あなたがあなたであるために: 自分らしく生きるためのアスペルガ-症候群ガイド
- 中央法規出版 (2005年6月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (102ページ)
- / ISBN・EAN: 9784805825891
感想・レビュー・書評
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自閉症スペクトラムについてオススメの本は?と聞かれたら,間違いなくこの本はリスト入りします。
「あなたがあなたであるために―自分らしく生きるためのアスペルガー症候群ガイド 」は,お子さん本人が自閉症スペクトラム特性のことを読んで理解するための本です。
脳のタイプはいろいろあるんだよ,というところから始まって,自閉症スペクトラム特性の「3つ組」について丁寧に説明が進んでいきます。
吉田先生の本のいちばんの特徴は,「特性は短所にもなるが,長所でもある」ということが終始強調されているところだと私は思っています。
自閉症特性があるから劣っているんじゃない,特性が他の人にはない強みとして発揮されることだってある,上手に強みを活かして,苦手を工夫をすれば十分やりようはある…その部分の説明が本当に力強くあたたかく響くのです。
(余談ですが,このあたりのことは「弱点の克服ではなく,自分の強みに注目せよ」というドラッカーの教えと共通するものがあるなぁ…と最近とても感じています。)
具体的な困りごとへの愛情あふれるアドバイス,先生が出会ったお子さんから感じ取ったその子の「科学者の心」のエピソード…どこを取っても,「自閉症スペクトラム特性はあなたの大切な個性だから,大事にして生きていこうね」という先生からのメッセージが詰まっています。
この本は,私に発達障害の告知について考える貴重な機会を与えてくれた本でもあります。
そして,私自身が診察室で自閉症スペクトラムの告知をした後でお子さんや親御さんに「この本をおうちでぜひ読んでみてほしいんです」ってお貸ししたり買っていただいたりする本ナンバーワンです。
支援者自身も,この本に書かれているように自閉症スペクトラムのことを理解していれば,診察や支援の仕方が大きく変わるんじゃないかな,と思います。
とにかく,とにかく,オススメの本です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分が発達障害だと診断されてから、初めて自分が判った本。
自分が前に進むことができた本。
中高生向けに書かれてはいるけれど、大人でも十分役に立つ。
発達障害を受け入れるのに役立つと思う。
自分が自分であるために必要なことがわかりやすく例をあげて書かれているのがよかった。 -
アスペルガーの当事者の方に向けて書かれた本。
アスペルガーとは何かについて、ポイントを絞った紹介がされていて、読みやすかったです。
なぜ「特別な工夫」をするのか、との問いに、「少数派のASが多数派の人と過ごすため」と合理的な説明をされていたのが印象的でした。
「個性を大切に」と言われながらも、個性的だと生きにくい現実。ちょっぴり切なくなりました。 -
当事者向けの入門書。「できない」ことだけじゃなくて「発達特性があってもできることがあるんだよ」というメッセージ性が強調されているので、子どもへのしょうがい告知の際の説明にも参考になります。
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自閉症・アスペルガー症候群(AS)に関する本。ASの本人が読むことを想定した書き方がとても分かり易い。今は幼いけど、うちの息子もこういう本を自分で見ることがあるのだろうか。
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中高生向けの当事者向けに書かれた本。
人とのコミュニケーションのトラブルを理由、方策の書き方が発達障害の特性向きでわかりやすい!
中高生向きだけど、取り出して支援の中で使えると、思った。 -
アスペルガー症候群の当事者向けに、誇り高く生きていけるための知識や心構えを平易な言葉で綴ってくれている.
中学生の当事者向けに書かれた書籍とのこと.
定型発達者を「多数派」、アスペルガー症候群を「少数派」と表現し、決して「少数派」が間違っているわけではないことが繰り返し述べられている.
「多数派」のなかで生活していくためには「多数派」のルールを知識として持っておくことが、戦略上大事だよと筆者は優しく教えてくれる.それと同時に「少数派」であるアスペルガー症候群が自身やサポーターの援助により胸を張って生きていける事が大事であると.
筆者の構えは、アスペルガー症候群のみに限らず全ての「少数派」についても応用が効く考え方であると感じた. -
あっさりしているのに中身はしっかり。保護者にも本人にもおすすめできる。読めるようになったら本人にも読ませたいけど、何歳ぐらいならいけるかなぁ?
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とてもわかり易い内容でした。
実践的なアドバイスもありおすすめできる一冊です。
あなたの感じ方は間違っているのではありません。あなたは決して「にせもの」ではないのです。この地球ではたまたま少数派であるというだけのことなのです。
あなたはASという「本物」なのです。