組織を変える5つの対話 ―対話を通じてアジャイルな組織文化を創る
- オライリー・ジャパン (2024年3月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784814400645
感想・レビュー・書評
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内容はいいが、実践が難しいのが惜しい。複数人数で通常業務に加えて行うのがいいのだろうが、労力がかかり継続するのが難しい印象を受ける。ただし、実践を抜きにしても読む価値はある。
本書は2部構成になっていて、第I部ではすべての対話に共通する重要な要素について、第Ⅱ部ではタイトルにある5つの会話について実践的な内容が書かれている。
第I部では対話の障害となる要素やその背景、自己反省の材料として用いることができる道具について書かれている。
> 私たちの住む世界は、他者を受け入れ、平和に理解しあうことが当たり前なわけではないのです。真摯で善意に満ちた人であっても意見が食い違うことがありますし、それに留まらず、相手を敵、すなわち「あちら側」と見なすこともあります。(2.1 対話:人間の秘密兵器)
認知バイアスについてもいくつか触れられており、対話の目的は以下のように書かれる。
> 多様性に求めるべきは建設的な対立であり、その対立を通じて新しいアイデアやより良い選択肢を考え出すことです。(2.2.2 防御的な思考法と建設的な思考法:何をするのか、そして何をすると言っているのか)
5つの対話は、対話を記録し、内省、改訂、ロールプレイを通じて対話を診断する手法に従ってそれぞれのストーリーが展開される。
例えば、診断の一つの基準として「質問分数」があり、これは対話に出てくる質問の個数で「真摯な質問」の個数を割った数値で表され、考え方としておもしろい。
対話は以下の5つである。
・信頼を築く対話
・不安を乗り越える対話
・WHYを作り上げる対話
・コミットメントを行う対話
・説明責任を果たす対話
各対話には「エグゼクティブリーダー」「リーダー」「メンバー」がそれぞれどのように対話を活用できるかが書かれていて、これによって立場の違う人同士が本書について議論をできるように工夫されている。詳細をみるコメント0件をすべて表示