- Amazon.co.jp ・本 (580ページ)
- / ISBN・EAN: 9784815604073
作品紹介・あらすじ
AppleデベロッパーはSwiftUIに備えよ!!
Swift 5の新機能に加えて、SwiftUIの根幹に関わるプロパティラッパ、関数ビルダについても徹底解説。
iPhone、iPad、macOS開発者、必読の一冊!!
SwiftはiPhone、iPad、MacなどのAppleプロダクト向けのプログラミング言語として2014年に登場し、言語仕様と実装の改良が進められてきました。今年の春に発表されたSwift 5 ではコンパイル済みコードの互換性の確保(ABI安定性)が主要なテーマとされ、言語仕様自体に大幅な変更はないものと思われていました。
ところが、6月に開催されたWWDC (Worldwide Developers Conference) で状況は一変、開発者コミュニティは大騒ぎとなります。
SwiftUIが突然発表されたのです。WWDCのライブ映像を見ていた世界中の開発がその記述方法にショックを受けました。『これがSwiftだって』?
SwiftUIは宣言的な記述によってGUIを構築できるフレームワークです。Apple社が丁寧なチュートリアルを用意していたこともあって、SwiftUIは比較的短期間のうちに認知されるようになりました。一方、その記法(埋め込みDSL記法)の技術的側面に関して、まとまったリファレンスは未だ存在しないようです。
本書ではそのような部分にまで踏み込んで、実際に動作するサンプルコードをもとにSwiftUIの記法の背景について解説を試みています。
感想・レビュー・書評
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Swift(Swift5)を実践的に使うための技術を書籍名の通り「詳解」してあります。大変詳しく、簡潔ながらも理解が深まるプログラム例が多数掲載されています。言語仕様についてもかなり丁寧に記述してあります。さらに、こなれた日本語で簡潔かつ必要十分に書かれているため、読むのにストレスが溜まりません。
サンプルプログラムの多くが様々なアルゴリズムをSwiftで記述したものであるため、単に言語を学ぶだけでなく、アルゴリズムを実際のSwift言語にどのように落とし込めば良いのかまで理解できる点が素晴らしい点だと思います。
SwiftUI の導入に従って、少なからず理解が必要となるDSLについても最小限ですが説明してあり、この本を読む前は腑に落ちなかったSwiftUIでの記述方法について理解を進めることができました。
また、これらのサンプルは、本に記述してあるままXcodeのplaygroundで実行できるため、体感的に言語仕様を学べるという利点もあります(一部の書籍のように、サンプルコードをネットからダウンロードする必要がない)。
上記の理由から、この本の評価は★5つなのですが、あえて難点を書くとすれば、「C言語の知識が多少なりとも必要である」という点でしょうか。そういう意味では他の方も仰るように全くの初心者向けではありません。中級者以降がターゲットであれば間違いなく★5です。
逆にいえば、C言語、とりわけ構造体やポインタ(関数への参照渡し)が理解できれば、この本に書いてあることは概ね理解できると思います。
つまり、C言語でそれなりのプログラムが書けるけど、Swift独自の記述がわからない、という人にとっては、この本の理解は難しくなく、かつC言語とSwift言語との違いなどを納得のいく形で理解できるということです(C言語を概ね理解できる私にとっては大変ありがたいことなのですが)。
そういう点において、書籍の初期段階からポインタなどとの比較が書いてある(あるいは、K&Rの話に言及している)点から、まったくの初心者にとっては理解が難しいという点も考えられます。
ただ、C言語は現在使われているプログラミング言語の多くの基礎となっており(Swiftも言語構造上そうだと思います)、C言語の言語構造そのものはあまり難しくないので、プログラミング言語初心者の方はC言語の基礎を学ばれてから(CコンパイラはApp Storeでも無料でダウンロードできるものもありますし)この本を使ってSwiftを学ばれるのが一番良いかと思います。
ちなみに、この書籍のサンプルプログラムですが、macOS(Catalina)では残念ながら解凍に手間がかかるようです。ダウンロードしたファイルをダブルクリックしても、エラーが出て解凍できません。もし、コマンドラインを使える方であれば、コマンドラインからunzipを使うことで解凍できますので、そちらで試すことをお勧めします。
また、本文216ページList8-11のプログラムが途中で切れているようです。
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9月新着
東京大学医学図書館の所蔵情報
https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_search/?amode=2&kywd=4311475836 -
本書にも書いてある通り、この本を読んだからといってアプリを作れるようになるわけではありません。
あくまでSwiftという言語の説明が全てなので、はじめてアプリを作ってみたいという入門者の方がこの本を読み始めると、何を言っているのかわからない、またはアプリ開発が嫌いになるかもしれません。
ただ、別の本などを用いてアプリを幾つか作ってみて、その上で更にSwiftを学んでみようと思うのであれば素晴らしい本だと思うのでおすすめします。 -
請求記号 007.64/O 25