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- Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
- / ISBN・EAN: 9784803803853
作品紹介・あらすじ
明治も終りに近い頃、江戸川橋の鰻屋に生まれながら、家業を嫌い靴職人となった主人公・伊之吉。独立して事業主となり、折り重なる浮き沈みに揉まれながら生き抜いて行く――関東大震災前の“古きよき東京”を緻密に再現しながら、市井に生きる日本人の姿を丹念な心理描写をもって描く。
私小説を志した著者が珍しくも客観小説に挑んだ大長編小説。
太平洋戦時下、「不要不急の作」として紙が配給されずお蔵入りになり、戦後、刊行間近で出版社が倒産、不幸な運命をたどった“幻の名作”が、いま蘇る!
感想・レビュー・書評
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読了後、一日経ってみると素晴らしい物語だったとしみじみ感じる。
個人的なことを申すと私の祖父母は神田、銀座の人であった。神田の親戚は職人を雇う家業をしていて、銀座の親戚は舶来物の時計を販売する商人であった。子供の頃、祖父母から聞いたその当時の話がそのまま展開されているようで、野口冨士男氏の重厚な文章力も相まってその世界観に大変魅せられた。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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