野の花さんぽ図鑑―木の実と紅葉

著者 :
  • 築地書館
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本棚登録 : 63
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784806714309

作品紹介・あらすじ

前作では描ききれなかった樹木を中心に、秋から初春までの植物の姿を、繊細で美しい植物画で紹介。250種以上の植物に加え、読者からのリクエストが多かった野鳥も収載!ますます散歩が楽しくなる新たな発見がいっぱいの一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 10月1日、日本晴れ。岡山県総社市にある福山という小山に登った。せっかく「木の実と紅葉」の図鑑を貸してもらったのだから、ちょっと山歩きをしようと思ったのである。

    この山は、1234階段があることで地元で有名である(あと、峠古墳群もあるし、戦国時代の城跡もある)。この日も駐車場を一杯にしてさまざまな人が運動とハイキングがてら登っていた。実は今年7月、久しぶりに登ったら、熱中症一歩手前になり、あと200階段を残して勇気ある撤退をした。何回もこの山を登ってきたが初めてのことで、ここまで体力が落ちていたのか?とショックだった。そのリベンジの気持ちもあったのだが、1番の目的は、この本にあるエビヅルやサンカクヅルなどの山葡萄やクコやナマカドなどの赤い実を見つけられないかな、という気持ちからであった。前回の読書でお酒の勉強をして、日本にワインが発達しなかった理由がどうもよくわからなかったからである。一本の木でどのくらい果汁を絞れるか、収穫量によってある程度予測がつくかと思ったのであるが、この山は植生が違うためか、それとも時期が早すぎたか、色とりどりの果実は一切見つけられなかった。

    その代わり、ドングリは至る所に落ちていた。
    本書はいわゆるドングリ(鈍臭い栗という意味?)の名前の見つけ方もいろんな角度から紹介している。実、実のお皿、葉、色づく葉など多様な見分け方を紹介している。私は落ち葉を見てアラカシとシロカシ、それとクヌギ。実を見てクヌギ、コナラ、ミズナラなどの名前を予測した。厳密な同定はできなかった。木と実と葉を一緒に観察しないと無理だと思った。

    クリの殻が一カ所大量に落ちていた。中身は一切なかった。
    上から降りてきたおばさんに聞くと
    「クリだよね。多分猪が食べたんだよ。私、この前見たことあるもの」
    えー!?そういえば至る所に猪が掘った跡のようなものがあった。

    本書は手元に置いて、山歩きに持ち歩くと、さまざまな発見があるのが容易に予測できる。花を愛でるだけが山歩きの楽しみではない。例えば、ドングリの生存戦略はやはりなかなか大したもんだと思い至った。決してそのままでは美味しくないので、猪の餌にはならない。ドングリコロコロ、上から下に落ちてゆく。そうやって種を広げるだけではない。それを拾ってカケスやリス、ネズミが好んで食べて、冬の間は別の場所に貯食する。その食べ残しから分布を拡大する。賢い。
    他にも、クヌギとコナラの実の見分け方がわかって良かった。

    本を持って、時々確かめながら回り道しながら登っていたら、あっという間に頂上。しかも、前回と比べて時間的にもあまり変わりない。うむ、体力戻った!かもしれない。

    • aoi-soraさん
      kumaさん、こんばんは^⁠_⁠^
      山歩きに良い季節になりましたね!
      どんぐりは、子供と一緒によく集めました。
      家の中に小さな虫が発生...
      kumaさん、こんばんは^⁠_⁠^
      山歩きに良い季節になりましたね!
      どんぐりは、子供と一緒によく集めました。
      家の中に小さな虫が発生したこともあります(^.^;
      (けっこう可愛かった(笑))
      子供が成長しても、つい拾い集めてしまう私…(笑)
      こんな本が手元にあったら、楽しいなと思いました。

      赤い実は、残念でしたね。
      ちょっと時期をずらすとあるのかしら?!
      2022/10/02
    • kuma0504さん
      aoi-soraさん、こんばんは♪
      そういえば、子供の頃宝物みたいに集めたことがあります。
      ひとつひとつのドングリに、実はホントの名前があっ...
      aoi-soraさん、こんばんは♪
      そういえば、子供の頃宝物みたいに集めたことがあります。
      ひとつひとつのドングリに、実はホントの名前があって教えてあげれたらカッコいいでしょうね。無理だけど。

      大きいのと小さいので、種類が違うのも、今回リスに拾ってもらうか、ネズミに拾ってもらうか、カケスに拾ってもらうか、戦略が違うのだとガッテンしました。

      この本は、実や落ち葉の専門書なので、かなり詳しく分かると思います。それを趣味にしたらまた面白いのかもしれないけど、そこまで広げられない‥‥。
      2022/10/02
  • ボタニカルアートで描かれた植物図鑑は山ほどあるけれど、この本はただ植物を分類で並べているのではなかった。秋冬の樹木をどのような視点で見て楽しめば面白いか、という案内本のよう。木の実や種子、紅葉、冬の木の芽、樹皮、虫こぶ、巻きつく植物などなど…。

    以前はただなんとなく見ていた冬の樹木たちだったが、この本で本当に見る目が変わり、何倍も冬の散歩が楽しくなれた。

    始めは図書館で借りたけれど、手元に置いておきたくて購入しました。

    • goya626さん
      興味が惹かれます。
      興味が惹かれます。
      2020/01/08
    • naonaosampoさん
      たくさんいいねしてくださってありがとうございます。秋冬の散歩にはピッタリかと☺️
      たくさんいいねしてくださってありがとうございます。秋冬の散歩にはピッタリかと☺️
      2020/01/08
  • 実際目にする木の葉や生き物について、いろいろな角度から使える、生きた図鑑。

  • 野の花さんぽ図鑑の秋のスペシャル版です。
    もみじや木の実など、秋のお散歩のお供にぴったりな本です。
    秋の山道を歩いていると、どんぐりを見つけても、ぜーんぶ「どんぐり」で済ませてしまうので、とても便利な1冊です。
    早く秋にならないかな~。

  • 森を散歩して植物の変化を見るのが好きです。季節を感じることと、ウォーキングも兼ねて。そんな時にこの本はとても役に立ちます。名前がわかれば、その木や草に花に木の実に、親しみがわくのです。
    昨年から森散歩を始めたので、まだまだ知らないことばかり。またこの本とお弁当をバッグに入れて森を歩きます。

  • 『野の花さんぽ図鑑』のPart2。前作で描ききれなかった樹木を中心に、秋から初春までの植物たちの姿を、繊細なタッチのボタニカルアートで250種以上紹介している。読者からのリクエストが多かった野鳥も17種掲載されているのはちょっとうれしいオマケだ。ところどころに「モミジと楓の違い」や「木の葉の色づく仕組み」といったミニ・コラムが載っていて、小ネタとしても楽しめる。A5サイズで厚さ1センチほどのハンディ・タイなプので、タイトル通り、お散歩に持って出かけるのにも手ごろだ。

  • ★★★★★
    イラストで街や公園、庭先で観察できる秋の植物とその様子、野鳥を。

    木の実とか葉っぱだけではなく、冬芽や発芽した様子、人と植物とか植物雑学のコラムも。

    かばんにしのばせとくと、早起きの通勤・通学したくなるかも。
    (まっきー)

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著者プロフィール

1954年、栃木県宇都宮市生まれ。北海道大学農学部卒業、専攻は昆虫学。学生時代から独学で植物の絵を描き始める。以来、一番の関心事は多様な生き物どうし、――特に植物と昆虫の関係。植物だけ、昆虫だけにとどまらない双方の世界を生態系として描くことができる希有な存在。また、定期的に自然観察会を開いて、身近な自然のおもしろさを伝えている。宇都宮市在住。著書に『野の花さんぽ図鑑』『野の花さんぽ図鑑 木の実と紅葉』(築地書館)、『森の草花』『のはらのずかん』『木の図鑑』『野の花のこみち』(以上岩崎書店)、『昆虫図鑑』(ハッピーオウル社)、『おとなの塗り絵 薔薇色の人生』(メディアファクトリー)など。NHK文化センター宇都宮教室ボタニカルアート講座講師。

「2014年 『森のさんぽ図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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