もっと知りたいクリムト 改訂版 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

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  • 東京美術
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (103ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784808711344

作品紹介・あらすじ

象徴派、デカダン派、印象派など多彩な顔を持つ世紀末ウィーン最大の画家クリムトの生涯を忠実にたどります。重要作品はクローズアップし、近年注目の叙情的な風景画や斬新な肖像画も数多く収録した充実の入門書。

感想・レビュー・書評

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  • 「もっ知り」シリーズ第3弾として手にしたのは...

    「クリムト」です♪

    なぜ、クリムト?
    答え:マハさんの「〈あの絵〉のまえで」でカバーデザインとなった「オイゲニア・プリマフェージの肖像」がすごく印象に残ったからです。

    無知なσ(・ω・`)、恥をさらせばそれが「クリムト」を知るきっかけとなりました。

    最も有名な「接吻」、正直その2作品しか知りませんでした。

    なので、本書にてクリムトが描いた他の作品を知りました。

    黄金様式の時代と呼ばれる金を利用した豪華絢爛な作品のイメージしかなかったことが恥ずかしい(/ω\*)

    彼が描いた多くの女性たち。
    晩年の作品では目を閉じた女性たちが多く描かれていますが、他に類を見ない色使いのみならず、クリムトが魂を与えたかのごとく描かれた女性たちの「目」に魅力されました。

    多くの肖像画を描いたクリムトですが、風景画のイメージはなかったなぁ(´;ω;`)

    本書にて好きな作品とも出会いました。
    パラス・アテナ、裸の真実、ユーディット、エミリーエ・フレーゲの肖像、そして、ダナエ、乙女たち...

    美と官能、This is クリムト!!


    <クリムト>
    グスタフ・クリムト(Gustav Klimt、1862年7月14日 - 1918年2月6日)は、帝政オーストリアの画家であり、象徴主義、アール・ヌーヴォー、世紀末ウィーン運動に影響を与えた芸術家です。彼の作品は耽美的で美しい女性像と金箔を多用した装飾的なデザインで知られています。クリムトは「接吻」などの代表作で有名であり、ウィーン分離派の創始者の一人でもありました。彼の芸術は現代でも多くの人々を魅了しています。

    彼の代表作には以下のものがあります。

    接吻 (The Kiss): 男性と女性が親密な抱擁を交わす様子を金箔を使って描いた作品です。

    アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 I (Portrait of Adele Bloch-Bauer I): アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像画で、金箔を多用した豪華な作品です。

    生命の樹 (The Tree of Life): 聖書の寓意である生命の木を描いた風景画です。

    ダナエ (Danaë): 神話上の女性ダナエを官能的に描いた作品です。

    ウィーン大学大講堂の天井画 (Klimt University of Vienna Ceiling Paintings): ウィーン大学の大講堂の天井を飾った壮大な作品です。

    これらの作品はクリムトの芸術的な才能と独特のスタイルを象徴しています。





    世紀末のウィーンは多くの特筆すべき芸術家を生んだが、画家ではなんといってもクリムトが筆頭にあげられる。デカダンで官能性に満ちた女性像がすぐに思い浮かぶが、印象派風の神秘的で美しい、いわゆる情調の風景画も多く残した。また、ストクレ邸のモザイクに代表される工芸的な装飾美においても他の追随を許さない。
    本書は彼の生涯を追うことにより、さまざまな顔をもつクリムトの芸術を余すところなく紹介した格好の入門書である。

  • 「髑髏」の表紙にあったクリムトの絵が観たくて借りてみました。

    全般的に工芸的な衣装が多いのかと思ったのですが、あの表現もたどり着いたものなのですね。

  • ウィーンのユーゲントシュティール(アールヌーヴォーのようなもの)の一翼をになったクリムト、若い頃の作品はかなり写実的な絵を描いていたようだ。しかもこれがまた巧い!

    以後、クリムトは、その手前に空気とか気配を描くようになっていったのだと思う。そしてさらに、たくさんの金箔を配した絢爛豪華な寓意的な作品(「接吻」とか)へ。

    初めて見たが、哲学者ヴィトゲンシュタインの妹マルガレーテの肖像画が良い(モデル本人は気に入らなかったそうだけど)。寓意的な絵はあんまり好みではないけど、人間を描いたものでは肖像画がとくにすばらしい。

    (ベートーヴェンの第九をヴィジュアライズした「ベートーヴェン・フリーズ」のイメージも圧倒的。)

    が、意外や意外、クリムトはもっぱら人物ばかり描く人かと思いきや、風景画がほんとにいい(すごすぎてしばらくクリムトの風景画を画像検索しまくってしまった)
    実は、本書によると全作品の4分の1は風景画なのだそう。びっくりした。
    「白樺の林」「アッター湖畔のカンマー城Ⅲ」「沼」「白樺のある農家」「大きなポプラⅡ」「アッター湖畔のウンターアッハの斜面」「鶏のいる庭の小道」など、ほとんど全部好き。水気や枯葉の匂いまでもが漂ってきそう。

    いわゆる印象派の手法とか点描画みたいに余白を利用して時間の揺らぎを演出するのではなく、色のもっと細かな粒子を稠密に敷き詰めたような風景だ。
    見ている人間の知覚や内面を意識させる(仮構する)印象派的手法もそれはそれでいいけど、クリムトの風景画はただただ自然の細部に圧倒され魅入ってしまう種類の絵。脱帽。

    ひまわりの絵も秀逸。生の不滅性を謳い上げるようにすっくと立つ。たぶんこれ、というか絶対、人間に似せて描いてある。
    クリムトの弟子であるエゴン・シーレが描いたひまわりが思い出される。師匠とは対照的に、立ったまま死んでしまったような、立ち枯れのひまわり。これも秀逸。
    この2つのひまわりを隣どうし並べて見てみたいものだ。

  • きれいです
    黄色、金色がきれいで細やかです
    晩年は暗色の作品が多いです

  • 金魚、エミーリエ・フレーゲの肖像が好き。絵画なんて詳しくないし、よくわかんないけど、この「工芸的」という言葉で表現されている部分が好き。解説は哲学的な視点もあって???ってなるところもまあまああったけど、ぼんやり絵を観るよりか一歩踏み出したい私みたいな人におすすめ。

  • クリムトの年齢に沿っていて分かりやすい!
    他の書籍もそうなのが多いのかもしれないけど、右横にビジュアライズされているところが良い。

  • T図書館
    1862年生まれ
    初期の作品「愛」
    ウィーン市立歴史美術館

  • クリムト展で購入。

  • クリムトの展覧会の復習に。

  • 代表的なクリムトの作品を紹介、クリムトの生涯についても概略が分かる。
    クリムトの芸術の特長が解明されているので作品理解を深めることに役立つ。

    現在、東京都美術館で開催中のクリムト展を先日見てきたのでこの本の内容が分かりやすい。これを読んだので再度行きたい..

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著者プロフィール

千足伸行(せんぞく のぶゆき)
美術史家、成城大学名誉教授。1940年東京生まれ。東京大学文学部卒業後、TBS(東京放送)を経て国立西洋美術館に勤務。1970〜72年、西ドイツ(当時)政府給費留学生としてミュンヘン大学に留学。主にドイツ・ルネサンス美術を学び、帰国後、国立西洋美術館に復帰。1979〜2011年、成城大学に勤務、現在は広島県立美術館館長。ヨーロッパ近代、特に世紀末美術を専門とし、多くの展覧会も企画。編著書に『世界美術大全集 西洋編』『アールヌーヴォーとアール・デコ』『交響する美術』(以上、小学館)、『もっと知りたいクリムト』(東京美術)、『隠れ名画の散歩道』『ゴッホを旅する』(以上、論創社)など多数。

「2021年 『画家たちのパートナー その愛と葛藤』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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