もっと知りたいエミール・ガレ 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
- 東京美術 (2007年7月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (80ページ)
- / ISBN・EAN: 9784808708085
感想・レビュー・書評
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アール・ヌーヴォーの代名詞エミール・ガレ。
あらためて作品の写真を眺めてみると、かなり東方文化の影響を受けている。イスラム圏のデザインを思わせる器もあるし、北斎漫画から借用したデザインも多用されている。
好みからすると個人的にはちょっとぶっ飛んでいてついていけないところもあり、こちらの甘っちょろい感覚がためされる。自分はやはり、昆虫や植物をあしらった似た系統の花瓶でも断然ルネ・ラリックが好きだ。
エミール・ガレ作品はけっこう無骨というか、例えばキノコなら、キノコそのものをそのまま貼り付けただけで平気、みたいな潔さというか、アンバランスさがある。好きな人はそういうところが好きなのかもな。
所有して使ったりしたくないけど、人の家とか美術館とかに置いてあるのをたまたま目にしてびっくりしたい。
もっとも惹かれたのは、エミール・ガレの2ヘクタールの庭園。園芸家でもあった。けっこう本格的なイギリス式の回遊庭園で、熱帯植物の育つ温室もあったそう。プラントハンターでもあったシーボルトが日本から購入して持ち出した何種類ものアジサイコレクションも充実していた。
この園芸家としてのガレだけにフォーカスした本、誰か書いてないかな。あればいいのにな。詳細をみるコメント2件をすべて表示-
ouiさん何度もありがとう笑 よろしくね!何度もありがとう笑 よろしくね!2022/04/23
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日本の水墨画や備前焼きがヨーロッパに影響を及ぼした事、アプリカシオン、エッチング、エナメル彩など沢山の ガラス技法がある事を学びました。 壺、皿、ティーセット、置物の写真が載っていましたが、 どれも素晴らしい物ばかりでした。
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このシリーズの中でも、文章少なめ、作品の写真多めでゆるっと読めて楽しめた。
いままで美術館とかで見たことのあるガレの作品は、ガラスの器(花器とか)ばかりなのだけど、猫や犬、さらに鷹狩りの鷹をかたどった置物とか、木彫りの家具なんかもあって、こういうのも手がけていたのね!と驚く。ジャポニズムの影響を受けたものも多くて面白い。また展覧会あったら行きたいな。 -
長野県の諏訪湖畔にある北澤美術館は、アール・ヌーヴォー、アール・デコのガラス作品の宝庫です。本書の表紙にもなっている「フランスの薔薇」(同館所蔵)はずいぶん前に訪れた時、お目当ての1つで飽かず眺めていた記憶があります。伝統技術を継承した初期の作品から、ジャポニズムの影響など異国趣味に触発された時代、詩句を刻むユニークな手法や、陶器の手びねりを彷彿させる捻塑・溶着による肉厚な後期作品など、ガレの美への挑戦、変遷を辿ることができます。
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文章が少なく、作品が数多く載っているのが魅力。
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菌類や植物・昆虫・深海の生物等様々なモチーフ。超絶技巧のデザイン。禍々しいほどに奇しい魅力を放つ。
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どんなに見ても見飽きない。モチーフも技巧も本当に素晴らしくてため息が出ます。