- Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
- / ISBN・EAN: 9784815809164
作品紹介・あらすじ
人びとは何をどのように食べて、空腹を満たしてきたのか。一膳飯屋、残飯屋、共同炊事など、都市の雑踏や工場の喧騒のなかで始まった外食の営みを、日々生きるための〈食〉の視点から活写、農村にもおよぶ広範な社会と経済の変化をとらえ、日本近代史を書き換える。
感想・レビュー・書評
-
ふむ
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
【書籍】
https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001142259
-
近世の縄暖簾から近代の大衆食堂へ--食と胃袋をめぐる社会と経済の変化を資料とデータを元に論じた一冊。とても面白かった。食の『産業化』はなるほどなぁと。
扱っているのは一膳飯屋、残飯屋、共同炊事、公設市場…といったものになり、対象となる胃袋は女工達や日雇いの人達、農村など、どちらかというと日々の暮らしでギリギリの、所謂底辺の人々の話を纏めているものになります。タイトルから「食の近代化で洋食のメニューが豊かになり、洋食店に牛鍋屋、こんなメニューやあんなメニューが…」みたいな方向性の内容を期待されるとかなり違いますのでご注意をw -
一膳飯屋、残飯屋、共同炊事など、都市の雑踏や工場の喧騒のなかで始まった外食の営みを活写。社会と個人とをつなぐ“食”の視点から日本近代史を書き換える。(e-honより)
-
非常に面白かった。歴史研究の意義として、名もなき人々の生活に光を当て、そこから時代や社会を見つめるということがあると思うが、そういうことが見事に出来ている本である。
さらに、「食」というテーマから「近代」という大きなテーマへと接近する姿勢にも、重要なものがあると思う。本書でも述べられているが、「社会史」が細かい話にとどまって全体像を描かなくなっていくことを批判し、自らそれを研究実践で乗り越えている点は素晴らしい。近世の共同性から、近代における「胃袋の個別化」、そして共同炊事や「残飯屋」による新たな共同性の模索、さらに現代における資本主義の全面化による新たな個別化・・・という見取り図はわかりやすく、そして説得力をもっている。すごい本であった。 -
東2法経図・6F開架 383.8A/Y99i//K