- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822200428
作品紹介・あらすじ
空き家だらけのまちを元気に!
これからの時代の「新しいまちづくり」実践の記録。
「ほしい暮らしは自分でつくる」を合言葉に著者が続けてきた、新しいまちづくりの方法。
これまでの20世紀型発想によるまちや建築ではなく、これからの日本に必要なまちと建物の使い方、そこでの働き方や暮らし方、お金のもらい方、それらを生み出す方法。
それが、「リノベーションまちづくり」です。
本書は、著者が故郷の北九州・小倉と、現在の住まいであり、東京23区内で唯一の「消滅可能性都市」とされる豊島区・雑司ヶ谷を往復しながら、仲間や市民、自治体を巻き込んで実践してきたまちづくりの記録です。
【主な内容】
CHAPTER1 ぼくの仕事はリノベーション
ぼくのルーツ――らいおん食堂と建築家へのあこがれ
社会へのまなざしと『リノベーション』という仕事
リノベーションは建物のことじゃない
CHAPTER2 まちで暮らす、まちで働く
ふるさとが『衰退』し始めた
リノベーションまちづくりの第一歩
東京の真ん中で子育て
CHAPTER3 リノベーションがまちを変える
リノベーションスクールという発明がまちを変え始めた
家守の精神を現代によみがえらせる
ほしい暮らしは自分でつくる
CHAPTER4 リノベーションまちづくりを始めよう(実践編)
この章の使い方
小倉編――仲間を集めてまちを変える
雑司が谷編――自分のまちで楽しく暮らす
ぼくらのまちを探検しよう!
CHAPTER5 リノベーションで社会の課題を解決する
都市でのこれからのリアルな暮らし
この時代に建築家として働くということ
リノベーションで次の社会をつくる
嶋田洋平本人によるあとがき
「一歩踏み出す勇気にあふれた人たち」
感想・レビュー・書評
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リノベに限らず、不動産ってそうそう!そうだよね!って改めて気付かせてくれた本。
例えば居住用住宅において、そこに住む人の暮らしがどう変わるかは考えるけれど、街がどう変わるかは考えることが少なかった。
視野を広げて考えることで同じ不動産に関わる仕事でもこれだけ影響を広げることができるということに単純に驚いた。
不動産業界で働く人には一度読んでほしい一冊です。
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まちづくり、というと大がかりに思うが、この本には「ほしい暮らし」を、行動して実現させている話もあって入り込みやすい。
住む場所と働く場所を近くにしたり、多様な働き方の実現に一役買っている(作者の会社では週に1日、子育て中のお母さんが働きに来ている)といった「こうだったらいいのに」を実現させているのがいい。
このあたりは、「丁寧な暮らし」をしている人の本に通じる気がする。
身の回りのことから始まって、それが波及していく様は読んでいて気持ちがよい。
また、まちづくりにおいても、以前から気になっていた「建物を新しく建てるのではなくあるものを作り変えて使う」ことや「空き家対策」についての実践も書かれていて、最後まで興味を持って読めた。 -
本当に面白かった。まちのことを考えたり、よくしようとしたりするにあたり、公私を行きかうような生き方も素敵だし、単に「まちなみを守りたい」というために言葉をあげるだけではなく、「実際(自分が)何ができるか」という視点は心に響いた。
「建築家」らしからぬ文体もよい(←これは「ゴーストライター」が入っているそうなのでそのためかも?!)。
新築はもう少なくなるという背景や、地方の元気がない状況にかんがみて、中心市街地やすたれた建物をリノベーションしていく様子は面白いし、それで、実際にひとびとの回遊がよみがえっていくのは快感。
読んでいて、あぁ、岐阜・柳ケ瀬でも同じようなことがおきているな(やながせ倉庫のクリエイターたちとか、サンデービルヂングマーケット)とかとも思った。
「リノベリング」の話も印象的。川のリノベをミズベリングでどう実現できるか?とか考えた。
あるいは、J.ジェイコブスの本のことも思い出した。
畳堤の保全のことについても、実際にそのための「手法」を考えなくちゃと思ったし、あるいは、おじいちゃんちも、自分たちが住みながら一部誰かに賃貸するか、とかあるいはAirbnb的にすることで収入を得るか、(そしてそのために一部リフォームなりリノベなりするか…)と思考を巡らせた。
夢の幅が広がる一冊。 -
SDGs|目標11 住み続けられる まちづくりを|
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/704431 -
学部3年次にリノベーションを意識し始めたきっかけの本。
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リノベーションを通じて、ほしい暮らしや欲しいまちをつくるための実践的な方法がたくさんつまった本だった。勇気をもらえる本だと思う。
自身の故郷やいま暮らしているまちの中心部が、空家や空き店舗で衰退していく状況を食い止めたいという社会的な意義と共に、人間関係が豊かで便利な生活環境を確保しながら働ける環境も作りたいといった率直な要望もかなえられるようなまちづくりをしたいという想いが伝わってくる。
また、筆者の実際の取り組みをベースに語っているため、具体的で現実的な知識が多く書かれていたと思う。家賃設定をもとに回収可能な額で投資額を決めるというやり方や、街の中の家賃断層を分析して割安な物件を探し出すといった方法も、実際的で分かりやすく、役に立つ情報だった。 -
小規模プロジェクトの具体例、特にマネースキームの記載があるのが素晴らしい。
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建築維持活用論[Approaches for Extending the Life of Built Environment]
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著者の活動であるリノベーションまちづくり塾については勿論、著者がその道に進んだ経緯や考え方まで分かる本。
著者の地元北九州での活動、現在住まいのある雑司ヶ谷での活動については、マネタイズの方法も含めて非常に丁寧に記述されている。
中心市街地の活性化という名目で、行政から補助金を獲得して、イベントを行うだけではない、効果的なまちづくりの方法だと思った。
木下斉さんの「稼ぐまちが地方を変える 誰も言わなかった10の鉄則 (NHK出版新書) 」と合わせて読むことで、民間主体のまちづくりの重要性がよく分かるのではないか。 -
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