帝国から開発援助へ―戦後アジア国際秩序と工業化―

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  • 名古屋大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784815808655

作品紹介・あらすじ

アジアの経済的再興を可能にしたものとは。コロンボ・プランなどイギリスの政策構想を手がかりに、先進国からの所得移転が果たした役割を、戦前以来の連続性のもとで解明、アジアの主体的対応も含めた戦後開発援助の新たな全体像を描き出し、グローバルヒストリーの新機軸を示す。

感想・レビュー・書評

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  • 本は脳を育てる:https://www.lib.hokudai.ac.jp/book/index_detail.php?SSID=5056
    推薦者 : 前田 亮介 所属 : 法学研究科

    第二次世界大戦後のアジア諸国の経済的台頭を可能にした条件の一端を、コロンボ・プランをはじめとするイギリス主導の戦後国際秩序構想から明らかにしようとした、政治経済史の画期的業績である。著者がイギリス帝国史の第一人者ということもあり、コモンウェルス体制の維持・再編に向けた戦後イギリスの生存戦略が、旧帝国からの旧植民地への所得移転や開発援助を通じて、アジア諸国の脱植民地化と(多くが開発独裁的な形態での)国家形成を後押ししていくなかば逆説的な力学が、英米のみならずインドの文書館史料も利用して興味深く分析されている。帝国秩序における戦前と戦後、帝国秩序と国際秩序の交錯、経済成長と民主化の関係、といった主題を考えるうえでも、多くの示唆を提供するだろう。

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著者プロフィール

1958年生まれ。大阪大学大学院文学研究科・教授
(主要業績)
『イギリス帝国とアジア国際秩序』(名古屋大学出版会、2003年:第20回大平正芳記念賞2004年)、『イギリス帝国の歴史―アジアから考える』(中公新書、2012年:第14回読売・吉野作造賞2013年)、Shigeru Akita (ed.), Gentlemanly Capitalism, Imperialism and Global History (London and New York: Palgrave-Macmillan, 2002).

「2020年 『グローバルヒストリーから考える新しい大学歴史教育』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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