逆転の競争戦略[第4版]

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  • 生産性出版
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784820120278

作品紹介・あらすじ

リーダー企業の「資産」を「負債」にする戦略を公開!ケースから読む「リーダー企業」の共通点。

感想・レビュー・書評

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  • 最新が2014年版ですので仕方ありませんが、今、不正融資で世間を騒がせているスルガ銀行が優良企業として紹介されていますので、至急版替えした方がいいですね。

    とはいえ、競争戦略について非常にコンパクトにまとめられており、良書だと思います。

    例えば、

    日本の携帯電話は電電公社が自動車電話として発売した1979年で(ショルダーフォン)、その後、小型化のドミナントが1991年のNECのMOVAシリーズ(折り畳み式)でNECは2000年代前半まで20%のシェアをもっていたため、逆に2007年のiPhoneの代表されるスマホ対応が遅れ最終的には2013年にスマホ市場から全面撤退した。(P66)

    クラウドソーシング企業オーデスクの紹介(P160)、感情価値の転換というネガティブなイメージを払しょくする方法論(P162)、チャレンジャー企業の研究事例の紹介(P184~187)、リーダー企業が追随しにくい戦略一覧(P199、スルガ銀行はここで紹介されています)、他社のクーポンや割引を自社でも利用できるという仁義なきサービス(P218)などもわかりやすく紹介されています。

    また、シェアを独占しすぎると、独禁法の問題に悩まされることもさることながら、「おいしくない顧客」(クレーマーなどの面倒くさい客)をすべて抱え込まなければならなくなるという指摘も慧眼です。(P183)

  • 『逆転』とはニ位企業が一位企業を逆転するという意味と、一位企業の強みを弱みにするという発想の逆転。

    一位企業はむしろ常に逆転されるリスキーなポジションであり、競争優位の源泉から転落がはじまることも。

    そこを狙うチャレンジャー企業ってのはやりがいありそう。
    逆転した時は痛快だろうなw

    模倣困難性の重要さも実感。

  • 「業界破壊者、侵入者、挑戦者」、「現在の顧客ニーズを聞き過ぎるため、リーダーが転落する」、「企業が想定する競争相手とユーザーが考えている競争相手が一致しない」、「1/4インチのドリルが売れたのは、人々が1/4インチ・ドリルを欲したからではなく、1/4インチの穴を欲したからである」、「より上位の機能で攻撃」、「素人と呼ばれるのは光栄だ。それはより消費者に近い位置にいることの証と言えるから。」、「顧客(C)、機能(F)、技術(T)」、「コスト・リーダーシップ、差別化、集中」、「周辺需要拡大、同質化政策、非価格対応」、「Will & Can not、Can & Will not」、「企業資産の負債化、市場資産の負債化、論理の自縛化、事業の共喰化」

  • 月島図書館

  • 本書は、資本力や規模に劣る企業がリーダー企業を逆転するに至ったケースを紹介する本。業界自体は温存するパターン(侵入者の戦略、挑戦者の戦略)と、業界自体を破壊するパターン(破壊者の戦略)がある。
    【インサイト】
    「資産の負債化」→挑戦者の戦略のひとつ。首位企業が反撃しようとすると、これまで築き上げた首位企業としての強みを自分自身で破壊してしまうようにしむける戦略。例えば、モスバーガーの受注生産戦略をマクドナルドが真似しようとすると、「とにかく早い」というマクドナルドのイメージと速さのために組まれた経営システムそのものを自分で破壊してしまう。

    「上位機能による攻撃」既存のリーダー企業より高次の機能を影響すると、これまでリーダー企業が提供していた機能は存在理由がなくなってしまう。CDが普及すると、レコードの針が不要になってしまった構図。

    侵入者の戦略→バリューチェーンの中においては、川下に行くほど業界構造を得やすくなるので、川下側企業がより上流に侵入することが多い。侵入者の戦略としては、もといた業界のノウハウを侵入業界に転用することで、C(価値)F(機能)T(技術)のいずれかをずらしてしまうことが有効。たとえばgoogleは、有料でソフトを販売するマイクロソフトに対して、googledogsやgooglespredsheetなどの類似機能を無料で配布し広告で収益化することによって攻撃をしかけている。

  • 業界2位以下の企業が1位企業に勝つためのリーダー企業の強みを弱点に変える逆転の戦略について、しるされた本。事例が複数紹介されており参考になる。
    フレームワークは5Fなどで分析できるものも多いが、参考図書としては良好。
    <メモ>
    ・リーダー企業の弱みを突くのではなく、リーダー企業の強みを弱みに転化する。
    ・リーダーが転落しやすい条件
    ①政治的変化 ②予期しない大災害 ③新技術・代替技術による攻撃 ④異端企業による攻撃 ⑤強力な2位企業の不在 ⑥リーダーが高価格戦略 ⑦新しいポジショニング、差別化、セグメンテーション ⑧リーダーが比較的小規模 ⑨2位企業の地域的拡大 ⑩リーダーがマーケティングに積極的でない ⑪リーダーが重要な戦略上の弱みを持つ ⑫リーダーの重要なチャネルを攻撃
    ・リーダー企業が追随しにくい戦略
    ①企業資産の負債化 例:モスバーガーの受注生産、ケンウッドのモデルチェンジなし、ライフネット生命の手数料内訳公開、するが銀行の他行向けローン、サウスウエスト航空の直行便、T&Gのハウスウエディング
    ②市場資産の負債化 例:アサヒ飲料の朝専用缶コーヒー、スカイマークのエコノミーのない路線、ソフトバンクのホワイトプラン、エッソの他社カードで割引
    ③論理の自縛化 例:キリンのトクホコーラ、アキレスの俊足、サントリーの生麦酒、ニッカのピュアモルト、ファンケルの無添加化粧品、J&Jの使い捨てコンタクト
    ④事業の共喰化 例:パーク24のカーシェアリング、コンビニのいれたてコーヒー、J&Jの小型はぶらし、QBハウスの1000円カット、カーブスの簡易型フィットネス
    ・自己否定組織の隔離とプラットフォーム。
    現在の主力事業を否定するような技術や事業を開発する場合には、当事者同士が顔を合わせないようにすることが必要。とくに新しい事業が主力事業より利益率が低く、新規顧客固有のニーズに応える必要がある場合、独立した組織を設置することが有効。

  • 着眼点、テーマはいいのだが視点が攻められる側のリーダーになっていて、どうやったら逆転に持ち込めるのか、は弱い。

  • WBS山田先生の著作。事例も豊富で分かりやすく、頭の体操に適した一冊です。

  • 競争戦略を紐解き、チャレンジャーとしての戦いかた、リーダーとしての守り方等、競争者の観点での振る舞いについて、具体的な事例による補足があり、興味深くわかりやすかった。

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著者プロフィール

早稲田大学教授

「2016年 『経営戦略[第3版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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