コンサルが「マネージャー時代」に学ぶコト 知るだけでビジネスモンスターになれる79のスキル/思考と矜持
- ソシム (2023年11月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784802614399
感想・レビュー・書評
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▼感想
・高松さんの書籍は三冊目、コンサルのマネージャは自分にドンピシャなので手に取りました。
・前作の「コンサルが「最初の3年間」で学ぶコト 」のコンサル視点から、今作のマネージャ視点に流れで繋がっているので理解しやすいです。
・マネージャが直面する苦悩に納得する項目もあれば、自分が全然足りていない・出来ていない項目も多いなぁと改めて考えさせられました。
・これからやる事としては、毎朝各クライアント・メンバーに対しての論点ワードを更新する。
▼メモ(抜粋)
・P87:毎朝、論点ワードを更新。その上で今時点での答えを書き切る。
・P174:チームメンバーの全てのアウトプットは大いなるインプット。自分でインプットし考えアウトプットする。それを手足として、チームメンバーに助けてもらう。このように思って、自分自身のコンサルティングスキルを磨いておく。でないと、マネージャーとは言えない。そして、その腕まくりの姿がチームメンバーの「あなた」への尊敬、ロイヤリティにつながる。
・P261:殆ど発言できない状況へのアドバイス ⇒ 「周りをさぁ、バカだと思いなよ。」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本は自己啓発本ではなく、エッセイだ!
読了した感想として、1番最初に感じたのが、エッセイなのか、自己啓発本なのか位置付けが難しい本だなと思いました。
コンセプトとしては『コンサル思考を応用して、あなたの仕事に活かしましょう』と言う自己啓発的な本なのでしょうが、全編口語で書かれているのでサラッとは読めるのですが、全く何が言いたいのかわからない箇所もあると言ったところ。
その要因としては、取り上げられているエピソードが、著書の戦略コンサル時代のエピソードであり、業界人しかわからない様な用語で書かれているからかと…
勿論、インテレクチャアルリーダーシップとか、“ロ→サ→T→ス→作→ア”等、非常に有益な情報もあるのですが、一応コンサルの僕ですら一般化と言うか、仕事に使えそうと納得できる部分が少なかったので、中々自己啓発本として扱うのは厳しいかなと。
ただ、戦略コンサルの仕事感というか、取り組み姿勢を学ぶエッセイとして捉えると非常に興味深い本ではありました。
以上。
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この本は、コンサルタントだけでなく、事業会社の人々やマネージャーにも役立つ、実践的なスキルやリーダーシップの考え方を提供します。著者は、具体的な事例やインテレクチャルリーダーシップを通じて、働く姿勢やメンタリティの根本的な矯正を促します。読者は、ロジックの重要性を理解し、信頼関係を構築する方法を学ぶことができます。この本は、プラクティカルで分かりやすい書き方で、すぐに実践できるプロフェッショナルな働き方を案内します。
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緑ボンが良かったので購入。分厚いけれど話し言葉で書かれているので飽きない。思ったより早く読めた。マネージャーの現場での様子が思い浮かび実践しやすい。
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フックとなる言語化に、こだわるタイプなんだな。
コンサルの仕事は、軌道に載り出しさえすれば、自分のアタマが良くなったように感じて「ドーパミン」みたいなものが分泌されて、のめりこんでしまうものかもしれない。また、情報を整理して、インサイトと行動指針を与えてくれる、という点では「グル」と一緒だな。
私としては、若い人には、最初から「コンサル」を目指すのではなく、きちんと世の中で必要な塗り絵のパーツを自分の責任で完成させる能力を身につけることを目指してほしいな。 -
本書を読んで「なるほどなぁ」と感じる部分も多かった。意外と出来てない部分については見直していきたい。
私自身コンサルとは無縁の「ザ・日本企業」に籍を置いている訳であるが、日本企業にいたら成長が全くできないということではない。
本書に書かれた内容は、私自身若い頃に上司から指導されたことも含まれているし、仕事のやり方というのは普遍的な部分があるはずだ。
一方で、同じことをしていたら「差別化」にはならない訳なので、やはり企業や業界の特徴によって教え方は異なってくるのかもしれない。
本書内の指摘は、基本的に同調する部分は多いが、そういう意味でもコンサル会社の特徴が出ている部分も多かったような気がする。
私自身が本書の中で「いいな」と感じた部分については、次の通りだ。
◎パワポExcelよりもWord
文章を読ませることに意味がある。口頭で説明するよりもまずは読ませてみる。
Amazonでは、パワポ禁止、Word A4で6枚以内にまとめるルールがある。会議冒頭に、その6枚の資料を読み込む時間をとるそうだ。これは実は深い。日本企業でこれを実践している会社はほとんどないと思う。当社も当然に、役員会など重要な会議で、Wordの文章が資料として提示され、それを冒頭に黙々と読み込むなんてことはやっていない。口頭で話をすると、雰囲気に呑まれたり、そもそも論点がズレて議論されてしまったり。そんなことが往々にして起きてしまう。それらを避けるために徹底的に文章の中の疑問点を洗い出して、それを元に議論を開始するという手順は、面白いかもしれない。その手順を踏んで議論したことがないので、慣れるまでには時間がかかると思うが、その効果は測ってみたいと思う。
つまり、文章はメチャクチャ大事だということだ。
これは当たり前のことに聞こえるのだが、出来ていそうで意外と出来ていない。
今は社内の会話はチャットなどで流れてしまうし、どこまで公式文書で、どこまでが作法を気にする必要があるやり取りかが難しい。だからこそ「文章力」を磨く機会は恐ろしく限られる訳であるが、ここは改めて気にかけた方がいいだろう。
私自身もこうして読書感想文を頑張って書いている訳であるが、書いて、何度も見直して、そして修正して文章を磨き上げていく作業を続けていかないと、本当に書けなくなってしまう。
生成AIでいいじゃないかとか、そもそも文章を最初から書くのではなく、まずは音声入力でよいのではないか、などと意見もあるかと思う。
便利なものは使うべきだし、それらの効果を否定している訳では決してない。
自動車や自転車を持っているのに、日々の健康のために歩くようなもので、文章だって書き続けないと本当に書けなくなる。そういう意味では、文章を一番重要視するのは、頭の整理やクリティカルな思考力を養う意味でも良いことだと思う。
◎論理よりも感覚的に腹落ちすることが大事
これも、当然と言えば当然なのかもしれないが、意外と忘れてしまいがちだ。
ロジックを詰めることに一生懸命になってしまい、内容がこじんまりしてしまうことは往々にしてある。
もっと大きなこと、もっと目指す場所を遠くにすることで、目標地点も変わってくる。
エラーのないこじんまりとした答えよりも、スケール大きくいくべきだ。
そして心の底から「そこにたどり着きたい」と思う気持ちが大事。感情も含めてその目標に腹落ちするかは大切なポイントだと思うのだ。
◎7手先まで読め
これも意外と忘れがちだ。ついつい企画を資料にまとめるのが目的になってしまって、それをどう展開するのか。説明した際に、相手はどう思って、どう返してくるのか。7手とは言わないまでも、数手先の展開は想像しておくべきだ。
社内を見ていても、あまりにも短絡的に企画をまとめている人が多い。せっかく資料として膨大な量をまとめても、読む人にとっては量はどうでもよいことなので、この企画の何がポイントなのか、何が一番の効果を発揮するのかが理解されなければ意味がない。
相手の気持ちをどこまで考えるかは、マーケティングとしても非常に重要だと思う。理想で言えば確かに7手先程度は読んだ方がいい。ここは疎かにされがちであるが、普段の仕事からも意識をした方がいいだろう。
◎ピッチできるようにいつでも準備しておけ
会議にしてもプレゼンにしても、準備がすべてである。
そんなことは昔から言われていることであるが、これがなかなか出来ない。
たまたま社長とエレベーターに乗り合わせて、1階に到着するまでに話す機会があったら、何を話すか。
やはり出来るビジネスマンはここでも気の利いた話をするだろう。
自分がやりたい企画の売り込みに限らずに、社長のコンディションに合わせて、話題を変えるだろう。
昭和の時代は「最近どうですか?」と、ゴルフの素振りをしながら話せばよかったかもしれないが、そんな時代はとっくに終わった。
趣味の話よりは、仕事の話の方がいいだろう。特に社長にもなれば、現場の仕事とは距離ができて、意外にも知らないことが多いはずだ。経営として見落としがちになりそうなハッとする話をできれば、記憶にも残るかもしれない。
いずれにしても「備えあれば患いなし」であることは間違いない。
◎結果のためには変更も恐れずに
「我々は何を目指しているのか」という目的がブレていなければ、変更することは厭わないはずだ。
しかしながら、これこそ年齢を重ねるほどに難しくなる。
一旦積み重ねたものを崩してでも、結果のために変更できるだろうか。
しかし恐れてはいけない。より良いものにするためには、より良い結果を出すためには、ここは妥協せずに行きたいところだ。
◎空中戦よりも、泥臭く地上戦で
結局、事件は現場で起きている。いくら広告費などをかけて宣伝しても、お客様が購入するのは現場なのである。店舗かもしれないし、お客さまのスマホの1タップかもしれない。
その一押しが出来るかどうか。背中を押せるかどうか。
結局それがすべてなのである。大きな企業にいると忘れがちであるが、これは絶対に忘れてはいけない。現場で積み上げた小さな利益が、会社を支えている。
地上の最前線で戦っている現場を見なければ絶対に分からない。忘れてはいけない。
◎スライドは「まとめ」が重要
これも意外と見落としがち。その通り。何枚もスライド見せられても、記憶に残らない。要点を示した「まとめの1枚」は、見る側に対して配慮しているからこそ作れるものだ。
見やすく、分かりやすく。それを心がけて「まとめ」たいものである。
◎思いついた1つ目には価値がない。
その程度のことは誰だって思いつくということ。
どれだけ深く、さらに多面的に考えるかが大事だ。薄っぺらな思考ではいけない。
◎とにかくタイミングが重要
これは仕事に限らず、人生全般に言えることだ。タイミングがすべてと言ってもいい。それを「運」で片付けてはいけない。
タイミングとは、事前の準備ができているからこそ、活かせるものである。
◎商品の魅力は自分で語るな。相手に語らせる。
これは今の時代に本当に重要だと思うのだ。
媚びろと言っているのではない。どうすれば相手に気に入ってもらえるか。商品の魅力を語るだけでは足りない。その背景にあるストーリーも大事だ。
如何にファンを作れるかが大事なのは当然であるが、そのレベルを何段階も上げていきたい。どうすればそこに到達できるのか。なぜそこまで考え尽くさないといけないのか。
このことは生きていく上でも大切な意味になっていくと思う。
仕事というよりも、人生に対する心構えになっていると感じるが、結果それが仕事にも繋がるということ。
私自身も自分で感じている仕事の流儀をまとめてみるか。そんなことを考えてしまった。
(2024/3/22金) -
コンサルでなくても(事業会社でも行政でも業界問わず)仕事の進め方のノウハウという意味で役に立つと思う。
書店で売上No.1になっていたので気になって読んでみたが、世の中のマネージャークラスの人は、やっぱり悩んでるんだな、と思った。
心構え的なふんわりした内容は後半で、前半は【スキル】の紹介。すぐに使えそう、という気にさせる構成。
テンション高くてわかりにくい部分もあるが、
一番はじめの、
【・タスクよりも論点】でのマネジメント
が一番ためになった。
ロ→サ→T→ス→作→ア
スケジュール管理も、タスクではなく、論点ブロックでつぶしていく。
あとは、
・ズレる構造を理解
・ケース設計vTASK設計
(どのように段階を踏んでクライアントとの距離を詰めていくか、まで考えて設計)
=「健やかに」論点を解くためにどんなTASKをすべきか?
・「最初に思いついたこと」は絶対に言わない。それは誰でも思いつくことだから。その先の「3つ目」を言う努力。
・「語らせる」プレゼン→会議が終わった後、嬉々として誰かに語らせる、手持ち資料なんてなくても、いかに語ってもらえるか?→「数字」を暗記させるプレゼンが大事!
・ロジックの使い方: 終盤には「ロジック量」を減らせる信頼性までもっていき、メッセージ性を高めて刺しにいく
・「ネーミング」は何かを動かすときにものすごく有用な手
p.246
・常に傍らには「論点ワード」「ワークプラン)「ストーリーライン」+「インプット材料」
なお、第3章のヒューマンスキル的な部分は、そこまで新しい発見はなかった。
これからは、「敬うけれども」フラット、+αの労働はさせられないを前提とした「インテレクチュアルリーダーシップ」の時代。
なお、良質なコンサルと悪いコンサルの対比も書かれており、お仕事でお付き合いするコンサルさんの質を分析する上での良い指標にもなったかな。 -
筆者の意図としての思考の記憶化に向け定着がしやすい構成であった。
ただコンサル業界特有の記述も多い中、全業界共通の主張のような記載もあり違和感を感じる部分もあった。
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ちょいちょいタメになることはあるものの、やや書き殴っている感があり、口語が過ぎて何を言っているのか分かりづらいのは自分の実力のせい?コンサルのマネージャーになれば分かってくるのかしらん。。
しかし、誤字?と思われるところもチラホラあるのはいただけない。