精神医学の科学哲学

  • 名古屋大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784815808075

作品紹介・あらすじ

科学哲学の思考を応用して精神医学の世界をつぶさに分析、精神医学批判のさまざまな疑念に答えつつ、医療現場の実践に即した提言を行う。複雑化する精神疾患や臨床試験をめぐる問いに、いかに向き合うのか-。切実な問いにこたえる待望の書。

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  • 原題:PSYCHIATRY AND PHILOSOPHY OF SCIENCE
    著者:Rachel Valerie Cooper
    https://en.m.wikipedia.org/wiki/Rachel_Cooper_(philosopher)]

    【版型】
    価格 4,600円
    判型 A5判・上製
    ページ数 318頁
    刊行年月日 2015年
    在庫状況 在庫有り
    ISBNコード 978-4-8158-0807-5
    Cコード C3010

    切実な問いにこたえる――。科学哲学の思考を応用して精神医学の世界をつぶさに分析、精神医学批判の様々な疑念に答えつつ、医療現場の実践に即した提言を行う待望の書。精神疾患の実在から、心と脳の関係、臨床試験の妥当性まで、複雑化する問題にいかに向き合うのか。
    http://www.unp.or.jp/ISBN/ISBN978-4-8158-0807-5.html

    【目次】
    目次 [i-vi]

    第1章 はじめに――精神医学と科学哲学 001
      1 用語と概念について 002
      2 精神医学は科学だろうか?…… なんて、どうでもいいことだろうか? 007
      3 本書の概要 014

    第2章 精神疾患の本性1 ――精神疾患は神話なのか? 016
      1 精神科医に精神疾患がわかるのだろうか? 017
      2 精神疾患は歴史的に不安定なカテゴリーなのか? 020
      3 精神疾患は医学というより道徳の問題だろうか? 025
      4 精神疾患の症状は社会的文脈へあまりにも依存しすぎか? 029
      5 精神疾患を良いものとみなすことはできるか? 037
      6 まとめ 041

    第3章 精神疾患の本性2 ――精神疾患が実在するのなら、それは何なのか? 043
      1 身体疾患と精神疾患との区別 043
      2 生物学的学説 046
      3 フルフォードの行為に基づく学説 052
      4 障害についてのアリストテレス的学説 054
      5 込み入った学説 059
      6 ロッシュ的概念としての障害 062
      7 まとめ 064

    第4章 精神医学における説明1 ――自然誌に基づく説明 067
      1 自然種についての補足 072
      2 精神疾患は自然種であるという見解への反論 081
      3 精神疾患の類型は自然種なのか? 097
      4 帰結 099
      5 まとめ 101

    第5章 精神医学における説明2 ――個別の個人誌 104
      1 素朴心理学的な理解についてのシミュレーション説 104
      2 シミュレーションと個人誌 107
      3 シミュレーションの限界 110
      4 伝統への回帰――他の説と比較したときの個人誌のシミュレーション説 125
      5 倫理と個人誌 137
      6 まとめ 128

    第6章 理論と理論との関係1 ――異なるパラダイムが出会うとき 130
      1 パラダイムと通常科学についてのクーンの考え 131
      2 通約不可能性についてのクーンの考え 134
      3 精神医学におけるパラダイム 139
      4 クーンが論じなかったもう一つの問題――専門職間の競合関係 143
      5 十全なコミュニケーションをともなわない協働関係 147
      6 パラダイム間を横断する十全なコミュニケーションを目指して 151
      7 まとめ 160

    第7章 理論と理論との関係2 ――還元主義 162
      1 三種類の還元主義 162
      2 心とは何か? 心についての理論は脳についての理論に還元できるか? 164
      3 方法論的還元主義 193
      4 まとめ 195

    第8章 価値と利害関心の取り扱い1 ――価値負荷的な科学としての精神医学 197
      1 事例研究にあたって 199
      2 様々な価値負荷性 203
      3 他の科学との比較 213
      4 何ができるだろうか? 214
      5 まとめ 221

    第9章 価値と利害関心の取り扱い2 —— 大企業と治療の評価 225
      1 ランダム化比較試験 (RCT) について 226
      2 治療効果の評価にともなう問題 229
      3 精神医学における社会認識論と信頼の崩壊 240
      4 問題の診断 248
      5 精神医学に立ち返って 255
      6 まとめ 260

    第10章 おわりに 263

    謝辞 [267-268]
    監訳者解説(二〇一五年三月 監訳者) [269-279]
      1 本書の概要 
      2 精神医学の専門家にとっての意義(伊村井) 
      3 科学哲学の専門家にとっての意義(伊勢田) 
      4 翻訳について 
    注 [25-31]
    文献案内 [23-24]
    文献一覧 [7-22]
    索引 [2-6]
    訳者一覧 [1]

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著者プロフィール

ケンブリッジ大学で博士号 (科学史・科学哲学) を取得。現在、ランカスター大学上級講師。精神疾患の分類をめぐる概念的問題を主な研究テーマとする。著書にClassifying Madness (2005)、Diagnosing the Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (2014、邦訳 『DSM-5を診断する』 2015年) など。

「2015年 『精神医学の科学哲学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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