読書と読者: 読書、図書館、コミュニティについての研究成果

  • 京都大学図書館情報学研究会
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  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784820409120

感想・レビュー・書評

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  • 著者のもくろみ通り、子どもに本を読ませたいと考える親にも役立つ示唆に富んでいると思う。
    『読書は楽しい』というメッセージを子どもに送るか、『読書は勉強』という感覚をまき散らすかが、子どもが読み手として成長できるかを左右する、という指摘は本当に耳が痛い所だし。
    「子どもが3歳になるころには、専門職家庭と福祉家庭の子供が聴く語数に、すでに3千万語の差があった。」と言われては、時間よ戻れ!と叫びたくなる気分だ。

    また「読書の歴史は2分法」という指摘も、今更ながら納得した。耳で聞くか目で読むか、精読するか多読するか、逃避を求めるか学びを求めるか、孤独に読むか仲間が欲しいか、フィクションかノンフィクションか、紙面かデジタルソースか、等など。
    どちらが正解というのではなく、他の誰かが求める読書の形は自分とは全く違うかもしれないという事を肝に銘じておかないと、本を薦めようとした時に逆効果にもなりうると知っておく事が大切だと感じた。

  • タイトルの通り、「読書と読者」に関する研究成果が集められている本。人生において、読者は読書体験から何を得ていくか、主に図書館の活動に触れて語られる。メインの小論以外にも、軽く読めるコラムも豊富である。

    【図書館1階開架 019/ROS】

  • 読書に関する調査についてまとめた論文集。先行研究の紹介や文献案内も豊富で、示唆に富む。自分の読書について振り返ると面白い。アメリカの事例が殆どだが、日本にも当てはまるものが多い。というかむしろ、国は違っても本読みのやってること・考えてることには大差がない。共感できます。
    書物の歴史を振り返ると、その大衆化によって読書という行為の質も変化してきたことがわかる。ここにおいて書物や読書の再定義が必要になっていると思う。書店や図書館も、本を十把ひとからげに扱うことはやめなくてはいけないのかも。しかし本に優劣をつけるのはまた違うしなあ…。難しいなあ。

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