の価値ということについて論じているように思う。単に評論家列伝に陥りそうなところを意識的に回避して、最終章では犯罪に絡めつつ映画の世につれ世は映画につれを説く。面白い。
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宇多丸さんがラジオで推薦してたので。
モルモット吉田さんは、キネマ旬報の星取りコーナーで読んだことがあるくらいだったがおもしろかった。
感想と評論の違いとか、北野映画について、とか。
高峰秀子の素晴らしい行動とか。
過去の文献をとてもきちんと調べている。素晴らしい。 -
『TeLePAL』懐かしい!コラム読んでた!
淀川さんはやはりすごい人だったのだなあ。