もっと知りたいクリムト 改訂版 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
- 東京美術 (2019年2月27日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (103ページ)
- / ISBN・EAN: 9784808711344
作品紹介・あらすじ
象徴派、デカダン派、印象派など多彩な顔を持つ世紀末ウィーン最大の画家クリムトの生涯を忠実にたどります。重要作品はクローズアップし、近年注目の叙情的な風景画や斬新な肖像画も数多く収録した充実の入門書。
感想・レビュー・書評
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「髑髏」の表紙にあったクリムトの絵が観たくて借りてみました。
全般的に工芸的な衣装が多いのかと思ったのですが、あの表現もたどり着いたものなのですね。 -
ウィーンのユーゲントシュティール(アールヌーヴォーのようなもの)の一翼をになったクリムト、若い頃の作品はかなり写実的な絵を描いていたようだ。しかもこれがまた巧い!
以後、クリムトは、その手前に空気とか気配を描くようになっていったのだと思う。そしてさらに、たくさんの金箔を配した絢爛豪華な寓意的な作品(「接吻」とか)へ。
初めて見たが、哲学者ヴィトゲンシュタインの妹マルガレーテの肖像画が良い(モデル本人は気に入らなかったそうだけど)。寓意的な絵はあんまり好みではないけど、人間を描いたものでは肖像画がとくにすばらしい。
(ベートーヴェンの第九をヴィジュアライズした「ベートーヴェン・フリーズ」のイメージも圧倒的。)
が、意外や意外、クリムトはもっぱら人物ばかり描く人かと思いきや、風景画がほんとにいい(すごすぎてしばらくクリムトの風景画を画像検索しまくってしまった)
実は、本書によると全作品の4分の1は風景画なのだそう。びっくりした。
「白樺の林」「アッター湖畔のカンマー城Ⅲ」「沼」「白樺のある農家」「大きなポプラⅡ」「アッター湖畔のウンターアッハの斜面」「鶏のいる庭の小道」など、ほとんど全部好き。水気や枯葉の匂いまでもが漂ってきそう。
いわゆる印象派の手法とか点描画みたいに余白を利用して時間の揺らぎを演出するのではなく、色のもっと細かな粒子を稠密に敷き詰めたような風景だ。
見ている人間の知覚や内面を意識させる(仮構する)印象派的手法もそれはそれでいいけど、クリムトの風景画はただただ自然の細部に圧倒され魅入ってしまう種類の絵。脱帽。
ひまわりの絵も秀逸。生の不滅性を謳い上げるようにすっくと立つ。たぶんこれ、というか絶対、人間に似せて描いてある。
クリムトの弟子であるエゴン・シーレが描いたひまわりが思い出される。師匠とは対照的に、立ったまま死んでしまったような、立ち枯れのひまわり。これも秀逸。
この2つのひまわりを隣どうし並べて見てみたいものだ。 -
きれいです
黄色、金色がきれいで細やかです
晩年は暗色の作品が多いです -
金魚、エミーリエ・フレーゲの肖像が好き。絵画なんて詳しくないし、よくわかんないけど、この「工芸的」という言葉で表現されている部分が好き。解説は哲学的な視点もあって???ってなるところもまあまああったけど、ぼんやり絵を観るよりか一歩踏み出したい私みたいな人におすすめ。
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クリムトの年齢に沿っていて分かりやすい!
他の書籍もそうなのが多いのかもしれないけど、右横にビジュアライズされているところが良い。 -
T図書館
1862年生まれ
初期の作品「愛」
ウィーン市立歴史美術館
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クリムトの展覧会の復習に。
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代表的なクリムトの作品を紹介、クリムトの生涯についても概略が分かる。
クリムトの芸術の特長が解明されているので作品理解を深めることに役立つ。
現在、東京都美術館で開催中のクリムト展を先日見てきたのでこの本の内容が分かりやすい。これを読んだので再度行きたい..