世界史のなかの産業革命―資源・人的資本・グローバル経済―

  • 名古屋大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784815808945

作品紹介・あらすじ

中国やインド、大陸ヨーロッパではなく、イギリスで産業革命が起こり得たのはなぜか?食事、健康などの生活水準をもとに、世界史的な視野でその起源を捉えなおし、エネルギーなどの自然環境が果たした役割も視野に、産業革命の新たな全体像を示した決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 産業革命の起源から展開に至るまでを、詳細に検討した名著
    歴史的なデータを用いて現代的に分析している

  • 経済史という学問分野だと思うが、たとえデータは古文書だったとしても、現代の経済学の理論や手法を使って、産業革命がイギリスでのみ起こったことを鮮やかに説明する。一言で言えば、低エネルギー経済と高賃金という構造が、資本(機械)を投入するというイノベーションを誘発したというもの。
    特に都市の高賃金が農業人口を吸収し、結果的に農業分野での変革(囲い込み)などが起こったという説明は面白かった。
    また、木材価格の高騰は木材不足で起こったというよりも、石炭が安いままであり続けた(生産が拡大した)ことにより起こったという見解は、覚えておく必要がありそうだ。

  • ふむ

  • 『世界史のなかの産業革命――資源・人的資本・グローバル経済』
    原題:The British industrial revolution in global perspective
    著者:Robert Carson Allen(1947-)
    訳者:眞嶋史叙
    訳者:中野 忠
    訳者:安元 稔
    訳者:湯沢 威

    価格 3,400円
    判型 A5判・上製
    ページ数 380頁
    刊行年月日 2017年
    ISBN 978-4-8158-0894-5
    Cコード C3033

    中国やインド、大陸ヨーロッパではなく、イギリスで産業革命が起こり得たのはなぜか? 食事、健康などの生活水準をもとに、世界史的な視野でその起源を捉えなおし、エネルギーなどの自然環境が果たした役割も視野に、産業革命の新たな全体像を示した決定版。
    http://www.unp.or.jp/ISBN/ISBN978-4-8158-0894-5.html

    【目次】
    日本語版への序
    謝辞

    第1章 前工業化経済と産業革命
        産業革命を説明する
        文化と経済 —— 原因それとも結果か
        消費主義と勤勉
        結婚と子ども
        近代文化の成立
        産業革命への経済的アプローチ
        ヨーロッパ経済の変容 1500~1750年
        近世の拡大から産業革命へ

      第Ⅰ部 工業化以前の経済

    第2章 前工業化イギリスの高賃金経済
        賃金と価格
        イギリスにおける賃金の収斂
        熟練労働者
        高賃金経済は生活の質にどのような意味を持つのか
        高賃金と経済成長

    第3章 農業革命
        マクロの視点—— 人々はどのように食料を供給されたのか
        農業労働者の1人当たり産出量
        なぜ産出量と生産性は上昇したのか
        囲い込みは産出量と生産性を上昇させたのか
        開放耕地農民はどのように農業の近代化を達成したのか
        農民たちはなぜ自分たちの農法を改良したのか
        結 論

    第4章 低価格エネルギー経済
        ロンドンの成長と石炭取引の興隆
        家庭用石炭暖房の方法
        北東部炭鉱地帯以外の石炭生産の増加
        世界を視野に入れたイギリスのエネルギー
        オランダの都市化と 「木材危機」
        結 論

    第5章 なぜイギリスが成功したのか
        進歩と貧困のモデル
        19世紀への多様な経路
        イギリスが成功した要因
        含意するものとさらなる疑問
        補遺 近世経済の方程式

      第Ⅱ部 産業革命

    第6章 なぜ産業革命はイギリスで起きたのか
        イギリス —— 高賃金で安価なエネルギー経済
        なぜイギリスの独特な賃金・価格構造が問題となるのか—— 労働を資本で代替する
        イギリスと中国にモデルを応用する
        イギリスとフランスにモデルを応用する —— ピン工場の例
        第2段階 —— ミクロレベルの発明の流れ
        3つのマクロレベルの発明の歴史
        補 遺

    第7章 蒸気機関
        第1段階 —— ニューコメンのマクロレベルの発明
        第2段階 —— 1世紀半にわたる改良
        蒸気機関の普及

    第8章 綿 業
        マクロレベルの技術革新、第1段階 —— ジェニー紡績機
        リチャード・アークライトの発明
        なぜフランスではないのか
        なぜフランスではなくてイギリスで紡績機械が発明されたのか
        第2段階 —— 紡績機械の改良
        結 果
        補遺1 ジェニー紡績機の収益率
        補遺2 アークライト工場の収益率

    第9章 コークス溶鉱法
        マクロレベルの発明、第1段階 —— エイブラハム・ダービー1世の業績
        マクロレベルの発明、第2段階 —— コークス溶鉱鉄の競争力を高める発明、1720~55年
        1755~1850年までのマクロレベルの発明への一層の改良
        ヨーロッパ大陸におけるコークス溶鉱法の導入
        アメリカにおけるコークス溶鉱法の導入
        コークス溶鉱法はなぜイギリスで発明されたのか

    第10章 発明家、啓蒙主義そして人的資本
         産業的啓蒙主義
         重要な発明家に関する統計分析
         産業的啓蒙主義と実験
         長期的視点で見た産業的啓蒙主義
         経済的、社会的発展の水準
         産業革命の原因としての文化
         補遺 重要な発明家リスト

    第11章 産業革命から近代経済成長へ

     参考文献
     訳者解説
     図表一覧
    原題 索 引

  • 産業革命がなぜイギリスで起きたのかを解説する本。
    今まで見たことのない角度から切り込んでいく読みごたえのある本。

  • 東2法経図・指定 332.33A/A41s/Majima

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