完全記憶探偵 上 (竹書房文庫)

  • 竹書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784801909298

作品紹介・あらすじ

デッカーは、あらゆる記憶をDVDを再生するように取り出せる完全記憶能力を持つ探偵だ。プロフットボールの選手だったが、試合中の事故がきっかけでこの力を持つこととなった。競技を引退し、刑事となったのだが、愛する妻子を惨殺され、第一発見者となってしまう。その能力ゆえに、悲惨な光景を正確に再現してしまうデッカーは、苦しみ、犯人を見つけられないまま警察を去った。だが1年後、かつての相棒がデッカーの元を訪れた。レオポルドと名乗る謎の男が自首してきたという。レオポルドが拘留された日、地元の高校での銃乱射事件が起き、8人が殺された。過去最悪の事件に、デッカーも警察の相談役として捜査に加わることになったが、やがて妻子の殺害と銃乱射事件の意外な繋がりが判明する-。ニューヨークタイムズベストセラーリスト1位獲得の話題のミステリ、ついに日本登場!

感想・レビュー・書評

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  • 原題は"Memory Man"、脳の話にすごく興味があるのと帯の惹句につられて借りてきました。プロフットボールのデビュー戦で猛烈なタックルを受けて心肺停止の重体となって蘇生されたことを機に、後天的にサヴァンのような特殊能力を持つに至り、回復した後は引退して警察官になった男性デッカーが主人公。読み始めるまでわからなかったけれど、記憶に関することだけでなく共感覚も持つようになったという設定で、これは記憶とは違って捜査に抜群の効率をもたらすとかいうことはなく、デッカーの人生や日常や感覚がどのように根本から変わったかというのを想像するよすがになる感じでした。共感覚にも興味があったので嬉しい驚きでした。デッカーは何者かに妻子と妻の兄を惨殺されしかも自らが第一発見者になりその体験を乗り越えられず退職し生活は荒み探偵仕事を細々とやりつつ底辺の暮らしをしているところに、犯行を自白する男が自首してきて、というものすごいところから話は始まります。脳の働きが常人とは違うので、デッカーの行動や感情の処理の仕方も違い、概要だけだとかなり突飛な感じがするものの、読んでいるときには何の違和感も感じず夢中になってどんどん読めました。『羊たちの沈黙』のような、犯人があえて警察とデッカーに挑んでくるという緊張感たっぷりのサスペンスでもありました。事件も動機も、終結のしかたもやりきれないものでしたが、デッカーはもちろん、元相棒の刑事、元上司、関わりをもつことになった若い新聞記者、FBIの特別捜査官、犯人とそれぞれの人物描写にも筆が割かれており、読み応えたっぷりでした。シリーズになりそうな終わり方だったので、もしシリーズになって訳出されたら、是非読みたいと思います。

  • 933.7/ハ/1

  • とてつもなく面白くって一気読み。下巻に合わせて感想を。

  • フットボールの試合中に負った大怪我のせいで,見たもの聞いたものすべてを記録・再生可能できるような記憶能力を持ってしまったエイモス・デッカーは,刑事としての華々しいキャリアを歩み始めたが,妻と子を殺される不運に見舞われ,今は私立探偵として悶々とした日々を送っている。ある男が殺害の犯人だと自首してきたと同時に,地元高校で起きた銃乱射事件,そこで使われた銃は妻子の命を奪ったものと同じ銃だという。下巻に続く。

  • なかなか面白かった。主人公がちょっと特殊で事故をきっかけにすべてを忘れることができなくなった元警官。
    冒頭で妻と子供が殺されてしまう。
    どん底に落ちてそれでも探偵として再出発したとき高校で銃の乱射事件が起きてその捜査に乗り出す。
    よく出来ている。

  • 原題は「Memory Man」のようですが邦題のほうがしっくりきますね。上巻を読み終わった段階では主人公はあまり魅力あるキャラクタではないです。ちょっと荒みすぎではないかと。

  • ニューヨーク・タイムズベストセラー1位。と言う事で読んでみた。久しぶりの海外版のミステリー。しかしなかなか面白かった。展開も早く、主人公のエイモス・デッカーのキャラが面白い。謎が謎を生むストリー。最後の犯人への流れも素晴らしい。日本の作品との違いは、犯人の一人が、途中まで全く登場しない事。この辺の展開は久しぶりかな?
    しかし更に惜しいと感じたのは、デッカーの妻や娘が殺された理由が、おそらく大半の方には理解できない事だろう。本当に殺されるべきは4人だったのに、それ以外の理由なき殺人が行われた事が、理解不能だ。FBI捜査官のノーラ・ラファティはなぜ殺されたのだろうか?その殺された方も含めて余り筋は通っていない。

  • 題名通り、過去の事を完全に記憶した探偵。設定やストーリーは面白い。このままうまくまとまるか。下巻に期待。

  • 主人公がかつて家族を惨殺されそれがトラウマとなってその日暮らしの探偵と過ごしている・・・という導入部の設定はありがち。しかし、他の小説と大きく違うのはそのキャラ。

    なんとアスペルガー症候群(サヴァン)の一種であり、全ての事象を記憶できるという設定で、それが後天的であるがゆえに日常生活も送れる半面、他人に対する共感力や同情心がないという設定が面白い。

    そんななかその能力を見込まれてかつての上司から高校で起きた銃の発砲事件捜査に参加することになる。ここらは唐突な感はあるが、想像通りそれが未解決の家族殺人事件に絡んできて面白くなってくる。

    主人公が一つ謎を解決するごとに新しい謎、新しい事件が起きてくる展開はテンポが良く見事。下巻が楽しみ。

  • 201701/上下巻まとめて。一気読み!主人公も周囲のキャラも個性あっていい。多少強引な展開もあるけど、台詞も味があって、犯人や結末のせつなさも面白かった。続編を期待したい。(イーストウッド主演で映画化された「目撃」の著者だった、そりゃ面白いはずだ。)

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