- Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822250973
作品紹介・あらすじ
「あす死ぬと思って生きなさい。ずっと生きると思って学びなさい」
マハトマ・ガンジーは私の永遠のヒーローだが、確か学校の歴史の授業で習った彼のこの言葉がいまだに耳を離れない。
16歳のときに創刊した『スチューデント』という雑誌に始まり、最近では宇宙旅行のヴァージン・ギャラクティック社まで、私はいろいろなベンチャー事業を手がけてきたが、そのなかで常に座右に置いてきた哲学がある。すなわち、「新しいビジネスやプロジェクトに心が躍らず、起業家スピリットや革新マインドが刺激されないとき、クリエイティブな喜びを味わいつつ、それで世界を変えられると感じられないときには、さっさと見切り
をつけ、もっと心躍る別のプロジェクトに目を向ける」。
学校では先生と波長が合わなかった私だが、学校をやめて独立すると、「聴く力」を磨かざるをえなくなった。『スチューデント』誌では「新米記者」の仕事もこなさなければならないから、誰かにインタビューするとき、ほとんど判読不能な文字でメモをとりながら熱心に耳を傾けるしかない。相手がジョン・レノンであれジョン・ル・カレであれ、同時に聴き、書き、次の質問を考える技術を早急にマスターする必要があった。なんだか「皿回し」みたいだ。すべての皿を回しつづけていないと一巻の終わりである。でも腰を据えて耳を傾ける力は、私の人生の救いになった。「聴く」というのは、いまや世の中から消えゆく技能にも思えるが、教師、親、リーダー、起業家にとって最も大切なスキルの一つだと私は思う。いや、血の通う人間ならすべからくそのスキルを必要とするにちがいない。
われわれのグループ各社をめぐって「ヴァージン・ウェイ」という言い方がされるけれども、これは創業1日目からずっと進化してきたものである。ほかの会社からわがグループに転職してきたばかりの人が、(だいたいは非常にインフォーマルな)戦略ないし製品会議に初めて参加し、「なんだかやり方が全然違いますね」と漏らしたとき、ほほ笑みと訳知り顔のウィンクとともに、たいてい次のような答えが返ってくる。
「ええ、そいつがヴァージン・ウェイですよ」
本書を読めばきっとおわかりいただけると思うが、われわれの「ウェイ」すなわち仕事のしかたで大事なのは、黙って聴くこと、それが一つである。何か意見がある人すべての話に熱心に耳を傾ける。「自称専門家」は当てにしない。それから、互いに学び、市場から学び、失敗(まったく新しいことをするためにはつきもの)から学ぶこと。そして、たぶん一番重要なのは、文字どおり楽しむこと。
人になんと言われようがわが道を行く、それも大いに楽しみながら――そんな信念を持つあなたは、すでに正しい方向へ進んでいる。たぶん誰にもその進路は変えられないだろう。もっともっと聴くことだ。話すよりも聴くことだ。情熱を前面に出すことを恐れる必要はない。そして、迷ったときは自身の直感を信じよう。
感想・レビュー・書評
-
フォトリーディング&高速リーディング。
Yusukeさんのお勧め本だったが、私には響かなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ヴァージングループ総帥による、人生哲学を記した本である。
この本は4つの哲学に沿って書かれている。
LISTEN:相手の話を聴く。
LEARN:どんな些細なことからでも学ぶ。
LAUGH:笑顔でいることはエネルギーになる。
LEAD:世界を導く。
どれもスケールが大きいが、謙虚に広く学ぶ姿勢、相手の話を聴く姿勢は印象に残っている。
また、現場主義であること、部署間の壁をつくらないこと、リスクを取ること、などが語られている。
起業して成功した人だから言えることも多いが、その過程では様々な苦労(訴訟等)もあったりする。が、シャンパンを飲んで楽しくやる、などといった前向きな姿勢はとても勉強になった。 -
ヴァージングループの創業者、リチャード・ブランソンさんの著書。
80年代カルチャークラブなどを姉の影響で耳にしていた自分としてはヴァージンはクールで魅力的なイメージがある。
しかしブランソンさん自身のイメージは、冒険家のほうが強かったが、これを読むを実業家としてのブランソンさんを知ることができた。
彼の事業に関するポリシーは非常にシンプルだが、世間一般のビジネス書から見ると逆張りのようなことをしている。しかしそれがヴァージンの魅力なんだろう。
また上場した事で事業の自由度に制限がかかってしまうことを嫌い上場をやめてしまったことなど、創業者の特権といえばそれまでだが、コンサルやマーケティングよりも、こんな事業をしたい
という部下の発言を信頼し、「やってみたら」という感じで事業をスタートする。
なので当初音楽分野のブランドが、航空業界や鉄道分野に宇宙分野、フィットネスなど多岐な分野で活躍している。
逆に、創業者でなくてはここまで分野が違うビジネスに参入することはなかっただろうから音楽業界に固執していたら、ヴァージンブランドはなくなっていたかもしれない。