ニュースがまちがった日: 高校生が追った松本サリン事件報道、そして十年

  • 太郎次郎社エディタス
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本棚登録 : 47
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784811807140

作品紹介・あらすじ

高校生がメディアを逆取材インタビュー! 冤罪報道はなぜ起こったか。学校そばで起きた事件に疑問を抱いた高校生たちが報道記者の証言集を制作、過熱する事件報道の原点を読み解く渾身のドキュメント。メディア・リテラシー実践書でもある。

感想・レビュー・書評

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  • 松本美須々丘高校の放送部員たちが、部活を通して松本サリン事件を追っていく。
    その顛末を放送部の顧問である著者が記した本。
    地元松本で起きたサリン事件について、マスコミの報じ方を検証し、実際にそのマスコミに対して取材をしている。
    その中で、メディアの態度が見えてくる。
    メディアという送り手と聴取者という受け手というのは、対立するものではない。一方向ではなく、双方向に考えることが大切だ。
    当時はまたメディアリテラシーという概念が浸透しておらず、最終的にはそれに繫がる結論を導き出す。
    高校時代に、このような活動が出来た彼らは非常に恵まれていると思う。
    考える力を養うのに、最適の活動だろう。
    試行錯誤をしながらも、納得のいく結論を導き出そうとする姿と、出した結論の内容は素晴らしいと思う。
    メディア関係者だけでなく、一般の受け手にも是非読んでほしい一冊だ。

  • 松本サリン事件。ある無実な会社員が警察により犯人に仕立て上げられマスコミもそれに同調した。報道内容に疑問と違和感を抱いた人は多かったが、地元の高校生たちが立ち上がった。ニュースが間違っているんじゃないのか?と。
    地元(松本市)の高校生たちのドキュメンタリーだよ!美須々が丘高校生すごいな!
    敬意を表してブログに感想文書いたよ↓
    http://zazamusi.blog103.fc2.com/blog-entry-295.html

  • 新宿ジュンク堂さよならフェアの「書店員がほんとうに売りたかったコーナー」で発見しました。ほんとにいい本だった!
    高校の放送部でこれだけ自由かつ積極的な活動がやれる学校というのが、まず稀有だと思うし、マスメディアを高校生が取材するという発想もすごい。でも何よりも感心したのは、ひとつ作って賞をとって、それで終わりにしてしまわないという姿勢だ。みんなでうちこんで作ったものほど、ふつうは欠点を認めるのが難しいと思うが、自分たちの仕事にはまだ何かが欠けているということを認め、それは何なのか、どんな手法があうのかをとことん追求していく、そうしてメディア・リテラシーを再定義するところまでたどりつくのだ。たんなるマスメディア批判におわらないのはこの訴求力のゆえだ。

  • 超読書家、「ポカラ移住化計画」の、ざざサンの本棚にあって興味を持ち、図書館で借りて読みました。
    スゴイよ。

  • 最初は、みんなが河野さんを疑った・・・

    松本サリン事件報道の犯した間違いを、高校放送部が作品として検証していく姿を顧問の先生がまとめた本。

    巨大な権力とも捉えることができるマスコミ、でも、取材した若手記者一人一人の話を聞くと彼らの苦悩が浮き上がる。

    (市立中央図書館:20070329_リハビリ)

  • 報道被害の実態を高校生からの視点で綴ったさくひんです。

  • 高校時代を思い出しました…放送部だったので。しかし私はぼーっとしてただけ☆こんな凄い高校生って…社会人よりハードだよ?

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著者プロフィール

1957年、長野県生まれ。高校教師。長男出産時のトラブルから、「ふつう」「みんな」という言葉に疑問をもつ。以後、放送部活動に関わり、だれでも知っているが簡単に答えられないテーマを生徒とともに掘り起こし、作品化してきた。学校づくり、コミュニティづくりの基盤として、生徒会と放送部の可能性の広がりに力を注ぐ。演劇「NEWS NEWS」「長野版オペラ魔笛」などステージ表現のプロデュースもおこなう。
2000年から東京大学大学院情報学環に設置されたメル・プロジェクトにリーダーのひとりとして参加、03年度より同機関に派遣され、メディア教育の可能性を研究している。長野メディア・リテラシー研究会事務局長。梓川高校教諭。
共著に『表現者の自由──映像の力と責任をめぐる対話』(日放労編、現代人文社)、
『メディア・プラクティス』(水越伸・吉見俊哉編、せりか書房)、『報道は何を学んだのか』(近著、岩波ブックレット)。

「2004年 『ニュースがまちがった日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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