今を生きる若者の人間的成長 (125ライブラリー 2)

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  • 中央大学出版部
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  • Amazon.co.jp ・本 (123ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784805727010

作品紹介・あらすじ

現代は、先行きの見えない社会だと言われる。その中で、悩みや不安も大きくなりがちである。未来に対する希望を、ついつい見失いがちになる。そうした状況を打開して生きていくには、どのようにしたらよいのだろうか…。本書は、青年の未来や希望について心理学の研究を積み重ねてきた著者が、自らの実証的な知見をふまえながら、現代を生きる若者の発達や成長の可能性について解き明かす。多くの悩みを抱えつつも充実した人生を送りたいと願う若者への温かいエールと生きるヒントに満ちた一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 青年心理学に関する書籍だが、理論の基本書ではない。書名にもあるように、学問上の知見を「若者の人間的成長」にあてはめ、どう生きるかを主に若者に向けて示している。

    とは言え、「人生の舞台ではどうだろうか。演劇と同じように、そこには大勢の登場人物が登場する。それぞれがいろいろな役を演じている。それは同じだが、違う点が一つある。人生には観客席がないことだ。全員が舞台上にいるのだ。舞台を眺める視点は、舞台上にしかないのである。複数の人物の視点は互いに交叉し、ときには葛藤やズレが生じることになる。」(p.21)や、「人生において選択したものに全力をあげてかかわって取り組んでいく。そのことが、私たちの自由を拡大し、未来へと導いてくれるのである。一つの小さなことは他の全てのことに通じている。そうだからこそ、一つの小さなことから始めて、それに没頭することが大切であるといえるのである。」(p.61)など、若者という年齢を超えたからこそ余計に頷ける内容も少なくない。

    他にも、随所に示唆に富む記載があり、筆者の研究者としてだけでなく、教育者としての姿がありありと浮かぶようである。

    ネット書店も含めて書店には在庫がないようで、書店や出版元に注文すれば現時点ではギリギリ入手できるかもしれないという状況であるのが実に惜しい。

    心理学を学ぶ大学生だけでなく、教員を志す学生や、すでに教育に携わっている人、子育て中の人などにもぜひ読んでいただきたい内容である。

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著者プロフィール

中央大学教授

「2022年 『心理学論文の読み方 学問の世界を旅する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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