牧野富太郎―牧野富太郎自叙伝 (人間の記録)

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  • 日本図書センター
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784820542438

感想・レビュー・書評

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  • 「牧野日本植物図鑑」、コロナブックスで豊富な写真をみたあと、いよいよ自伝を読みました。いやー~~ これはやっぱり天才というんですか、百年に一度の逸材、植物の権化ですか。

    その感を強く感じたのは関東大震災についての「大震災」という文。渋谷の自宅にいて、元来天変地異に非常な興味をもっていたのだが、揺れがひどくなって庭に飛び出し、家にいた妻子はものすごい揺れだったといい、その揺れを体感できなかったのが残念でたまらない。・・もう一度生きて居る中にああいう地震に遇えないものかと思っている。というんです。その時「植物研究雑誌」第三巻第一号を全部焼いてしまった、とありますが。こういう文を書いてしまう、というあっけらかんとした気質、びっくりしました。・・だから朝ドラも「らんまん」なんでしょうか。

    牧野氏はとても丈夫な人だったようですが、写真をみると小柄で華奢で、ちょっとキタキツネを思い浮かべてしまいました。

    第一部「自叙伝」、第二部「混交録」、とありいろいろなエピソードの集積。出典はでていないですがいろいろなところに書いた短文を集積して本にしたように思います。なので同じことが何度も書かれています。でもおさらいの感じでよく頭にはいりました。震災のことは「混交録」にはもっとダイレクトな題で『もう一度大震災に逢いたい』として似たような文が載っています。

    さらに娘さんの牧野鶴代さんの「父の素顔」が第三部として載っています。家では人をおもしろがらせた、元来がユーモアがある人だった、とあります。コロナブックスの写真でも木の間から笑っている写真がありました。

    底本は「牧野富太郎自叙伝」(1956年、長嶋書房)

    朝ドラで番頭で志尊淳が出て来てから俄然興味が湧いたのですが、ウィキで検索すると、「最初の妻と離婚」と出てくる。ところがコロナブックス、この自伝の巻末年表にはそれはまったくでてこない。でまた検索すると、斎藤美奈子氏の文が出てきた。
    「世の中ラボ 牧野富太郎の二人の妻をめぐって」
    (PR誌ちくま 2023.2月号)
    https://www.webchikuma.jp/articles/-/3027
    「ボタニカ」朝井まかて著 「牧野富太郎自叙伝」講談社学術文庫 「草を褥に 小説牧野富太郎」大原富枝著 この3冊の読み比べです。

    この自叙伝では斎藤氏の文にもあるとおり「酒屋に生る」の文で 私が26歳になった時、明治20年に祖母が亡くなったので私は全くの一人になっってしまったが、・・”従妹が一人いたので、これも家事手伝いを続けていた”と確かに出てきました。

    1997.2.25第1刷 2002.11.25第3刷 図書館

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99352625

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著者プロフィール

1862年(文久2年)土佐国佐川村(現、高知県高岡郡佐川町)の裕福な商家と酒造業を営む家に生まれる。三歳で父を、五歳で母を失い、祖母に育てられる。幼少時から植物に強い関心を示し、小学校を2年で中退、好きな植物採取に熱中する。19歳の時、初めて上京し博覧会を見る一方、書籍や顕微鏡を購入する。22歳の時(明治17年)に再び上京し、帝国大学理科大学(現、東京大学理学部)植物学教室に出入りし、文献・資料等の使用を許可される。自ら創刊に関わった「植物学雑誌」に新種ヤマトグサを発表し、日本人として初めて新種に学名をつける。94年間の生涯で収集した標本は40万枚に及び、新種を初め1500種以上の植物に命名し、「日本植物分類学の父」と呼ばれる。

「2023年 『オリジナル普及版 牧野日本植物圖説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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