- Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822250430
作品紹介・あらすじ
1961年、ガガーリンの乗ったボストーク1号に人類初の有人宇宙飛行で先を越されたアメリカは、ケネディ大統領の決断により、1960年代のうちに人類を月に送る「アポロ計画」を立てる。そのための予算は250億ドル。この膨大な金額を国民に納得させるために、史上最大のマーケティング作戦が始まった。
新聞、雑誌、ディズニーのテレビ番組、映画『2001年宇宙の旅』などを通じて、NASAは月面開発を売り込んだ。日本人も驚いたアポロ11号の月着陸テレビ中継や、大阪万博アメリカ館の「月の石」は、こうしたマーケティングの一環だったのだ。
冷戦時代の宇宙開発競争にアメリカが勝利することができたのは、ソビエト連邦にはなかった「マーケティングの力」を最大限に活用したからである。そして、宇宙開発によって新しい技術が次々と誕生したのと同様に、現代のマーケティング手法についてもアポロ計画が発端になっているものが多い。
「人類がまだ火星に到達していないのは、つまるところ、火星探索事業のマーケティングが失敗に終わったからだろう」(本文より)
マーケティング・PRの専門家であり、宇宙ファンの著者が、これまで語られることがなかった「史上最大のマーケティング作戦」としてのアポロ計画の姿を描きだす。
感想・レビュー・書評
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サイエンス
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1960年代人類を月に送ったアポロ計画において如何に世界的に熱狂を起こしたのか、マーケティングというか「広報」の話。様々なメディアを使う広報の手法はこの時に生まれたと。当時の技術力云々とは異なる視点からのアポロ計画分析は、新しいやり方を生み出す米国の力を見せつけられる。その後のアポロ計画の冷めっぷりはマーケティング、広報とは異なる次元の話である。
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マーケティングを学びたいと思って選んだんだけど、あまり学ぶってもんでもなかった。
が、アポロをめぐる一連のルポとしては十分に読める。なんとなく、その時代の高揚感が伝わってくる感じ。
豊富な資料も楽しい。 -
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図版が多く楽しめる。また、当時のアメリカ人の全てが、膨大な国家予算を投入する割には実利が少ないアポロ計画に、国民の全てが積極的であった訳ではなかったことから、戦略的にも広報活動が非常に重要だったという記載は示唆に富む。
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宇宙好きの方には資料的な価値はあると思うのですが、繰り出されるエピソードが既視感に満ちており、途中棄権。
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はやぶさや宇宙兄弟やイーロン・マスクやそんなこんなで宇宙への憧憬が遠いものではなくなんか身近なものになっているかも…と感じる今日この頃、「月をマーケティングする」という題名はとってもキャッチーでした。アポロ11号に心震わせた小学生だった自分は最近の宇宙ブームに小学生ワクワク感が今更ながら甦っています。本書は1969年のワクワクを広報という観点で分析していきます。その興奮の生成と消滅のダイナミズムはいま語られているソーシャルマーケティングそのものでありビッグプロジェクトを成立させる要件になっていると思います。ケネディ大統領のコミットメントは月に人類を送り、Whole Earthというコンセプトを生み、数々のベンチャーを創り出し、テクノロジーを進化させ、そしてレディ・ガガを宇宙に送り出そうとしています。我々はその先の大きな目標を掲げることができるのか?なんて考えてしまいました。
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マスメディアが宇宙飛行士を英雄に祭り上げると、NASAは必然的に、議会と国民に対してアポロ計画をマーケティングする責任を負った。報道や生中継で全世界に進行状況を伝え続けたのもマーケティング的な判断によるものだった。
月の土地を売るのかと思ったら、アメリカの宇宙開発の歴史と資料でした。ケネディ大統領の宣言については、プロジェクトのお手本として聞いていましたが、大衆を巻き込むのはマーケティング、ですか。 -
BSフジ「原宿ブックカフェ」のコーナー“コンクラーベ”で登場。
http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/highlight/60.html
SPBS 鈴木美波さんが本広克行さんにプレゼンした1冊。
『1969年の終わりまでに、250億ドルを集めないとこの計画は達成できない。250億ドルという莫大な金額を、どうやってNASAは集めればいいか。となると、やはりこう人々の支援が必要だということで、宇宙はどれほど人類に素晴らしい影響をあたえるかということを、どういうふうに広めていったのかというのが書いてある一冊です。』(SPBS 鈴木美波さん)
見事、本広克行さんの今読みたい本に選ばれました!
原宿ブックカフェ公式サイト
http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/index.html
http://nestle.jp/entertain/bookcafe/