かまわれたい人々

著者 :
  • 中経出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784806133896

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  • 「かまわれない自由」と「かまわれない孤独」
    「不当に世間から見捨てられているという精神的飢餓感」

    筆者が、自分を「かまわれない自由」が必要な人間と認めた上で話を進めているのが良かった。

    5章までは現状分析でふーんという感じだったが、最後の6章にある、「自由」が道徳になると「世間」に対する暴力を認めてしまう、という論理展開が興味深かった。「自由」にも「世間」にも善い部分と悪の部分があり、どちらかを完全に否定するのではなく、それを踏まえた上で折り合いをつけて、自分にあった生き方を選択すべきだ、という。

    あえて、難しい単語を使わずに、読みやすく書かれているのも良かった。

  • お互いのプライベートに侵入していくような濃密なコミュニケーションを避ける希薄な人間関係が是とされている世の中になってきた一方、かまわれたいという気持ちも残っていて、まれに歪んだ形で顕在化することもあったりする。
    自由と孤独は表裏一体。自由を求めてかまわないでくれと思う一方、孤独に耐えきれずかまわれたいと思う矛盾。
    自分も分かるわーと思う。このブクログに感想を書くのも、疎なコミュニケーションの一つで、誰にもかまわれず書き散らしている一方、いいねもらってかまってもらうと嬉しくなったりするので、SNSの魔力のようなものを感じます。バランスをとっていきたいですね。

  • 男性おひとりさま かまわれない自由と孤独胃うまく対処できない。かまわれない孤独を愛せないから
    過去の栄光を持ち出す人は、ひとつには自分を周囲に認めさせたいという動機がある

    まわりに自分をどうみせるか 社会学で印象管理という

    してもらう主義 全世代にいる
    自由にしたいではなく、なにもしなくてもまあなんとかしてくれる
    パターナリズムになれてしまい、授業中に私語が平気でできるしてもらう主義のひとびとを私は家畜系と呼びたいと思います。大人にもいます

    自ら餌をもとめない。主体性ゼロとはいわないが、飼い主に餌をもらい、育ててもらう。飼い主に守られているから的に鈍感。仲間に敏感。仲間の顔色を伺うのに神経を使う
    個人主義がまともに定着しなかったので、自由というものは他人を害してはいけないという限界を本質的に含んでいるのだということを今だに理解すら出来ない

    家畜系の問題点はかまわれない自由と同時にかまってもらう自由の権利を追求する点、つまりしてもらう主義で行動する点です

    社会はそのイイトコどりを支援してあげます。「してくれ」「かまってくれ」という世間のご要望に社会が答えてあげようとするのです。その理由は商売になるからです。
    ie 面倒見のいい大学、新宗教ビジネス

  • 読みやすかったです。引用された本も合わせて読んでみようと思います。

  • 現代社会の現象とその内面を的確に指摘している内容だと思った。かまわれたいために暴走している人間が多い。

  • 同著者の《「お客様」がやかましい》を読んでから読んだ。氏の日本語の使い方は、お話を聞いているような感じで、すらすら読むことができる。

    親や会社に対する「恩は完済することができない。」
    この「返済不能な負い目」、「未済分」を知っていることが重要だと思った。
    そしてその分を、他者へ優しさをもって接したいなあと。

    第6章の末で、北尾トロ『男の隠れ家をもってみた』からの引用がじわーっとくる。

    孤独を感じたときは、「これってゼイタク病かも?」って自問してみよう。

  • 現代社会学
     今 日本では 世の中では どういったことが起きているのか
    をしることのできる一冊だと思います

    買物のときに 店員に構われたくない
    そういった煩わしさがないのが コンビニであったり スーパーであったり

    家族内であっても 互いに干渉をしない
     ひとつの食卓で それぞれが好きな物を食べている ということも

    それでいて 寂しさや かまって欲しい かまいたいという
    欲望があるのも人である そのつながりを。。

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著者プロフィール

1962年、兵庫県神戸市生まれ。

神戸市外国語大学卒業後、関西学院大学社会学部卒業。同大学院社会学研究科博士課程修了。

博士(社会学)。

現在、皇學館大学文学部コミュニケーション学科教授。

専門は理論社会学、現代社会論、消費社会論。

現在は哲学を勉強中。

著書に『「お客様」がやかましい』『ほんとはこわい「やさしさ社会」』(以上、ちくまプリマー新書)、
『自己コントロールの檻―感情マネジメント社会の現実』(講談社選書メチエ)、
『日本はなぜ諍いの多い国になったのか―「マナー神経症」の時代』(中公新書ラクレ)、『かまわれたい人々』(中経出版)。

共著に『変身の社会学』、共訳に『自己論を学ぶ人のために』(以上、世界思潮社)
などがある。

(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


「2012年 『どうしてこの国は「無言社会」となったのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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