- Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
- / ISBN・EAN: 9784803008593
作品紹介・あらすじ
平々凡々な農業高校生、綾小路静子。祖父の農作業を手伝った帰り道、突然世界が反転。目の前には、憧れの織田信長!?出で立ちから怪しまれるも、静子はとっさに「農業で才を示す」約束をしてしまう。寂れた農村を丸ごと一つ与えられ、来る日も来る日も農業に明け暮れる静子だったが、やがて本人も気づかないうちに、尾張国の「富国強兵」の担い手として大抜擢。激動の歴史に巻き込まれることに-。こんなライトノベル今までになかった!知人に言いたくなる「豆知識」ふんだん系時代小説。「小説家になろう」でも期待されていた作品がついに書籍化!
感想・レビュー・書評
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異色の小説。私には無茶苦茶面白かった。人によっては、なにこれ、どこが面白いのと言うかもね。戦国時代の織田信長のの前にいきなりタイムスリップした綾小路静子なのだが、私に言わせるとこいつがとんでもない奴なんだよ。疲弊しきった村を信長から任されて、見事に立ち直らせるどころか、次々と驚嘆すべきことを成し遂げていく。あのね、現代の知識を持っているから、それを活かして生き延びるというレベルじゃないんだよなあ。農作物の栽培の知識や道具を創り上げる技術が半端でない。祖父からたまたま貰って持っていた戦国時代にはなかったハイブリットの種や新種の作物を撒いて活かすのだけれど、そんな種をくれるなんて一体どうよという感じだが、祖父は農業のプロ、それから周りのいろいろな技術者から後継者の期待をされて仕込まれていたという、なんという都合よさ。鹿を仕留めるボーガンを作ったり、鹿を仕留めて捌いて、保存もしてしまう。鶏もひよこから育てて、卵を産ませる。蜂を集めて、はちみつを取る。農地の開拓ばかりでなく、治水もしたり、井戸を掘ったり(地下水脈を見つける方法も知っている)、でかい岩を割る楔も作らせる。温泉も開く。ハイイロオオカミを懐かせて、その子供も育てる。村民たちの心持も理解して、やる気にさせるし、適所適材の処置もできる。日本史のことも関心があったので、信長の時代のことも結構詳しく分かる。うひゃあ、ほとんどスーパーマン、いやスーパーウーマンじゃないか。それでいて、自分に関する欲は全く無くて、信長に不審がられる。そうそう信長の静子に対する態度もさもありなんで面白い。恋愛要素は全くないけれどね。何というか、ほとんど農業蘊蓄小説って感じだねえ。二巻も楽しみだ。
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農業高校の女子高生静子がタイムスリップして織田信長に仕えることになります。任された小さな集落の村長になり、稲作や畑作に学んだ農業高の知識を動員して目覚ましい成果を挙げて信長を唸らせます。温泉を引いたり、狼を飼い慣らしたりして、生活にも潤いと変化が生まれ楽しい。これからの展開も期待しちゃいますが、どうしてもゲームをプレーしている感が拭えません。果たして、どこまで読み続けられるものやら。
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