- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784809414756
作品紹介・あらすじ
人々の思いの集まりのようなものが、スペクタクルを生み出す。それは世界のどこのスタジアムであっても、無名の選手であろうとも起こりえることだ。飽くなきスペクタクルを巡る冒険。
感想・レビュー・書評
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後から読むと、ヘスススアレスの慧眼は流石だと思わずにはいられない。モウリーニョユナイテッド、ペップシティ・・・。
クライフ哲学に心酔しながらも、戦術も最終的には選手ありきだという考え方の純粋さ、明確さが痛快である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ヘスス・スアレス&小宮良之の両氏によるスペクタクル論者の論説シリーズ第六弾である。今回はサッカーにおける選手の存在に特にスポットを当てて現代サッカー(それも特にスペインサッカー)を読み解いている。
ここでの評論は相変わらず現代性に富んでいて、今現在佳境に至っている16-17シーズンに主軸が置かれている。毎回そうであるが、発売時点で現在性が感じられるのはこのシリーズの魅力だろう。雑誌連載のとりまとめでは、時にあまりにタイミングを逸した記事が混ざってしまう危険があるものだ。
ただ、今回はやや薄目の内容に感じたのも事実である。端的に言えば、ジダンマドリーを鋭く弾劾する一方で、エンリケバルサについて口をつぐんでいる感があったのは、バルサファンの自分にもちょっと意外だった。正直、今のバルサはスアレス氏の批判の対象となる存在だとは思うのだ。
とはいえ、ウイングの意義を見直したり、あるいはバルサやマドリーで未来が嘱目される選手(アセンシオや、あるいはアレニャなんてバルサファン以外知らないようなドマイナーな若手)を取り上げるなど、彼らしさは健在である。
そうした点、現在性の魅力なども加味して、星四つ程度と評価している。選手の早熟についての言及など、今回はいつもと違った視点で興味深い記事が色々あった印象である。