スパロウズホテル 5 (バンブーコミックス)

著者 :
  • 竹書房
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本棚登録 : 49
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (106ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784801954052

感想・レビュー・書評

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  • 『HOTEL』(石ノ森章太郎)や、『コンシェルジュ』(いしぜきひでゆき・藤栄道彦)を、私は読んでいないのだが、それでも、この『スパロウズホテル』は、ホテルを舞台にした漫画の中でも、結構、品質が高いんじゃないか、と思っている
    もちろん、基本的に私が四コマ漫画を推しているってのも、そんな印象を強く与えるのに起因しているのは否定できない
    先に述べた二作品のように、ストーリーが深いかっつーと微妙だ。どちらかと言えば、まぁ、浅いかも知れん
    しかし、悪い意味の、キャラだけで勝負している作品ではない、と断言したい
    個性が飛び抜けたキャラクターらが、こんだけ自由気まま、躍動感たっぷりに働きまわっていても、話が破綻しないのは、やっぱり、山東先生の起承転結の構成を安定させる能力が長けているからだろう
    四コマ漫画ってのは、キャラのインパクトが強くてこそ、ってのが第一の前提だ
    美人で巨乳、そこまでなら、ホテルの受付嬢として、リアルも漫画も、有り得そうだ
    しかし、佐藤さんの漫画っぽさは、とかくズバ抜けた戦闘力
    ジャンルを四コマ漫画に限定せず、幅を広げて探しても、ここまで腕っ節に長けた美女を見つけ出すのは困難じゃないだろうか
    しかも、この『スパロウズホテル』は、佐藤さんの魅力だけで質を上げているのでなく、彼女の周りのキャラらも、結構、強烈だ
    良くも悪くも、ヤバさでトップを選ぶなら、塩川(兄)が即決だろう。彼の妹への溺愛っぷりは、病気の域すら超えてしまっている。ただ、そんな周りの迷惑を省みられない兄を毛嫌いしつつも、何だかんだで、上手くあしらい、使えている環さんの敏腕っぷりには戦慄する
    個人的にお気に入りのキャラは、ある意味、この『スパロウズホテル』の中では一般人だけど、決して普通じゃない御園くん。ツッコミは『銀魂』の志村新八に匹敵し、気配の消し方の巧みさは『暗殺教室』の塩川渚に劣らない。でも、不憫さが、彼を説明する上で、最初に来てしまう特徴なんだよな
    そんな御園くんが微妙にメインを張っている回が、この5巻では多かった。だから、感想を書こう、と思いたったのだ
    安易なラブコメに、作品の内容が変化しそうな気配がないトコも、私が『スパロウズホテル』を飽きずに読める理由の一つだな
    この5巻で、私がお勧めする回は、HOTEL:86だ。最初は、軽いお遊びだったのに、いつのまにか、背中が煤けるようなチキンレースに発展しまうなど、誰も予想しなかっただろう。オチを御園くんが持っていたトコも最高だ
    この台詞を引用に選んだのは、こう、何と言ったらいいのか、胸にグサッと来たので。しかも、これを笑顔で平然と言った御園くんが衝撃的だった。失言には、ほんと、気を付けよう・・・・・・

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