- Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
- / ISBN・EAN: 9784806602040
作品紹介・あらすじ
麻酔科学者としての研究の傍ら因縁浅からぬ「事件」史料と遭遇。医学的側面の重要性を指摘発表。百年余を経てなお伝便・噂の流布を嘆き警鐘を鳴らす。
感想・レビュー・書評
-
これまでの定説は誤りであるとの内容。特に山口少佐のピストル自決は、凍傷等の状況から不可能であるとの説は印象的。また、小笠原狐酒氏の著作について、「真実性に乏しい」との記載は、小笠原の著作を購入した私にとっては、若干ショッキングな内容であった。
津川5連隊長が遺族に「山口少佐のピストル自決」を伝え、それが虚偽であるとしているが、実際にどの程度の凍傷で、本当にピストル自決ができなかったのかは、本書を読んでも分からなかった。ただ、各種資料の矛盾はあるのであろうから、なぜそうした矛盾があるのかを考えるとき、著者の推測も全くでたらめということではないだろう。
以下、目次を記す。
はじめに 7
凡例 18
?章 雪中行軍遭難事件前の第八師団第四旅団の雪中行軍 19
1 歩兵第五連隊の雪中行軍 20
2 歩兵第三寿一連隊の雪中行軍 27
3 弘前に駐屯するその他の部隊の雪中行軍 31
?章 「遭難始末」成立の経緯とその背景 34
1 後藤幾太郎の「歩兵第五連隊雪中行軍ニ関スル衛生上ノ意見」 36
2 橋本「歩兵第五連隊雪中遭難に関スル衛生調査報告」 42
3 稿本「歩兵第五連隊雪中遭難ニ関する衛生調査報告」と「遭難始末」の関係 52
4 「歩兵第五連隊第二大隊雪中行軍遭難顛末書」(三月版と六月版) 61
5 「歩兵第五連隊第二大隊雪中行軍遭難顛末書」(六月版)の改竄 81
6 「遭難始末」初版の書誌 85
7 「遭難始末」(7月版)の虚構
?章 研究の歩みとその批判 97
1 明治時代(1902・2〜1912・7) 98
2 大正時代(1912・8〜1926・12) 101
3 昭和時代前期(1927・1〜1945・7) 102
4 昭和時代後期(1945・8〜1988・12) 104
5 平成時代(1988・1〜2007・7) 116
?章 年次別研究資料・資料一覧 135
おわりに 232詳細をみるコメント0件をすべて表示