図解ヒトゲノムのことが面白いほどわかる本: 2時間でわかる 遺伝情報解読で何がどうなるのか

著者 : 大朏博善

• KADOKAWA(中経出版) (2000年11月1日発売)

感想・レビュー・書評

[domarinさんの感想 · 2011年11月17日]

「2時間でわかる」を標榜するだけあって、表現の平易さや図の多さ、文字サイズや行間など読みやすくする要素はしっかりしている印象。
何故ヒトゲノムが騒がれるのか、という面に焦点を置いており、科学的な理論を解説するのではなく「報道」的であるため、専門知識が無い者でも読みやすいのは魅力だろう。また、筆者の考えのような書き方も交えながら自分の言葉で語っているため飲み込みやすい。
しかし、冒頭はヒトゲノム計画がどれ程重要な問題であるかということを納得させるために研究者たちがどれ程大きな動きを見せたかという点に焦点を当てて書かれているが、出版当時はともかく現在ではヒトゲノムの重要さについては割と浸透しているからか、あまり必要性を感じられない。また、似たような内容を繰り返している印象を受ける部分も多く、少し違和感がある。