ソフトウェア品質保証入門: 高品質を実現する考え方とマネジメントの要点
- 日科技連出版社 (2008年5月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784817192639
作品紹介・あらすじ
本書は、「組織としてソフトウェアの品質保証をどのように確保すれば良いのか」という課題に、"初めて"品質保証を担当する方々にもわかるように、基礎的な知識からていねいに解説。今後、ますます激化するグローバルな競争の中で生き残るために「何を」、「どうすべきか」についても解説する。さらに、品質を確保するために役立つ、ツール、手法、指標、メトリックスなどについて例をあげながら紹介し、エンタープライズ系、組込み系、リアルタイム系という枠にとらわれずに、高品質なソフトウェアを開発するためのエッセンスを凝縮。
感想・レビュー・書評
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ソフトウェア品質技術者初級試験対策として、読んだ。
試験対策に関する役立ち度は、以下を参照されたい。
http://blog.livedoor.jp/sakamoto_yoshitaka/archives/51426715.html
保田先生の書籍は、以前から読んでいたし、奈良さんはJASPICでご一緒していたので直接の面識があった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第1章ではソフトウェアの品質・品質保証について書かれており、ソフトウェア品質の考え方をモデル化した説明、ソフトウェアの4つ(あるいは5つ)の特質、欧米と日本の品質の考え方の違いなどが丁寧に解説されている。不良低減のための方針を表した図は、なるほど、と自明ではあるものの「作り込み不良低減」「不良の早期摘出」という2つのベクトルがとても印象的。
第2章では品質保証部門ではなく開発部門の視点に立ち、前述の「作り込み不良低減」の努力について解説している。DR(デザインレビュー)については問題点があげられており、限られた時間で、できるだけメンバーに多くの指摘をしてもらう、DR終了後の徹底的なフォローが必要、といった指摘があった。自身のレビューを振り返るいいネタになりそうだ。
第3章は出荷後の品質保証活動について、第4章ではいわゆる静的・動的テストに関するテスト戦略・技法などについて網羅的に解説されている。ここでは技法紹介に加えて、「評価」についても言及されている。「測る」ことの重要性を再認識させられる。
第5章、第6章では人材育成・求められる品質保証というテーマが、より広域的な視野で語られ、本書は締めくくられている。 -
タイトル通りの本。ページ数もそこまでないのによくまとまっています。文書が堅苦しくないのも嬉しい。
私は品質の仕事に就いていますが、手慣れや経験で進めていることが多いため入門とはいえ、全体感の把握や自分に足りていない箇所のキーワードを拾えたのが特に有意義でした。既にやるべき事がわかっており、この分野を深掘りたいなどの場合本書は適さないと思います。 -
・テストに限らず品質保証をあつかっている稀有な本
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http://matome.naver.jp/m/odai/2129350447822195201
パレートの法則
何度か出てきたbuzz word -
1995年に出版された『ソフトウェア品質保証の考え方と実際』という品質保証を仕事にしている人なら必読の本が、重要な部分が絞り込まれ、初心者にも読みやすく全面的に書き直されていました。
前著を何度も読んだ私にとっては、重複が多かったり、知りたいところについては(探針とか)さらにサマライズされていたりするのでちょっと不満なところもあるのですが、辞書的な本を通読できる本にしたという意義は大きいですし、もし、前著を読んでいない(ソフトウェア関係の)人がいたら是非読んでいただきたいと思います。