イメージと読みの将棋観

著者 :
  • マイナビ出版(日本将棋連盟)
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784819702522

感想・レビュー・書評

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  • 私は将棋がさほどうまくないが、それでも十分に面白い。各トップ棋士の考えや結論の違いを読むだけでも面白い。
    また、「幕間」とあるコラム系の話は、将棋初心者でも十分楽しめると思う。最後の座談会は2人の永世名人の正直な意見が読めて面白く、また考えさせられる。

  • 羽生、谷川、渡辺、佐藤康光、森内、藤井
    現代のトップ棋士6人の将棋観がかいてある

    最新の序盤戦術、未解明の定跡、
    升田、大山、中原、米長といった歴代の強豪の将棋に対し
    トップ棋士がどのような見解を持つのか

    読みや大局観などの将棋の勉強にもなるが、
    読み物としても面白い。

  • プロ棋士たちの読みを取り上げるのは「読みの技法(島朗著)」と似ているが、テーマは過去の実戦例が多いですね。個人的には渡辺・佐藤康両氏のコメントが楽しめました。

  • 将棋本としては抜群に面白い。
    トッププロ6人に指しかけの局面をみせて、先後の優劣や、将棋観を問うという内容だが、当然ながら個々人が形勢判断や好みなどが異なる。その差が一目瞭然で読めるのが、本書最大の醍醐味。

    部分的・専門的な難解な解説を読み飛ばしても、それぞれの考え方、局面の考え方が透けて見えてくる。それが読んでて楽しい。

  • 本書は序盤、中盤、終盤の様々な局面を提示し、トッププロ棋士6名(谷川17世名人、森内18世名人、羽生19世名人、佐藤永世棋聖、藤井九段、渡辺九段)にそれぞれの指定局面をどう判断分析するかの考え方を披露してもい、読者はそれぞれの考え方の違いを鑑賞できる仕組みの書である。その他、巻末には谷川17世名人と羽生19世名人の対談も収録されている。さらに、幕間テーマ(指定局面をテーマとしているわけではない)として、「勝負手」や「読み」等興味深いテーマについても取り扱われている。

    将棋本には珍しく、定跡、詰め将棋、手筋集のような勉強する観点からの本ではなく、あくまでも読み物として楽しめるつくりになっているので、将棋ファンなら棋力に関係なく楽しめるであろう。

    序盤を扱ったテーマ図には、主に初心者~アマ初段くらいの方々は一度は虜になりそうな奇襲戦法の出だしを扱った指定局面もあるので興味深く読めるのではないだろうか。例えば、鬼殺し戦法(奇襲する側が3三桂馬と跳ねた局面図)も取り扱われている。これは正直なところ受ける側が4八金直で受けきれており、無理攻めであるとするのが通説(少なくとも通説を覆す手順は個人的にも見つけられない)。であるが、各棋士の判断もおおよそ「やられたら負ける気がしない」というのが一致した見解として示されている。

    しかし! ここで終わっては、夢がない。実はプロ棋士で、鬼殺し戦法を採用した実例があるのである。戦型は、鬼殺しヒネリ飛車のような展開であったようであるが、それを実行したのは神吉宏光六段である。さすが、エンターテイナーの神吉先生と改めて思った次第。彼は、プロ棋士中でも、魅せる将棋(観戦者視点)を意識しておられる異色の棋士である。

    テーマは変わるが、同じく序盤のテーマ図の一つ。いきなり手損角交換から4五角(筋違い角から1歩を頂く作戦)を打った局面も登場する。この局面に対する各棋士の見解は、やはり1手損を重く見て否定的な見解が並ぶが詳細は本書に譲ることとしよう。

    この1手損筋違い角戦法に対して、個人的な見解を多少述べてみよう。自分から実行することはまず無いのであるが、やられることは嫌いではない。何しろ、手損せずに筋違い角作戦を実行できるから(笑)。相筋違い角から歩損も回避(同様に取るから)し、あとは後手が先手に入れ替わった利を生かして、基本的には駒組勝ちを目指す要領で勝率は余裕で5割以上になる(アマなので最終的には棋力がプロ以上にかなり影響すると思われるが、同じ位の棋力を想定しての勝率)と思っているのである。

    さらに、序盤に関するテーマには後手番早石田や、相掛かりの出だしから、5手目いきなり一直線に2四歩と仕掛けていくのはどうなのか?等、振り飛車党にも居飛車党にも興味深いテーマがある。

    最後になるが、終盤のテーマ図には主に過去の名局の終盤が多数登場する。江戸時代の古棋譜から、升田先生vs木村先生のゴミハエ論争のときの対局の終盤等いろいろである。語りだすと、どの局面に対しても話が尽きなくなるが、将棋ファンなら一度手に取って読んでみてはいかがだろうか。

  • 09/03/28読了 トッププロそれぞれの将棋観が分かる。それにしてもやはり読みの深さに感心させられる。

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