保守事故: ヒュ-マンエラ-の未然防止のマネジメント

  • 日科技連出版社
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本棚登録 : 31
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784817191519

作品紹介・あらすじ

本書は、保守エラーが引き起こす事故を、ヒューマンファクターの観点から未然に防ぐエラーマネジメントの原則や手法を解説しています。エラーを犯す人間を変えることは難しいですが、仕事のやり方や作業環境を変えることで、事故を減らすことができます。本書にはどのようにマネジメントしていけば、ヒューマンエラーのリスクを低減できるかが示されています。

感想・レビュー・書評

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  • 絶対の安全、100%正しいなんてないなぁ。
    同じ事例が何度も起こるのはやり方があまり良くない、つくりあげた環境やルールに問題があるのに誰かのせいにすることが多いとちょくちょく感じていたが、より強くそう思うようになりました。
    潜在的要因という言葉があったが、現在の社会の大部分が資本主義の上に成り立ってる以上、そう簡単にはなくならない根深い問題だと思ってます。
    身近なものにも活かせる話であり、蚊の対処やコピーの最後など例えはとてもわかりやすかった。

    選択肢があるほどミスは起こりやすくなる。
    それはやり方もそうだし、指令系統や情報の集約場所も。

    自動車運転の暗黙の了解ルールなんてまさに裏手帳じゃないか。
    教習所で習ったことやったら、それやる人いたら皆嫌がるよって言われてはぁ?ってなった。

    承認の仕組みはあっても、本当に中をしっかりチェックしていないことって多い気がする。確認取ってと言うわりに、毎回確認してるとめんどくさがられる。

    シャドーボード(shadow board)という名前は日本ではマイナーなのかな?
    存在はあるけど日本で呼ばれる名前が特に出てこず、ミルクボーイ状態。

    目の前の作業を終わらせることに意識が集中しがちで、俯瞰で全体の手綱を握る人や精度チェックの重要性の認知など長期的・広範的な理解が必要そう。

    監督者が自分でやりたがるのやっぱりよくないよなぁ。それでよく危ない場面や事故あったもんなぁ。自分の力を過信していて、人に任せられず、育てられないうえに事故る。

    中断された作業のメモは本にしおりを挟むようなものだな。あるある。

    喫煙の社会的コストはじわじわさせただけの処罰では?

    私は正義という言葉が怖いと感じてしまう。この本の言う正義の文化が浸透したらいいんですけどね。
    許容範囲の境界線は9:1とあったが、現代もまさにそうだと思うけど、大小多くの場面で9なのに正しくないと断罪されてしまうことがある。
    意識としての善悪は使いようで、手順としての正誤とはまったく別物であって、安直な正義の文化が様々な事態を生み出しているのを忘れてはいけない。

    翻訳者の差かな…たまに「なんか読みにくくなったな」と感じることがありました。めっちゃ中高の授業の訳文みたいになる。
    Conspiciousとか運行とか、ならないないとか誤字もちらほら。

  • 疲れた人間はより懸命に働く。間がなくなり、動作の節約が始まる。

  • 主に航空機のメンテナンスにおけるヒューマンエラーを事例に含む。翻訳が美しくなくて、読みづらいのが難点か。

  • 安全文化と、教育と改善が重要であることがわかる。最後の章の最後の節に重要な記述がある。
    マイケルクライトンの著作、ライジング サンの中で、
    「米国人はいつも、飛躍的な変化、大いなる前進を求めている。米国人はホームラン(場外ホームラン)を打とうとして、そして手を引く。日本人は、シングルヒットを1日中打ち続け、そして決して手を引かない。」
    重要な概念提示ではないだろうか。

  • 前著の「組織事故」は経営哲学みたいなところが多く抽象的でもどかしいような感じがあったが、本書は、やや具体的にエラーの原因を説明しており実践的。要は、個別現場・作業ベースの対策もあるのだが、マネジメントというからにはより上位のレベルで、文化・風土を根付かせていくしかない、というもの。

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