みつえばあちゃんとボク

著者 :
  • 西日本新聞社
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本棚登録 : 70
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784816709111

感想・レビュー・書評

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  • オールページカラーということで著者をはじめこの本作りに関わった人の熱意がまず感じられましたね。

    今回は孫視点のお話ですがベースは同じですね。
    何でしょうね、何でもないお話であってもふと読んでいるうちに涙が止まらなくなってしまう箇所が何ヶ所かありました。
    関わってつながったものの深さはその人の肉体がたとえこの世から消えてしまっても、必ずどこかには残っているものかもしれないと信じさせてくれる話がたくさんあります。
    つくろわない、ユーモアを交えた日常が描かれているから染みるのでしょうね。

    この一冊にもユーモアを持って暮らすことの大事さを感じさせられました。

  • 借りたもの。
    お孫さんであるまさきさん(まーくん)の視点から、祖母・みつえさんとの交流と長崎の街の人々の面影をみる。
    4コマならぬ3コマ漫画。
    それは著者の母と息子の関係とはまた一味違ったものだった。老いで身体が思うように動かなくなりつつある姿をゲームコントローラーで動かすロボットに例えたりと、コミカルさは少年らしい視点。
    みつえさんの中でまーくんは、小学生くらいのままだった。祖父母と孫の関係というものは、そういったものなのだろう。
    成人したまさきさんの顔は四コマの欄外にあり、またみつえさんは認知症が進み、夢うつつの中にいる状態が多かったためか……
    描かれたケアマネージャーさんの、みつえさんが正面から顔を捉えられる姿勢をとっている姿に『ユマニチュード入門』( https://booklog.jp/item/1/4260020285 )、『家族のためのユマニチュード』( https://booklog.jp/item/16/29287936 )を思い出す。

    みつえさんが認知症を発症する前、認知症になって老人ホームに入っている友人のお見舞いに同行するまーくん。
    そのみつえさんが、同じく老人ホームに入っている。
    老いの中で「今」が次第に失われ、過去と現在が去来し、過去(戦時中)の強い思いが残る。世代的にもどうしても戦時下の記憶が、亡霊のように出てくる。不本意に目の前で失われた、身近な人たちの姿……

    ランターン・フェスティバルは春節を祝うものだが、盂蘭盆を想起させ、幻想的な雰囲気に、死者の魂に失われた記憶や想いが再び戻ってくるようだった。

  • 胡蝶の夢のような読後感。みつえばあちゃんの夢であったとしても、幸せな夢ならそれでいい。

  • 孫目線でじいちゃんばあちゃんを見たエッセイ漫画。歳をとって辛かった記憶をポロポロ落としていくのも悪いもんじゃないかもしれない。と思えるシリーズ。このシリーズは全部保存版。優しい気持ちになれる。

  • 「ペコロスの母に会いに行く」「ペコロスの母の玉手箱」に続くみつえさんの三冊目。
     今回は孫のまーくんとのお話。
     母と子の関係ではないので、前二作よりも感情移入がしづらくなったのは少し残念。
     それでも、最後には泣かされる。
     歳を取るということは、一体どういうことなのか。
     生きるということは、一体どういうことなのか。
     人間とは、人と人の繋がりとは、一体どういうことなのか。
     僕の父も今、認知症と戦っている。

  • なんだかファンタジーな感じさえする まーくんとみつえばあちゃんとのお話

  • ペコロスの母みつえさんと、孫のまーくんとの大切な時間。
    夢と現実とを行ったり来たりしているみつえさんの記憶。じいちゃん、まーくん、お友だちのみどりさん、まーくんの好きなちーこちゃん。
    お父さんのペコロスはあまり出てこなかったけど、こんまか頃のまーくんの目線で描かれた話が、懐かしくて嬉しくて時々泣けてくる。

  • ばあちゃんの話は現実と夢が交互に行き交う。
    まるで時空を旅する絵本のようだ。

    「老いは失うばかりではなく、得るものもまた多い」と、
    人生の先輩に気づかされる。

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著者プロフィール

漫画家、シンガーソングライター。1950年長崎市生まれ。高校卒業後に上京、出版社に勤務。40歳で長崎にUターンし、息子と老いた両親と同居を始める。
父さとるさん亡き後、「ぼけ」が始まった母みつえさんとの日々を、長崎のタウン誌に描き始める。自費出版した漫画が話題を集め、 2012年に『ペコロスの母に会いに行く』(西日本新聞社)を刊行。第42回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞し、25万部超のベストセラーとなった。
同名でドラマ化(NHK-BS)され、2013年秋に映画化される。映画は2013年の第87回キネマ旬報ベスト・テンで、日本映画ベスト・ワンを獲得。『みつえばあちゃんとボク』(西日本新聞社)のほか、『ペコロスの母の玉手箱』『ペコロスのいつか母ちゃんにありがとう 介護げなげな話』など著書多数。
2019年にKADOKAWAから文庫化され、同年5月からNBCテレビ(長崎放送)でアニメが放送開始予定。

「2019年 『続・ペコロスの母に会いに行く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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