曽根富美子傑作選 家族再生~心理療法の現場から (ぶんか社コミック文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784821171408

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  • これは、家族療法の話である。
    家族療法とは、例えば家族の中のある個人が心の病気になった時、そのことに対して家族全員が「この子が病気なら家族である自分も病んでいるのだ。
    この子が心の病気になった原因は家族にあるという見方」「家族の目には見えない悪循環の歪みが家族のある個人に現れているという見方」「その個人は症状を出すことによって何かを表現しているという見方」そして家族内の因果関係から生じる悪循環を断ち切る対処療法、家という場を直すことが家族療法である。
    心因性の失神発作、家庭内暴力、やせ症、摂食障害、醜貌恐怖症に苦しむ患者に対して、家庭内での状態を診るために家族という題で絵を描く家族画や家族内での緊張状態を舞台のように再現することによって緊張状態を客観的に診る面接療法など、それぞれどのように家族療法を行うか具体的に緻密に描いているので、家族療法の入門書としても最適な漫画です。

  • この漫画は主に「家族療法」のアプローチを描いている
    いろんな事例が書いてある

    家族療法では心の問題 病気になった人を個人としての問題とは
    みなさない

    互いに影響を与え合う中で、問題を維持する原因と結果の悪循環を描いていると考えていく。
    そこで、問題を抱えた家族成員を、従来のクライエントという呼び方ではなく、家族を代表して問題を表現している人という意味で、IP(Identified Patient;患者と見なされた人)と呼ぶ

    ・・・と 家族療法の本を読んでも 実際の臨床でどんなことすんのよ?
    って感じだと思うのだ

    漫画にすることで へぇ~こういう考え方で
    こんなふうに進んで家族としてのあり方 問題にアプローチするのかと
    非常に分かりやすい

    これから家族療法に興味があって知りたい方や
    心理療法ってどんなことすんの?とか
    現代の病理(?)について 知りたい方
    自分の問題を多角的に見てみたい方にも
    最初に入る本として よいのではないかと思った

  • 家族療法の本。
    どこの家庭にでもありそうな問題が、大きくなるとこうなるんだろうな。

  • 漫画、だからこそ、リアル。家族画からわかること、家庭内暴力、拒食症、過食症、醜貌恐怖などすべてが家庭から始まるのだということ。ほんと、家庭は小さな社会、社会の基本単位なんだと思う。さらに子育てのことにも触れられてて、かなり衝撃な本。私は娘をきちんと愛せているかな。不安になった。

  • 「心理・精神」に興味を持つ方には割とオススメの1冊!!

    家族療法によって、家族の様々な問題を解決していくストーリー。現代社会で起きている様々な問題をどのように解決していくのかが分かりやすいので、読んでいると面白い。

    <内容>
    1、複雑な環境の中で起きた心身症の例
    2.過保護と放置と家庭内暴力
    3、過度のダイエットによる拒食症
    4、過食と拒食の繰り返し
    5、醜貌恐怖と家族療法
    6、手がかからない「いい子」の愛情欲求
    7、非行少女の過去と環境

    この7つの例では、それぞれ症状は異なるものの、原因はやはり家族(特に母親の関わり方)が大きいような気がする。また家族寮法の対応方法も異なっており、とても勉強にもなる自分のお気に入りの1冊」。

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