知ってはいけない明治維新の真実 (SB新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784815604820

作品紹介・あらすじ

徳川政権末期の「徳川近代」という時代の存在は、明治新政権が政治的に江戸時代を全否定することによって抹消されてしまった。本書は、幕末・明治を揺るがした事件を年代順にたどり、勝者である官軍によって歪められた嘘を一つ一つ丁寧に検証していく。
幕臣たちはあの時、何をしていたのか。明治近代という非日本的な時代を清算することにより、江戸以前より脈々と続く、日本の歴史の真実を解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • 読むに難く、途中で読むのをやめてしまった。
    大分感情的な文章で、筆者の思い込みで書かれているところも多いのではないかと疑ってしまう。その割に、書かれている事実は当たり前のことが多いように感じた。
    また、根拠資料が2次資料が多く、歴史を語るのに誰かが語った論を根拠に真実であるかのように語るのは歴史の語り方ではないように思えた。

  • 幕末明治維新の印象がひっくり返った本。
    明治新政府が清廉潔白でないことは承知の上だったが、まさかここまでとは。
    岩倉具視、勝海舟、大久保利通の印象はそのままだったけど、西郷隆盛の印象は180度変わってしまった。

    まさに明治維新というのは、倫理観も品格も持ち合わせていない最下層貧民があらゆる卑劣な手段で政権を奪取したクーデターであった。
    篤姫の筋の通し方はあっぱれ。
    大義は徳川側にあったと断言できる。

    しかし、戦に負けてしまったから今日の歴史観が築かれている。
    過激派長州人が中心になって明治政府を築いたから、あのような無謀な戦争に突っ込んでいってしまった。
    そして、戦後の現在もその体制は続いてる。
    政治の中心にいるのは、常に長州薩摩出身の人ばかりである。

    教育で明治以降の歴史をやらないのは、現代日本の権力者にとって都合が悪過ぎるということがよく分かった。
    なぜ徳川は滅びてしまったのか本当に惜しい。
    慶喜を精神分裂病と考察している箇所は、色んな意味で納得。

  • 20230125 読了
    4.4評価で四捨五入☆4つ

    覚書
    序章 歴史の検証を阻む薩長史観
    第一章 黒船来航の舞台裏
     1 国際環境からみた黒船来航
     2 老中阿部正弘の対応
     3 武力行使のできないペリーの事情
     4 堂々たる初めての日米交渉
     5 日米修好通商条約は不平等条約か<? br>
    第二章 勝海舟という虚像
     1 江戸城無血開城という美談
     2 咸臨丸は誰が操船したのか
     3 崩壊した勝海舟英雄譚
    第三章 戊辰戦争という奇妙な戦
     1 テロリズムからクーデターへ
     2 勅許偽造と「王政復古大号令」の失敗
     3 テロ組織「赤報隊」の挑発
     4 武家の常識では測れない徳川慶喜
    第四章 明治政府の腐敗と「西南の役」
     1 腐敗しきった長州汚職閥
     2 「郷中」が生んだ二才頭・西郷
     3 岩倉使節団の失態から「西南の役」へ
    終章 軍国日本を創った明治維新

    歴史小説や大河ドラマは歴史の流れチェック(笑)で
    作家や脚本家の意図にハマらぬようにしていたのに
    それでも結構、毒されていたことが解った本。
    この本が100%史実とまでは思わないものの、学生時代
    間違った日本史を学ばされていた事、有耶無耶とも
    いえる教え方をされて来た事をとても残念に思う。
    「歴史は繰り返す」とは、よく言ったものだ。
    悪政は繰り返す、の方が今の日本にピッタリだな~
    室町時代まで遡った方がいいかも?とは思いつつ、
    納得いかない明治維新の本から先に読んでしまったw
    面白かったです^^

  • 面白かった。明治維新はただの薩長vs幕府の政治闘争であり、革命でもなんでもないと。

    さらには洗練されたガバナンスを保っていた江戸から、政治素人が運営する明治政府になり、ボロボロになる。
    汚職がはびこり、運営場当たり的。

    なんで西南戦争が起きたんだろうとか思っていたが、なるほどつながった。内部がボロボロだったから。

    確かに大きな国の単位をマネジメントしたことのない素人が政治に関わることで、国勢が混乱した側面はあるが、一方ドラスティックにプレイヤーを入れ替えたことによるメリットはあったはず。

    いつの時代もガラガラポンは重要。
    徳川幕府も外交の能力においては薩長を大きく上回ってたと思うが、ガバナンスの観点で言うと、薩長に政治闘争(明治維新)を起こされてる時点でもう賞味期限切れだったんだと思う。

    あとは純粋にこれだけ内部がガタガタであったにも関わらず、明治維新が素晴らしかったと印象に残らせた、薩長のPRの俊逸さには素直に感服する。
    英雄談を創り出したり、「尊王攘夷」と言うキーワードで大衆を煽動するなど、結構ポイントを押さえたPR戦略をとっている。

    「戦争広告代理店」で、日本人はPRがヘタだし戦略がないと言われているが、この時の薩長の立ち回りはPR観点で行くと俊逸以外の何者でもない。

  • 面白い。

    細かいことは別にして開国に文句つけて明治維新したのに開国してるよねってのは普通の感覚で感じること。

    ちょっと前の総理も長州か…

  • 実にくだらない内容。トンデモ本。

  • なんとなく、私たちが知っている維新と明治期は綺麗すぎるなと感じていました。やはり正当化、脚色されている部分はかなりあるのですね。

  • 2021年末の大掃除で発掘した本です、この本は2021年の間に読む本の様ですね。読みかけになっていたために、評価は「★一つ」にしております。内容が不満足だったわけではありません。

    2021年12月29日作成

  • ●ペリーの黒船の半分は帆船であり、また鎖国は長崎だけではなく、対馬、薩摩、蝦夷の4カ所から通商を行っていた。決して幕府が不条理な排外主義を行っていたわけではない。キリスト教勢力の侵略を防ぐため。
    ●阿部正弘が、日米和親条約に踏み切ったのは大きな功績。長崎海軍伝習所、大船建造禁止の緩和など、富国強兵策を。

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著者プロフィール

原田伊織(はらだ・いおり)
作家。京都伏見生まれ。大阪外国語大学卒。2005年私小説『夏が逝く瞬間(とき)』(河出書房新社)で作家デビュー。『明治維新という過ち』(毎日ワンズ)が歴史書としては異例の大ヒット作となり、出版界に明治維新ブームの火をつけた。「明治維新三部作」として、『明治維新という過ち』『列強の侵略を防いだ幕臣たち』『虚像の西郷隆盛 虚構の明治150年』(共に講談社文庫)がある。その他の著書に『官賊に恭順せず 新撰組土方歳三という生き方』(KADOKAWA)、『明治維新 司馬史観という過ち』(悟空出版)、『消された「徳川近代」明治日本の欺瞞』(小学館)、『日本人が知らされてこなかった江戸』『知ってはいけない明治維新の真実』(共にSB新書)など。雑誌「時空旅人」に『語り継がれなかった徳川近代』を連載中。

「2021年 『昭和という過ち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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