谷川雁セレクション〈1〉工作者の論理と背理

著者 :
制作 : 岩崎 稔  米谷 匡史 
  • 日本経済評論社
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784818820005

作品紹介・あらすじ

「瞬間の王」は死んだの名句を残して詩作から離れた谷川雁の刊行された全詩集を収録。左翼運動のさなか自ら「工作者」として、民衆のサークル運動に力を注ぎ、思想の「自立」に賭けた革命詩人の軌跡を辿る。

感想・レビュー・書評

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  • 戦後現代日本の最も優れた重要な思想家である谷川雁の新装・新編集・新構成の本です。

    ともすれば旬の過ぎた、もう何の魅力もないみたいに、忘れ去られてしまいがちですが、西洋輸入じゃない地に足の着いた、自前の思想と独自の方法論を編み出した、稀有な煽動家でもあり行動家でもありました。

    1995年に亡くなったあと、翌年すぐに河出書房新社から『谷川雁の仕事1・2』が出ましたが、これは全集ではなく未刊行著作集というもので、それにしてもすでに14年経とうとしています。新しい読者にとっては、とても重宝する刊行だと思います。

    このたびの発行元が、彼の立場性からは、どうも少ししっくり来ないなどとは、けっして口にするまいと思います。あっ、言っちゃった、ご免なさい、冗談です。
    谷川雁をけっして忘れ去られた過去の人にするべきではないと思われ、また、今こそ彼の再評価をする時だと喝破され目論まれた方がいらっしゃる出版社だ、という認識に変わりました。

    私などは、例によって古本屋漁りをして、『戦闘への招待』と『工作者宣言』は再販された現代思潮社の1969年版を、『原点が存在する』は、あっ、これも再販の1976年版の、これは潮出版社刊行のもの、そして『影の越境をめぐって』は1977年の再々販の潮出版社発行の本を、それぞれまったく別の場所で見つけて手に入れました。

    いっとう最初は詩人としての彼と出会ったのですが、それはもう衝撃的でした。それこそ、天と地が引っくり返ったように、ぶっ飛びました。

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