その時は家で: 開業ナ-スがゆく

著者 :
  • 日本看護協会出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784818008984

感想・レビュー・書評

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  • ホスピスとか在宅看護とか、イメージがよくつかめなかったけれども、この本を読んで、なんとなくわかった。
    著者は日本の開業ナースの先駆者として、在宅での看取りに取り組む村松静子氏。

    本書は著者の在宅看護師としての経験を振り返って、その理念と技術をコンパクトにまとめたもの。
    そんな派手な内容はないけれでも、なかなか得がたい本。ジワジワくるものがあります。

    ここ取りあげられている個々の事例を読むと、看護師というのは、とても大変な仕事だと思う。1人1人での在宅での死に立ち会っているのだが、とても大変で、しかし、やはり崇高な職業である。

    著者の若い頃のエピソードとして、
    その後生まれ育った故郷に戻った私は、秋田県立脳血管研究センターの開設当初のナースとして勤務しました。「このニワトリ!」 手術後の包帯交換時、手が震えてすばやくガーゼが渡せない私に向かって、医師が発した言葉です。悔しかった私は、それからの二年間、夜昼なく、必死に一つ一つの技術を磨くことに専念しました。
    (p224)

    ひええ。場面を、想像しただけでめまいがしそうになる。先生もすごいが、やっぱり看護師さんというのはすごいや。わたしにはとてもできません。

    前書きは永六輔氏。
    私はこの人のことがなんとなく嫌いなのだが、この前書きはとてもすばらしい。これを読めただけでもこの本を買った価値があったと思う。
    永氏は奥さんが亡くなる前に自宅に引き取り、著者のチームから在宅看護を受けたということのようだ。
    看護師がどうあるべきかということを述べているわけだが、厳しくて暖かい言葉。
    看護師の人たちはこの文章を読んでどう思うのだろうか。
    皆、そうだそうだと思ってくれれば、われわれが将来お世話になるとき、なんの心配も要らないわけですが。

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著者プロフィール

1947年、秋田県生まれ。在宅看護研究センターLLP代表。日本赤十字九州国際看護大学客員教授。
筑波大学大学院教育研究科修士課程カウンセリング先専攻終了。日本赤十字社医療センターICU初代看護師長を経て、83年からボランティア訪問看護の活動を開始。86年、在宅看護研究センターを興す。92年、日本在宅看護システム株式会社設立。
2011年、「開業ナース」としての活動が認められ、赤十字国際委員会が顕著な功績を上げた看護師に授与する「フローレンス・ナイチンゲール記章」を受賞。
著書として、『めざせ!開業ナース 地域での起業25の実際』(日本看護協会出版会)、『家族を家で看取る本』(主婦の友社)、『自分の家で死にたい』(海竜社)などがある。

「2018年 『「自主逝」のすすめ あなたの最期はあなたが決める』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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