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- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822247775
作品紹介・あらすじ
危機の原因をめぐる両者の論争を竹森俊平慶応義塾大学教授が解説。
感想・レビュー・書評
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金融政策について勉強したことのある人なら誰でも知っているであろう「テイラールール」の提唱者、ジョン・テイラーが、2007~2008年の米国の金融危機の原因を分析する。本書は、著者の論文や講演、議会証言をまとめたものであるが、専門的な内容が一般向けにシンプルにまとまっており非常に読みやすい。
著者が指摘する原因は以下の3つである。
①2000~2006年のFedによる(テイラールールから外れた)過剰流動性の供給
②危機発生初期の政策対応の誤り
③リーマン破綻後の当局の場当たりな対応
もっとも、個人的には、危機後の政策対応に誤りがあったのは事実であろうが、Fedがテイラールールから外れた金利誘導したことのみが住宅バブルの生成およびその後の世界的な混乱の発端だったのかは疑問に思う。
そもそも1980年代からの「大いなる安定」が金融政策の進歩によるものだったのか、それとも裏で不均衡が蓄積していたのかについても検証する必要があるだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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