2020年からの新しい学力 (SB新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784815602611

作品紹介・あらすじ

2020年の教育改革が
中間層の学力を破壊する!

2020年の大学入試制度改革の根底には、文科省による「知識の活用」を目指す大規模な教育改革が存在する。
しかし、新しい教育体制にすべての子どもがスムーズに対応できるとは限らない。
予想されるのが、これまで中間層にいる子どもたちが陥る学力危機である。
教育制度改革によって直面する問題とはなにか。
教育現場の実情を踏まえて、それにいかに対応していくべきかについて論じていく。

感想・レビュー・書評

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  • もう少し具体的な教育の動向かと思いきや、抽象的な教育の話が後半に多かったです。

  • 日本の子どもの貧困層が10%という事実に驚いた。SDGsの中身も知ってるようで知らなかった。本当にこの世には知らないことが多すぎる。自分事として捉えることから始めよう。

  • 小学校受験参考にしました

    想像力
     子供が勝手に思いをめぐらせ想像できどんな思いつきも口にできる自由な環境作りを
    読書で追体験

    2020年の教育改革は
    未知のものにも対応できる思考力、判断力、表現力を重視すると言っている
    もしあなただったら?などの良質な問い
    クリティカルシンキング
    なぜ?と聞き返す
    表現させる

    デザイン力
    芸術、家庭科、保健体育はデザインし表現する科目

    自分軸
    指示待ち人間より
    好き嫌いがはっきりわかるように
    こうしたいという意志を
    自分の好き嫌いをわかり、自分の頭や心に従って自分らしく生きる
    他人の価値観ん8引きづられないように、その他大勢と同じように生きるのが他人軸

  • ゆとり教育依頼の改革。
    現場視点が入った解説で戦後の教育の流れは見えてくる。
    大学の入試のあり方を視点にすると今回の意図がわかるつくり。
    これをしたことでどのような子が育っていくのか大きい枠で興味はある。
    でも、このレールの乗るかはずれるかの狭間が社会という視点では気になる。

  • ●「思考行動」とは3 × 3の宮増にABCと123を組み合わせた記号が付いています。縦の列は左から右へA(知識・理解思考) →B(理論的思考)→ C(創造的思考)と言う順に思考の領域が高度化していきます。横の行は下から上へ1 (単純)→2(複雑)→3(変容)と言う順に、思考のレベルが上がっていきます。
    ◾️例として
    Aの1はザビエルの肖像画を見てこの人物名を答えなさいと言った問題、Bになるとザビエルが日本に来た目的はなんですか?と言う問題に。Cになると、もしあなたがザビエルの布教活動をサポートするならどのようなサポートをしますかといった問題。
    ●新井さんによれば、いわゆるシンギュラリティは来ないが、人間の仕事の多くをAIが代替えする時代が迫っている。それなのにAIと同じように間違え、AIよりも出来が悪い子ども達が多いのが大問題。
    ●読解力が学力の基礎。思考力・判断力・表現力、はまとまったセット。
    ●スマホは、前提とする知識や考える力が身についた後でこそ思う存分活用できると考えるべき。
    ●5段落エッセイ
    ①主張。主題。
    ②1を補強する最も強い根拠
    ③④2に同じく、根拠の強い順に。
    ⑤まとめ。1と同じ内容だが、コピーはダメ。
    ●歩留り7割とみて、多めの目標を示す。

  • これまでの知識理解重視型のA軸型の思考からどうやってB軸(論理的)、C軸(創造的)型思考の人々を増やしていけばいいのか?

    ・指導要領、また入試制度の変更に伴い、学習法も見直していかないといけない。
    →日本の教員は授業にとれる時間が少ない、何からしていいかわからない状態。

    ・大人が子供の芽を奪わないことが大事。導くのではなく、自ら考えて解決できる人に。
    ・「想像力」「デザイン力」「自分軸」がこれからのキーワード

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00597235

    【スタッフコメント】
    AI、グローバル化などの社会の変化に
    対応できる人材を育成するため、
    教育改革が進められている。
    2020年、予測できない未来に
    本当に必要な学力は?

  • 200420
    ◆読んだ目的
    「子どもにこれからどういう学びをすれば良いか」

    ◆ひと言のまとめると
    「子どもの考えを、ただ肯定してあげる」

    ◆どういう事か
    ①親が先回りして障害を排除しない
    ②子どもの味方という事を常に伝え、自己肯定感を育む
    ③「なぜだろう?」「自分が何をやりたいか」などを尊重してあげ、【想像力】【デザイン力】【自分軸】を高めていく

  • 著者の校長としての経験から, 心の意味での「読解力」大切さと, 21世紀型教育に必要な要素「想像力」「デザイン力」「自分軸」を提案している。

    以下、メモ
    ーーーーーーーーーーー
    第2章
    「思考力・判断力・表現力」には、読解力が欠かせない

    思考力=あれこれ考える力
    知識がをい人は、場合を尽くして最善の方法考えることができますが、少ない人が考えを広くめぐらせることができません。結局、読解力があって、インプット沢山している人が、思考力の高い人でしょう。

    判断力=こうだと決める力
    現在の状況、いくつかの選択肢、そのそれぞれを選んだときのメリットとデメリットを知り、それらを比較した上で取捨選択をしなければ、判断がつきません。読解力があり、良いインプットを沢山している人が、やっぱり判断力に優れた人でしょう。

    表現力=様々なものをアウトプットする力
    読解力が弱く、インプットが少ない人やずれたインプットしている人は、表現力が足りず、貧弱なアウトプットしかできません。

    知識と思考は常につねにセット。どちらか一方だけではない

    新井紀子
    「まず読解力をつけるべき」
    「読解力・論理力・コミュニケーション能力」の3つさえあれば、機械との競争には負けない」
    強く推奨したいのは、やはり文字を読むこと、それもネットで情報をななみ読するような読み方ではなく、自分の力でじっくり読み込むこと

    オススメ:夏目漱石「吾輩は猫である」「坊ちゃん」

    Language artsのすすめ

    「箇条書き」ができない社会人

    新聞のコラムの要約
    対象:中3くらいから
    ①意味内容に注目して全体をいくつかの段落にわける。
    ②それぞれの段落で何を言っているのか要約する。
    ③コラム全体でなにをいっているのか要約する。(要約は、1行あるいは2〜3行でまとめる)
    ポイント
    ・新しく目にした言葉は、必ず辞書で意味を調べる。
    ・読めない漢字、書けない漢字は、なくしておく。

    第3章
    21世紀型教育の取り組み
    カリキュラムポリシーの軸
    ①探究型学習(PBL)
    ②C1英語
    ③ICT教育
    ④リベラルアーツの現代化
    ⑤エンパワーメント評価
    ディプマロポリシーの構築
    「偏差値」や「大学合格者ランキング」以外の学校評価のものさしを作る

    学校を見る際のポイント
    ・掲示物
    ・図書館

    日本の学校教員は、世界でも異常なほど働き過ぎ
    日本の中学校教師の仕事時間は週56時間(OECD平均38.3時間)
    日本の小学校教師の仕事時間は週54.4時間

    第4章
    「面倒見の良さ」にひそむ危険

    「なぜだろう」「こうだったら面白いのに」が失われる授業
    ・授業で重視されるのは、「シンプルに」「わかりやすく」「テストで点が取りやすい」こと
    ・計算の速さや正確性を競うよりも考え方や原理を重視する方向に

    公文式のようなトレーニングと思考力をどう両立させるか

    子供を「指導する」ことと「大事にする」ことは違う

    先回りして障害らしきものを排除してはだめ

    観点をしっかりと持つ
    4つの教育観点
    WHAT(何を)
    HOW(どうやって)
    WHY(なぜ)
    HOW MUCH(効率性は)

    3つの身につけてほしい力
    「想像力」
    課題「一応ピアノ水不足の村で湖まで8人の村人が行って水を詰めたらペットボトル47本分になった。8人で分けたい。どうしますか?」
    ①良質な問い
    ②クリティカルシンキングに誘う
    ③きちんと表現させる

    「デザイン力」
    あらゆるものを作っていくとき、様々な要素を取り入れるかどうか吟味しながら、上手く機能するように配置し、全体の計画を構想していく力
    アートとサイエンス
    この世界に自然によるさまざまな事象についての知識や学問がサイエンス、自然に対して人間が技や技術を駆使して作るのがアート
    芸術や家庭科、保健体育といった科目は、まさにデザインし、表現する科目。表現の技術がよく問われますが、それよりも自分なりに心地よい表現、デザインをトレーニングすることを考えるととても重要な科目。

    「自分軸」
    「好き嫌い」と言う「感性」
    自分の好き嫌いをよく分かっていない人が大勢いる。最終的に好き嫌いで物事を選ぶとき、何を選んでよいのかわからない。
    自分の好き嫌いをよく分かり、自分の心や頭に従って自分らしく生きるのが、「自分軸」持った人。
    一方で、「自分軸」にしたがって選んでいるようで、実は選ばされていないか、考えることが大切。

  • 2020年から導入される新しい学力について述べた本。
    受験に受かる勉強力ばかり重視され、思考力・判断力・表現力に代表される学力を育てるべきだという考えには大賛成。
    また、自立を妨げるマイルドな管理についても述べていて、面倒見のいい学校の落とし穴について認識することができた。
    思考コードというツールも紹介されており、具体的な想像もつきやすかった。
    読みやすいうえに本質を突いており、お勧めできる一冊。

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著者プロフィール

「聖ドミニコ学園」カリキュラムマネージャー、経済産業省「未来の教室」教育コーチ(2019年度)、知窓学舎カリキュラムマネージャー、「アサンプション国際小・中・高等学校」教育監修顧問。「21世紀型教育機構」理事。1962年東京都出身、暁星学園に小学校4年生から9年間学び、85年早稲田大学教育学部社会科地理歴史専修卒業。暁星国際学園、ロサンゼルスインターナショナルスクールなどで教鞭を執る。前かえつ有明中・高等学校校長。「21世紀型教育」を研究、教師の研究組織「21世紀型教育を創る会」を立ち上げ幹事を務めた。著書に『2020年の大学入試問題』(講談社)、『2020年からの新しい学力』(SBクリエイティブ)などがある。

「2021年 『いま知らないと後悔する2024年の大学入試改革』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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