高機能自閉症・アスペルガー症候群「その子らしさ」を生かす子育て 改訂版
- 中央法規出版 (2009年6月3日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784805831731
感想・レビュー・書評
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私がとても尊敬している,吉田友子先生が書いていらっしゃる本。
旧版が出版されてもう6年…当時まだまだ不勉強(いや,今もですけど…)だった私が,その頃ご指導いただいていた地元の児童精神科医の先生のデスクの上に置かれていたこの本を見させていただいたとき,パラパラとほんの数ページに目を通しただけでそれまで私が漠然と抱いていた自閉症スペクトラムに対するイメージがガラガラと崩れていったのを今でも覚えています。
もちろん,診断基準にも絡んでくるような医学的説明に関しては,基本的にはどの本を見ても同じ項目が並んでいるはず。
でも,それぞれに対する説明の内容が,私がそれまでに触れたことのある本にはなかったような書きかただった,といえばいいのか…親御さんや学校の先生にお伝えするときにこういう表現を使うとうまくお伝えできるかもしれないな,と思わされるような説明がいっぱいで。
楽観的というわけでもないし,困難さについてはきちんと困難さとして書かれているのですが,うまく言えないけれどちゃんとそこには「希望」があるというか,「大変なこともあるけれど,やりようはある」といったことや「特性はこんなふうにとらえればよくて,だからこういう配慮が得られることがとても有用」といったことをわかりやすく丁寧に盛り込んである…旧版について私はそんな本だと感じていました。なぜだか読んでいてとてもあたたかい気持ちになってくるのが不思議…。
ページ数もかなり増え,6年前の旧版とはまた違う新しい何かを得ることができる1冊になっています。
旧版を知っているかたもそうでないかたも,自閉症スペクトラム支援に関わるひとにも自閉症スペクトラムをもつこどもさんを育てていらっしゃる最中の親御さんにも,ぜひ読んでいただけたら嬉しいな,と思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
息子が発達障害と診断されたとき、主治医からすすめられて読んだ本です。
自閉症については右も左もわからない状態の私でしたが、「障がい」と捉えず「特性」と思えるようになりました。
同時に沈んでいた心が随分と軽くなった記憶があります。
自閉症のお子さんと関わることが多い人には、ぜひ、一番最初に読んでほしい本です。 -
高機能自閉症児・アスペルガー症候群の児童の療育に携わる保護者や幼稚園・小学校の先生向けの本かと思ったら、先入観を覆された。
上記の人達が対象なのは確かだが、成人当事者とその支援者も「自分には関係ない」と切り捨てずに読む価値がある本だと思う。 -
この本を読むまで、息子はまるでわが子とは思えないほどの問題児に思えた。この本に出会って初めて、息子が見えている世界がなんとなくわかってきた。妻が療育に熱心な理由も理解できるようになった。そのおかげで息子は定常発達の子たちと学校生活を送れている。中学生になった今、彼は自分がADHDであり、アスペルガーであることを自覚して生活している。
息子が通った小学校には、自分の子供に自閉症スペクトラムの傾向があっても、それと向き合わない親もいた。そんな親の不勉強、無関心、事なかれ主義の結果、その子は友達ができないどころか、親にも理解されず、どんどん荒んでいるという。
思い当たる節がある親御さんは、是非↓本書12ページの「三つ組の指標」を見て、当てはまるなら、迷わず本書を読んでほしい。手遅れにならないうちに。
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自閉症は3つの発達領域が他の知的な能力の獲得よりも不得手なときにつけられる診断名です。英国の児童精神科医ローナ・ウィングはその3つを、
①社会性の障害(人と相互的に関わって場にふさわしい行動をとる能力の不全)
②コミュニケーションの質的障害(相手との相互的コミュニケーションを楽しみ発展させていく能力の不全)
③社会的イマジネーションの障害(いきさつや結果、関係性や概念など、見たり触ったりできないもの、直感的に扱う能力の不全)
と整理しました。 -
入門書によかった。
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自閉症アスペルガー症候群に、詳しく、わかりやすく解説してくれる、吉田さんの一冊。
当事者だけでなく、家族、保育関係者にまで、細かにサポートしてくれます。
特に、自閉症アスペルガー症候群児の兄弟まで、アプローチする点は、頭が下がりました。
じっくり読む価値のある一冊です。 -
493.9
新美先輩オススメ -
ひろい読み。子育ての本なので。
私に参考になりそうなところは、あまりなかったけど、とてもよい療育の本だなぁと思った。 -
バイブルです。
吉田先生のどこまでも優しい視点に尊敬します。