とても面白かった!
酷い男の身勝手で名誉を毀損され離縁された主人公に、実家は冷たくまともな嫁ぎ先もなく修道院へ行くことになった矢先、破格の条件で再婚を申し入れてきたのは妻殺しの異名をもつ仮面の侯爵だった。
巷の恐ろしい噂とは対照的に、婚家で温かく歓迎され、夫となった侯爵からは情熱的に愛され、細やかに夫婦として愛情を深めていく様子を丁寧に描いた前半から、王宮での舞踏会での出来事を境に国家を揺るがす騒動に巻き込まれていく後半への大きな転換に唸った。
主人公とヒーロー以外のキャラクターも個性があって、楽しく読めました。
ある意味、よくある悪役令嬢の婚約破棄ものを第三者の視点から描いた話でもあり、新鮮でもありました。
物語としてはTLではかなり骨太の部類と思いますが、程々に緩いコメディ要素もあったりして肩肘張りすぎず、楽しく読めたのもよかったです。