カノジョの妹とキスをした。2 (GA文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784815607289

作品紹介・あらすじ

”不”純愛ラブコメ第二弾!

感想・レビュー・書評

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  • どれだけ酷い対応をされても「晴香が大好きだ」と本気で考えている博道をまるで底の知れない沼に引きずり落とすかのように癒やし続ける時雨がとっても危険な色香を振りまき続けているね

    本作は恋人が居るのに恋人と瓜二つの妹とただならぬ関係になってしまうガチの不倫モノ。これを恋愛作品として成立させようものなら、どうやってその不倫に正当性もしくは納得感を出すかが問題となってくるのだけど、本作では博道を臆病ながらも誠実な人間として描き、同時に晴香を純情ながらも彼氏の事情を考えない人間として描く事でこの泥沼のような状況に説得力を出しているね

    特に博道という主人公は好感が持てるキャラクターに仕上がっているね
    精神的に追い込まれた状態で時雨の毒牙に度々晒されるのだけど、だからといってすぐに時雨に溺れるような事はせず、その度に自分を責め晴香への好意を再確認する姿勢はなかなか出来るものではない
    ただ、それは背負いきれない罪悪感を自分一人で抱え込もうという事でもあるのだけど

    ここで双子の対応が非常に対称的であるのは幸か不幸か
    この巻で晴香は男性にとってはとても理不尽な要求をしてくる。それは博道の苦悩をまるで理解していないもの
    でも、晴香は晴香で博道が大好きなんだよね。ただ、大好きだからと欲に溺れる状態を嫌悪し、自分の中にある理想の「恋人関係」を優先してしまう
    それが健全な男子高校生でありつつも誠実であろうとする博道を余計苦悩させる

    時雨はその点、かなり現実的
    第1巻の後半でも俯瞰的に性衝動などを見ていた。またこの巻でも博道への衝動に突き動かされて博道を惑わせるような言動をするけれど、全体的には理性的な言葉は失わない。彼女は我慢をしない状態に突入しているのだけど、かといって博道の都合や誠意すら無視しているというわけじゃないんだよね
    暴走した自分に対して精一杯の強がりを貫こうとする博道の意思を尊重している。アプローチそのものは行っても最後の一歩だけは博道が本心から自分若しくは自分を通して晴香を望む時を待っている

    晴香と時雨については後書きでも触れてあるけど、どう考えても不倫による両親の離婚が尾を引いているんだよね
    それによって晴香は本当の愛について過剰な幻想を抱くようになり、時雨は愛に幻滅し恋愛感情を計算的に捉えるようになった

    この二人の傾向と博道の相性が恐ろしく悪いのがこの作品の面白さをより引き立ている
    博道の誠実さは晴香と相性が良いが一方で男としての健全性が拒まれる。男としての健全性は時雨を求めてしまうが、誠実さが溺れるのを踏み留まらせる
    もはや博道と晴香の恋仲は破綻しているようにしか見えないが、この三人の関係は博道がそれでも晴香への好意を貫き、そして博道と時雨が我慢する事で成り立っている
    というより、むしろ時雨の温もりが博道を癒やし、その心が壊れるのを防いでいるまである。第1巻では晴香の手を握る事すらドキドキしていた博道が晴香と居る時間を苦痛に思うようになり、対称的に油断できない妹だと感じていた時雨との時間に安らぎを感じるようになるなんて
    あの水風呂のシーンからはただの不倫モノとは呼べない程の雰囲気を感じられたよ

    このまま時雨が陰となり、晴香に知られぬまま関係がズブズブと続くのであってもバレなければ大きな問題にはならなかったかもしれない
    けれど、時雨は一歩を踏み出した。
    不倫がバレた後に訪れるのは破滅を孕んだ修羅場。時雨が晴香に対してどこまで喧嘩を売るか、そして晴香は博道と時雨の同居を知ってもその好意は変わらないのか?
    いや、本当にこの作品はどこまで暴走してしまうのか恐ろしさを覚えつつ期待感を抱いてしまうよ

  • 博道、晴香、時雨それぞれの『愛し方』の隔たりが鮮明になり、恋人同士が傷つけあい大きくすれ違う。お互いがお互いの気持ちを一方的に押しつけ合う関係は、いずれ破綻する。そんな有り様を見せつけられる今回でした。ラブコメと言いながらコメディ要素はどこにある?このままラノベの枠を超え、どこまでも突き抜けた展開になって欲しい。この三人の交わるようで交わらないドロドロとした関係はどこへ向かうのか。続きが大いに気になります。

  • 晴香と時雨の母親と複雑な離婚の経緯。
    セックスに忌避感をいだいている晴香とそんな晴香と佐藤博道の関係にもどかしさを感じる時雨。
    風邪で倒れた時雨の看病。自分の想いがだんだん信じられなくなる。
    晴香の電話にカミングアウトする時雨。

  • 読んでると脳が壊れるんだけどそれも気持ちいいです。ラノベ界でかなり好きです。。。

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著者プロフィール

大阪在住のラノベ作家。『断罪のイクシード』(原題:善意の魔法)で第2回GA文庫大賞優秀賞を受賞してデビュー。代表作は『落第騎士の英雄譚(キャバルリィ)』と『超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!』。

「2018年 『超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!7』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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