文豪たちが書いた 笑う名作短編集

  • 彩図社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784801306028

作品紹介・あらすじ

本書には、11人の名だたる文豪たちによる「笑える話」が13作品収録されています。

誰もが知る昔話を皮肉たっぷりに描いた芥川龍之介の「桃太郎」、素直になれない男の〝ツンデレ小説〟である太宰治の「畜犬談」、都会の恐ろしさをユーモラスに綴った夢野久作の「恐ろしい東京」、独特な語り口が癖になる、シュールでナンセンスな坂口安吾の「風博士」などなど……。
馬鹿馬鹿しくて笑えるものから皮肉が効いたブラックジョークまで、様々な笑いの形を意識して選定しました。

堅苦しい「文学」のイメージとは一味違う、おかしくも味わい深い名文たちをご堪能ください。

感想・レビュー・書評

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  • 友人から芥川龍之介「桃太郎」は知ってる?と聞かれた。昔話の桃太郎を基に世情への批判を込めた短篇とのこと…うーん記憶にない。

    遥か昔に読んだ芥川龍之介、今も大切にしている新潮文庫7冊を調べてみると収められていなかった(昔の本なので文字が米粒半分程の小ささ!)

    「桃太郎」怠け者で強欲の桃太郎、正直で温和な鬼達、という設定。皮肉たっぷりの筆致だけど、やっぱり芥川龍之介は天才だなぁ、と改めて思う。
    太宰治「畜犬談」が傑作!

  • タイトル通りの内容。
    でも、「笑う」まではいかないな。

    ・算盤が恋を語る話       江戸川乱歩
    ・殿さまの茶わん        小川未明
    ・畜犬談――伊馬鵜平君に与える 太宰治
    ・酒ぎらい           太宰治
    ・恐ろしい東京         夢野久作
    ・手品師            豊島与志雄
    ・或良人の惨敗         佐々木邦
    ・永日小品(抄)        夏目漱石
    ・風博士            坂口安吾
    ・流感記            梅崎春生
    ・蝿              横光利一
    ・桃太郎            芥川龍之介
    ・芋粥             芥川龍之介

    そこそこおもしろかったのは太宰治の「畜犬談」かな。
    ツンデレ小説です。
    ツンデレ、という言葉自体はなくとも昔からこういう妙のものはあったんだろうなぁ。

  • 彩図社文芸部『文豪たちが書いた 笑う名作短編集』彩図社。

    11人の文豪による13作品の『笑える話』を収録したアンソロジー。

    『笑える話』というよりは寓話めいた『皮肉な話』が多い。昔の小説はこうした類いの話が多かったように思う。

    江戸川乱歩『算盤が恋を語る話』。既読。江戸川乱歩の作品にはしばしば暗号が扱われるが、算盤を使った暗号というのは面白い。暗号と偶然が起こした勘違い。今時は算盤などなかなかお目に掛からないが。★★★★★

    小川未明『殿さまの茶わん』。寓話のような話。殿様に献上するために陶器作りの名人が精魂込めて焼き上げた薄手の軽い茶碗。しかし……★★★★★

    太宰治『畜犬談』。既読。根っからの犬嫌いの男が犬を飼い、犬に翻弄される。男の卑屈さの描写が太宰治らしい。★★★★

    太宰治『酒ぎらい』。落語の『饅頭こわい』のような話。酒飲みの気持ちを巧く描いている。酒を飲んだ翌日に自己嫌悪に陥り、それでも飲むことを止められない。★★★★

    夢野久作『恐ろしい東京』。何時の時代にも田舎者には恐ろしい東京。複雑な路線に見たこともない仕事や詐欺の手口。★★★★★

    豊島与志雄『手品師』。寓話のような話。何事もほどほどが一番。★★★★

    佐々木邦『或良人の惨敗』。旦那よりも奥さんの方が一枚も二枚も上手。旦那は奥さんの手のひらの上で遊ばれているだけ。★★★★

    夏目漱石『永日小品』。既読。抜粋。最初に読んだ時はいきなり虚子という人物が登場し、後に高浜虚子のことであることを知る。しかし、未だに虚子が気になり、面白さが解らない。★★★

    坂口安吾『風博士』。既読。風博士と蛸博士。何の博士か知らないが、よく解らぬ展開と結末。★★★

    梅崎春生『流感記』。流感に罹患した作家。締め切りは迫るが執筆出来ない状況に。熱は下がったものの……★★★★

    横光利一『蝿』。人びとの日常と誰も予想もしなかった不幸を一匹の蝿が見つめる。★★★

    芥川龍之介『桃太郎』。既読。有名な昔話であふ桃太郎の真相を皮肉たっぷりに描いた作品。★★★★

    芥川龍之介『芋粥』。既読。一度でいいから満足するほど芋粥を食べたいと願う男。何事もほどほどが大切。★★★★★

    定価750円
    ★★★★

  • 明治・大正・昭和の作家による短編集。笑えるというか、ブラックユーモア的なお話が多い。たぶん、そうなのだろうと思ってはいたけれど…

  • 正直それほど笑う局面は無かったが滑稽さや悲哀さを描いたような作品多数
    昔の作品ばかりなのでその辺の読み辛さも少々

  • 「笑う」とタイトルにあるのに、くすりとも笑わなかった。面白いとも思わなかった。残念だ。芥川龍之介は上手いな、とは思った。

  • こういうアンソロジーのシリーズがあったとは。
    太宰治や芥川龍之介など、名だたる文豪の「笑える」短編を集めたもの。
    芥川が書いた「桃太郎」があると聞いたら、読みたくなるでしょ。
    いやー、さすが芥川w
    あの「桃太郎」がそうなるとは。
    犬が怖いあまりに色々考えすぎて犬に好かれるようになる太宰治w
    「ストレイドッグ」では、虎になつかれてたっけw
    乱歩に夢野久作、小川未明と豪華ラインナップだけど、「笑い」は素直にわははと笑うものはなかったな。

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