世界の発光生物―分類・生態・発光メカニズム―

著者 :
  • 名古屋大学出版会
4.00
  • (1)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 23
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784815810573

作品紹介・あらすじ

発光バクテリアからツキヨタケ、ホタル、そしてチョウチンアンコウなどの脊椎動物まで――。現在知られているすべての発光生物について、第一人者が分子生物学的知見を含めて紹介。光る生き物たちを通して見える世界と、そこに至る進化の道筋を描き出す。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  図書館の新着コーナーで、発光のメカニズムに興味をもったので手に取った。
     発光の多くは「ルシフェリン・ルシフェラーゼ反応」によるとのこと。ルシフェリンとは、発光の基質となる有機化学物質で生物分類群ごとに化学構造は異なるとのこと。一方、ルシフェラーゼは、ルシフェリンの酸化反応を触媒する酵素だそうだ。
     もうひとつ、「フォトプロテイン(発光タンパク質)型」というメカニズムがある。基質である有機化学物質クロモフォア(セレンテラジンなど)をふくむイクオリン(発光タンパク質)にトリガー物質(カルシウムイオンや金属イオン、過酸化水素など)が結合して発光する。
     面白いのは、チョウチンアンコウなどは発光バクテリア(ウミホタルなど)を捕食してそのバクテリアのルシフェリンを発光器に送り込んでいるということだ。
     植物界及び動物界のいずれにも同じ発光メカニズムが存在しているというのはほんと面白い。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1970年 札幌市に生まれる
1994年 北海道大学大学院理学研究科化学専攻修士課程修了
1997年 総合研究大学院大学大学院生命科学研究科博士課程修了
 名古屋大学大学院生命農学研究科助教などを経て
現 在 中部大学応用生物学部教授、博士(理学)
著 書 『ホタルの光は、なぞだらけ』(くもん出版、2013)
 『光る生きものはなぜ光る?』(文一総合出版、2015)
 『恐竜はホタルを見たか』(岩波書店、2016)
 『光る生き物の科学』(日本評論社、2021)他

「2022年 『世界の発光生物』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大場裕一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×