これからのリーダーシップ 基本・最新理論から実践事例まで

  • 日本能率協会マネジメントセンター
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784820727842

作品紹介・あらすじ

「リーダーシップ」という言葉を聞いて、真っ先に思い浮かぶ人物は誰でしょうか。アメリカ公民権運動の指導者であるキング牧師、非暴力でインド独立を導いたマハトマ・ガンジー・・・、それともAKB48の総監督を務めあげた高橋みなみさん、でしょうか?

時代によりリーダーの代名詞は変わりますが、洋の東西を問わず、人々を率いるリーダーのあり方は関心を持たれ続けてきました。本書は、「最も研究されているけれども、最も解明が進んでいない領域(Bennis & Nanus, 1985)」ともいわれるリーダーシップ論に関し、これまでの研究の転換点、最新の研究潮流と合わせて、リーダーシップの発揮・教育に向けた具体的な実践方法について紹介していきます。

本書は、具体的には以下の方々のために書かれた本です。
・組織の管理職
・管理職を選抜・育成する立場にある人事・教育担当者
・リーダーとして、リーダーシップを発揮する立場にある人
・ 公式の役割は担っていないが、目的の実現に向けて、リーダーシップの発揮を目指す人
・リーダーシップ理論についての初学者

感想・レビュー・書評

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  • 講師を担当する研修プログラムの資料用に読んだ本。本書のタイトルは「これからのリーダーシップ 基本・最新理論から実践事例まで」。本書の中身を表しているのは副題の方です。

    様々なリーダーシップ研究、理論のそれぞれの特徴や研究の発展の流れを一気に掴むことができます。

    本書で紹介、解説されているリーダーシップ理論を列挙すると、

    ・特性理論
    ・行動理論
    ・状況適合理論
    ・交換理論
    ・変革型リーダーシップ理論
    ・リーダーシップ開発論
    ・シェアド・リーダーシップ
    ・コレクティブ・ジーニアス
    ・DACフレームワーク
    ・サーバント・リーダーシップ
    ・オーセンティックリーダーシップ
    ・インフォーマルリーダーシップ

    など。特性理論の中にも代表的な研究者の論文や主張が紹介されており、網羅性はそれなりに高いように感じます。基本を一気にさらうという意味では十分な本です。

    また、単に理論を羅列するだけでなく、なぜ特性理論から行動理論へ、そして状況適合理論へという形で研究の視点が移り変わっていったのかについて当時の社会状況を踏まえながら解説しているためストーリーとして理解しやすい工夫がなされている点も高評価です。
    (例えば特性理論から行動理論への移り変わりは、共通の特性が見いだせないという特性理論自体の挫折に加えて1940年代から1960年代にかけての世界的な戦後復興期にあって産業界は非常に多くのリーダーを必要としており、特性を兼ね備えた人材を探し出すだけでは足りず、望ましい行動を明らかにすることで需要を満たしていく必要があった、など)

    また、実践編となる第3章ではリーダーシップ開発・リーダーシップ教育についての研究成果が紹介されています。「知識・スキル型」と「経験学習型」のそれぞれの特徴を解説しつつ主には「経験学習型」アプローチのプログラム設計や評価についてわかりやすくまとまっており、自身の研修プログラムにリーダーシップ論を取り入れたかった私としては一番参考になる部分でした。評価の観点では受講者本人の主体的評価が中心であり、第三者評価の方法論についてはまだまだ研究途上であることも分かったが、リーダーシップは人それぞれ環境それぞれであることについての共通認識を丁寧に作りながら進めることが肝要なのだと感じます。

    最後に事例紹介となる第4章は少し物足りなさを感じました。1〜3章のどの理論や視点がどのように活かされているかについて簡単でも良いので解説が付け加えられていると良かったのですが、その点については「振り返りながら読んでみましょう」と読者に丸投げでした。教育的な観点からの丸投げというよりは事例が取ってつけたものに感じてしまい(それぞれの事例はそれなりに面白いのですが)少しもったいないと感じる部分でした。

    それでも全体的には十分に良書です。リーダーシップ論について概観したい方にオススメできるのはもちろんのこと、自組織でリーダーシップ教育・開発やリーダー育成に関わる立場にある方にもオススメできます。

  • リーダーシップ論の変遷や、近年のリーダーシップ論を広く把握するのに最適な一冊です。

    ここから気になる理論の原典に手を伸ばして深掘りすると良さそうです!

    日向野教授の「権限がなくても発揮できるリーダーシップ」「リーダーシップ最小3要素」が印象的でした。

  • シェアド・リーダーシップ」という考え方を知って、おもしろそうと思って手にしてみた本。読みながら自分の「リーダーシップ観」が旧かったことがわかったので、この際アップデートしておくことに。第3章 リーダーシップ教育の実践 が示唆に富む。

  • リーダーシップを体系的に学ぶのにはとても良い

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著者プロフィール

舘野泰一(たての よしかず) .................編著者
すべての人がリーダーシップを発揮できる
立教大学経営学部助教。青山学院大学文学部卒。東京大学大学院学際情報学府修士課程・博士課程修了。大学と企業を架橋した人材育成に関する研究をおこなっている。著書に『アクティブトランジション 働くためのウォーミングアップ(舘野泰一・中原淳編)』(三省堂)等がある。

「2018年 『リーダーシップ教育のフロンティア【実践編】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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