- Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
- / ISBN・EAN: 9784808310646
作品紹介・あらすじ
「負くっか」(=負けるもんか)と生ききった人生。
がん闘病の末、6月 日に亡くなった元野球選手の大島康徳。高校生で始めた野球で1969年にプロ入りし、中日ドラゴンズではホームラン王を獲得、2度のリーグ優勝も経験した。ファイターズ移籍後には最年長で2000本安打を達成(当時)、引退後は監督としてチームを率い、2006年の第1回ワールドベースボールクラシックでは打撃コーチとして世界一に貢献した。
華々しい経歴の裏には、もちろん苦悩や挫折もあったが、それさえも持ち前の明るさで乗り越えてきた。2016年に大腸がんで余命1年の宣告を受けたあとも野球評論家として活躍すると同時に、がんと共に生きる姿も隠さずブログに綴るなど、常に前向きに生き抜いた姿に励まされた人も多い。
そんながむしゃらな野球人が綴った自伝。野球ファンなら目に浮かぶ、あの試合、あのシーン、あの選手の裏話も嬉しい。
新聞連載の終了を待たずに逝った著者の希望に沿って、緊急追悼出版する。
感想・レビュー・書評
-
病気に負けたんじゃない 俺の寿命を生ききったということだ
2021年6月30日がんのため亡くなった元プロ野球選手大島康徳の人生。
最期の著作。大腸がんステージ4の診断から4年半。亡くなる半年前に中日・東京新聞で連載が始まった自伝「この道」をまとめたもの。
中日ドラゴンズから日ハムへのトレード。野球人生を振り返る。そして奥様との出会い。家族との絆。
発見時で既にステージ4の大腸がん。余命1年の診断からの治療の生活。それでも前向きな生活。
「打球の行方と同じように、人の命や運命なんて、誰もわからない。本人だってわからない。だから、そのときそのとき精いっぱい振る。思いきり振りきる。そんな人生ならいいなと思うんですよね。」
最後まで人生フルスイング。がんに負けたのではないという人生。
寿命、人生、運命について深く考えさせられた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大島さんの自叙伝ではありますが、中日や日ハムに限らず選手や監督の名前、エピソードが多くでてきてそれだけでワクワクします。
昭和~平成初期のプロ野球を見ていた人なら、大島さんのキャラが活きた文体ともあいまって何度も「ふふっ」となるのではと思います。
最後に、ギリギリまで書き続けていらしたブログからの引用があります。
『この命をいききる』
この文章に大島さんの思いがこれでもかと詰まっている気がして、そして行間ににじむ思いを勝手に想像して、目頭が熱くなりました。 -
2021年にがんで亡くなった大島康徳さんの新聞連載を一冊の本にしたもの。世代が自分より少し上なので現役の姿を見た記憶が薄いですが、読んでるうちに思い出した部分もありました。
「病気になった人はかわいそうな人ではありません」「闘病という言葉も好きではありません」という言葉に納得。誰でも病気になりますからね。