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- Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
- / ISBN・EAN: 9784818809765
作品紹介・あらすじ
いかなるラディカル・デモクラシーか!経済に矮小化された政治的なるものの価値を問い、自由民主主義の新しい組み替えを主張する。
感想・レビュー・書評
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ラディカル・デモクラシーの第一人者が、経済学や公共政策に乗っ取られた「政治」あるいは「政治学」の復興を掲げた書。相容れない他者との不断の対話が敵対関係に陥らないようにすることに、政治の現代的・本質的意味を見出したことで知られる。
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共通善があるとして、そうした共通善を目指して市民は活動するという共同体論者と、ひとつではなく様々な価値が見出せるとする自由主義論者の論争をそれぞれに批判している。現代民主主義社会においては、共通善は一つだけということはない。他方で、個人主義を土台とする自由主義では、多元主義を標ぼうすることで、「政治的なもの」がなくなってしまっている。ムフはシュミットの友敵関係をひいて、そうしたものを政治であるととらえているため、共同体論者の議論も、自由主義論者の議論も不十分であるとしている。
彼女の批判はよくわかったが、本著においては、最終的にどうすればいいのか、という解決策が明確に提示されていないという点が気になる。
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