カーム・テクノロジー 生活に溶け込む情報技術のデザイン
- ビー・エヌ・エヌ新社 (2020年7月14日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784802511872
作品紹介・あらすじ
ユビキタスコンピューティングの父、マーク・ワイザーが提唱した設計思想「カーム・テクノロジー(穏やかな技術)」を基に、IoT時代で目指すべきものづくりのあり方を示す一冊。
電気のスイッチのように生活に溶け込み、人が無意識的に活用できるテクノロジー(あるいはそれらが存在する環境)を、マーク・ワイザーは「カーム・テクノロジー(Calm Technology)」として提唱しました。本書は、デバイスの数が人間の数をはるかに上回り、アテンションエコノミーによって人間の注意が常に奪われる現在において、この「カーム・テクノロジー」という思想を基に新たな設計指針を提示します。「使いづらさ」あるいは「使いやすさ」さえも特別に意識させることなく、本当に便利で、人々の暮らしに当たり前のように深く溶け込むプロダクトやサービスをつくるためにはどうすればよいか、その発想手法が得られる一冊です。
★「無為自然」をデザインコンセプトの中心に据え、カーム・インタラクションを実践するmui Labによる寄稿文を新たに収録。
★ワークショップなどで活用できる、カーム・プロダクトを考えるためのエクササイズを紹介。
★自社製品の改善点を洗い出し、カーム・デザインを適用するためのデザイン指標ツールを収録。
感想・レビュー・書評
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IoT製品等、テクノロジーを用いたこれからのプロダクトデザインについて、参考になる情報が書かれている。
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35ページにある8つのカームテクノロジーの基本原則がおそらく一番重要です。
内容的にはよくあるテクノロジー、デザイン本と大きくは変わらずなかんじですね。カーム(=静寂,穏やかな)という部分が特徴的なので、その部分に共感できるようであれば、スラスラ読めると思います。面白さは可もなく不可もなくです。こんなもんでしょうといった感じでした。
印象出来だったのは「テクノロジーが人間を苦手としている」という部分で、技術を使えば論理的にそれができることと実際にうまく狙った通りにユーザーがやってくれるギャップをうまく説明した文に感じました。
日本企業とかカームテクノロジーのアンチパターンが満載だろうなぁと読んでて思ったので、啓蒙されて浸透するといいなと思います。 -
おだやかなデザインは、生活を邪魔しないし、自分だけわかればいいシグナルは、いっくらでもあるはず。
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現在のシステムが人間の注意を取りすぎるという問題について、注意力を必要以上に割かないためのIFが満たすべき特徴と実例を集めた本。
IF設計に関わる人であれば把握している事が多いのかもしれない。自分もそれなりに設計時に気にしている内容が多かったが、この本のおかげで言語化・整理ができたように思う。
以前読んだ「デジタル・ミニマリスト」ではサービスは人間の注意力を奪うようにチューニングされるものなので、人間側で距離を置くことを提案していた。サービス開発側としてはユーザに使ってもらう必要がある。本書のようなアプローチは一ユーザとしては喜ばしいが、短期的な収益を必要とする大半の商用プロダクトでどれほど適用できるか、というとメインストリームにはなりづらいのかな、とも感じた。
(自分が関わる製品としては当然取り入れたい考えではあるのだが、、) -
いい本だとは思います。マーク・ワイザーの思想を良く理解し、さらに展開してくれてます。私はあんまり興味なかったのですが。
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IoT、ユビキタスコンピューティングと言う情報化社会におけるモノとインターネットが繋がる世界観に対して
マークワイザーが唱えたカームテクノロジーと呼ばれる概念を細かく説明してくれている。
テクノロジーは人間の目に届かない、同化したものとなることが理想、という概念で、個人的には非常に好きな概念を説明してくれている本です。